やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

序文
 本書は,柔道整復師国家試験出題基準の第二次改訂である「柔道整復師国家試験出題基準2022年版」に準拠し,必修問題の出題範囲を「大項目または中項目」で区分し,それぞれの「小項目」について医療系国家資格の国家試験過去問題を分析して出題の要点をまとめ,一問一答形式および多肢選択問題にて国家試験に対応できる“解答力”を強化するためのテキスト & 問題集です.
 「必修問題対策として,何を学修したらよいのかわからない」という学生を想定して,(1)各単元における出題の要点をテキストで学修し,(2)学修の理解度を「確認問題」で自己評価して学修を振り返り,(3)問題集の問題を解き,解説(解法の決め手)にて“解答力”を強化する,という学修プロセスに基づいて設計してあります.すなわち,必修問題の出題ポイントを独学で学べ,さらに知識を強化できるように設計してあります.

 本書の特長は以下の通りです.
 1.医師や看護師,鍼灸師,あんまマッサージ指圧師等の国家試験過去問題を分析して,「倫理・コミュニケーション」「患者の権利」「リスクマネジメント」「医療事故と医療過誤」「社会保障制度」「社会福祉制度」「国民医療費」に関する国家試験出題ポイントをわかりやすく編纂しました.
 2.とくに柔道整復理論においては,類書とは異なる観点から描いたイラストを多用することで,より一層理解を深められるよう工夫しました.
 3.柔道整復理論で学修する内容は,そのまま認定実技審査にも応用できるよう工夫しました.
 4.各単元の理解度を確認するために全570問の一問一答形式の問題を作成しました(間違った問題や理解が不足していると思う箇所があればにチェックを入れて,テキストへ戻り,該当箇所を復習しましょう).
 5.系統的に学修した知識をさらに強化するために,全200問の多肢選択問題を作成し,その問題に対する解法の決め手を詳述しました.
 6.巻末に「徒手検査法一覧」を掲載し,すぐに調べられるようにしました.

 本書の問題集がクリアできたら,国家試験過去問題にチャレンジしてください.これにより本書による学修の自己評価が行われ,実践した学修方法が学修成果に効果的であったのかがわかります.もし学修成果に進歩がみられないと自己評価したときには,学修課題を細かく見つけ出し,再度本書にて課題解決を図ってみてください.また,在籍する学校の教員や仲間に援助を求めたり,あるいは協力したりしながら,それぞれの知識の相互作用によって課題解決を図ることもお勧めします.あなたのクラスやグループにおけるポジティブな雰囲気も国家試験に向けた学修にプラスとなるはずです.
 本書が国家試験対策として活用されることにより学生諸氏が国家試験に合格し,柔道整復師として自己実現を果たし,他者貢献・社会貢献されることを念願してやみません.
 最後になりましたが,本書の企画から上梓までご尽力いただきました医歯薬出版株式会社の各位に謹んで感謝の意を表します.

