序
臨床検査技師の教育制度は多様化し,三年制専門学校,短期大学,4年制大学コースなどがあるが,資格国家試験は同一であり,教育カリキュラムによって定められた全科目を受験しなくてはならない.
ヨーロッパやアメリカでは,臨床検査の進歩発展に遅れぬようハイレベルの専門別検査技師の養成が行われており,また,生涯教育の一環としてextended programが盛んに行われている.
本書が『衛生検査技術講座/血清学』としてはじめて刊行されたのは昭和42年(1967年)である.その後,カリキュラムの改正と,免疫学の進歩とともに,本書の名称も『臨床検査講座/血清学』,『臨床検査講座/免疫血清学』,『新編臨床検査講座/臨床免疫学』と改められ,その間,小改訂が毎年,大改訂が4年に1回行われ,現在にいたったが,その後,免疫学はさらに進歩発展を続け,再度大改訂を必要とするにいたった.
経験的感染防御から始まった免疫学は,現代では生体の恒常性の維持の一つの機構であると考えられるようになった.免疫学がもつ複雑な細胞間相互作用も,免疫担当細胞がもつ,あるいは放出する生活活性物質間の相互作用に基づくものであることが明らかにされた.
モノクローナル抗体,サイトカインの化学構造と生理学的機能の解明,新腫瘍マーカーの発見,遺伝子レベルの検査,輸血後に起こる対宿主移植片反応の発生機序の解明,HIV-1とHIV-2の亜型の発見,およびHIVの細胞好性の変化,ウイルスの遺伝子構造と免疫学との関係などが一層明らかにされた.
このように免疫学は,生化学,分子生物学,細胞生物学,遺伝学・遺伝子工学の基礎知識なしには習得できなくなってきた.多数の学科目の一つとして,限られた時間のなかで臨床免疫学の基礎と臨床を学び理解しようとする学生諸君にとって,すべてをフォローすることは不可能である.しかし,これらの理解なくしては臨床免疫学の理解がおぼつかないことも明らかである.そこで,このような事態を少しでも解消するために,『新訂臨床検査講座/臨床免疫学』を刊行することになった.
本書ではこの点を配慮して,学生諸君が,現代臨床免疫学の全体像を理解するうえで重要な最新の知見を含む限られた事項を,予備知識を交え,平易に,各事項相互の関係と意義とが体系的に理解できるよう記述した.
専門部門ごとに分担執筆したが,執筆部分の統一は,企画編集と校正の段階で行った.また,現在使用されていない検査法の簡略化あるいは省略は,企画編集段階で決定した.
本書の内容を充実させるために,共著者として,安藤清平,福岡良博,伊藤忠一,佐藤進一郎の各氏にお願いしてきた.とくに安藤清平氏については1967年の最初のシリーズの『血清学』の企画段階から協力をしていただいた.
本書を執筆するにあたり,臨床検査技師,南(丸山)京子,武藤(正野)五恵,平井恵美子,後藤庄助,松田仁志