 2023(令和5)年7月
 大橋 淳
テキスト編
 1 柔道整復師と柔道
  1.柔道の歴史
  2.柔道の理念
  3.礼法
  確認問題
 2 倫理・コミュニケーション
  1.医療倫理の四原則
  2.ヒポクラテスの誓い
  3.柔道整復師の倫理綱領
  4.患者中心の医療(患者の意向の尊重)
  5.患者とのコミュニケーション
  6.生活の質:QOL(Quality of Life)
  7.ノーマライゼーション
  確認問題
 3 患者の権利
  1.日本国憲法の基本的人権
  2.リスボン宣言(患者の権利宣言)
  3.患者への説明と同意
  4.プライバシー保護
  5.個人情報の保護
  確認問題
 4 リスクマネジメント
  1.インシデント・アクシデントと報告書
  2.事故防止対策(ハインリッヒの法則)
  3.医療安全支援センター
  4.医療事故調査制度
 5 医療事故と医療過誤
  1.医療事故,医療過誤
  2.柔道整復師に課せられる義務
  3.医療過誤の法的責任
  確認問題
 6 社会保険制度
  1.社会保障制度
  2.社会保険制度
  3.医療保険制度
  4.国民健康保険法(地域保険)
  5.健康保険法(被用者保険)
  6.後期高齢者医療制度
  7.医療保険の保険給付
  8.労働災害補償保険法
  9.介護保険法
  10.公的年金
  11.国民年金(基礎年金)
  12.厚生年金
  確認問題
 7 社会福祉制度
  1.生活保護法
  2.老人福祉法
  確認問題
 8 国民医療費
  1.国民医療費の状況
  確認問題
 9 柔道整復師と療養費
  1.療養の給付(現物給付)と療養費(現金給付)
  2.償還払い方式と受領委任払い方式
  3.柔道整復師の施術に係る療養費の受領委任の取扱い
  4.保険取扱いの心得
  確認問題
 10 柔道整復師法・施行令・施行規則
  1.総則
  2.免許
  3.免許の申請
  4.指定登録・試験機関
  5.業
  6.施術所
  確認問題
 11 関係法規
  1.柔道整復師法に係る法令
  2.医師法
  3.保健師助産師看護師法
  4.診療放射線技師法
  5.理学療法士及び作業療法士法
  6.薬剤師法
  7.医療法
  確認問題
 12 定型的鎖骨骨折
  1.診察および整復
  2.固定
  確認問題
 13 上腕骨外科頸骨折
  1.診察および整復
  2.固定
  確認問題
 14 上腕骨骨幹部骨折
  1.診察および整復
  2.固定
  確認問題
 15 コーレス骨折
  1.診察および整復
  2.固定
  確認問題
 16 中手骨頸部骨折
  1.診察および整復
  2.固定(第5中手骨)
  確認問題
 17 下腿骨骨幹部骨折
  1.診察および整復
  2.固定
  確認問題
 18 肋骨骨折
  1.診察および整復
  2.固定
  確認問題
 19 肩鎖関節上方脱臼
  1.診察および整復
  2.固定
  確認問題
 20 肩関節烏口下脱臼
  1.診察および整復
  2.固定
  確認問題
 21 肘関節後方脱臼
  1.診察および整復
  2.固定
  確認問題
 22 肘内障
  1.診察および整復
  確認問題
 23 示指PIP関節背側脱臼
  1.診察および整復
  2.固定
  確認問題
 24 肩腱板損傷
  1.診察および検査
  確認問題
 25 上腕二頭筋長頭腱損傷
  1.診察および検査
  確認問題
 26 大腿部打撲・肉ばなれ
  1.大腿部打撲の診察および検査
  2.大腿四頭筋肉ばなれの診察および検査
  3.ハムストリングス肉ばなれの診察および検査
  確認問題
 27 膝関節側副靱帯損傷
  1.内側側副靱帯損傷(MCL)の診察
  2.外側側副靱帯損傷(LCL)の診察
  3.検査手技・動作
  4.膝内側側副靱帯損傷の固定
  確認問題
 28 膝関節十字靱帯損傷
  1.前十字靱帯損傷(ACL)の診察および検査
  2.後十字靱帯損傷(PCL)の診察および検査
  確認問題
 29 膝関節半月板損傷
  1.診察および検査
  確認問題
 30 下腿三頭筋肉ばなれ
  1.診察および検査
  確認問題
 31 アキレス腱断裂
  1.診察および検査
  2.固定
  確認問題
 32 足関節外側靱帯損傷
  1.診察および検査
  2.固定
  確認問題
 33 包帯法
  確認問題
 徒手検査法一覧
問題編
 1 柔道整復師と柔道
 2 倫理・コミュニケーション
 3 患者の権利
 4 リスクマネジメント
 5 医療事故と医療過誤
 6 社会保険制度
 7 社会福祉制度
 8 国民医療費
 9 柔道整復師と療養費
 10 柔道整復師法
 11 関係法規
 12 (1) 定型的鎖骨骨折の診察および整復
 12 (2) 定型的鎖骨骨折の固定
 13 上腕骨外科頸外転型骨折の診察および整復
 14 上腕骨骨幹部三角筋付着部より遠位骨折の固定
 15 (1) コーレス骨折の診察および整復
 15 (2) コーレス骨折の固定
 16 第5中手骨頸部骨折の固定
 17 下腿骨骨幹部骨折の固定
 18 肋骨骨折の固定
 19 (1) 肩鎖関節上方脱臼の診察および整復
 19 (2) 肩鎖関節上方脱臼の固定
 20 (1) 肩関節烏口下脱臼の診察および整復
 20 (2) 肩関節烏口下脱臼の固定
 21 (1) 肘関節後方脱臼の診察および整復
 21 (2) 肘関節後方脱臼の固定
 22 肘内障の診察および整復
 23 示指PIP関節背側脱臼の固定
 24 肩腱板損傷の診察
 25 上腕二頭筋長頭腱損傷の診察
 26 大腿部打撲・肉ばなれの診察
 27 (1) 膝関節側副靱帯損傷の診察
 27 (2) 膝関節内側側副靱帯損傷の固定
 28 膝関節十字靱帯損傷の診察
 29 膝関節半月板損傷の診察
 30 下腿三頭筋肉ばなれの診察
 31 アキレス腱断裂の固定
 32 (1)足関節外側靱帯損傷の診察
 32 (2)足関節外側靱帯損傷の固定
 33 包帯法
解答・解説編
 1 柔道整復師と柔道
 2 倫理・コミュニケーション
 3 患者の権利
 4 リスクマネジメント
 5 医療事故と医療過誤
 6 社会保険制度
 7 社会福祉制度
 8 国民医療費
 9 柔道整復師と療養費
 10 柔道整復師法
 11 関係法規
 12 (1) 定型的鎖骨骨折の診察および整復
 12 (2) 定型的鎖骨骨折の固定
 13 上腕骨外科頸外転型骨折の診察および整復
 14 上腕骨骨幹部三角筋付着部より遠位骨折の固定
 15 (1) コーレス骨折の診察および整復
 15 (2) コーレス骨折の固定
 16 第5中手骨頸部骨折の固定
 17 下腿骨骨幹部骨折の固定
 18 肋骨骨折の固定
 19 (1) 肩鎖関節上方脱臼の診察および整復
 19 (2) 肩鎖関節上方脱臼の固定
 20 (1) 肩関節烏口下脱臼の診察および整復
 20 (2) 肩関節烏口下脱臼の固定
 21 (1) 肘関節後方脱臼の診察および整復
 21 (2) 肘関節後方脱臼の固定
 22 肘内障の診察および整復
 23 示指PIP関節背側脱臼の固定
 24 肩腱板損傷の診察
 25 上腕二頭筋長頭腱損傷の診察
 26 大腿部打撲・肉ばなれの診察
 27 (1) 膝関節側副靱帯損傷の診察
 27 (2) 膝関節内側側副靱帯損傷の固定
 28 膝関節十字靱帯損傷の診察
 29 膝関節半月板損傷の診察
 30 下腿三頭筋肉ばなれの診察
 31 アキレス腱断裂の固定
 32 (1)足関節外側靱帯損傷の診察
 32 (2)足関節外側靱帯損傷の固定
 33 包帯法

 索引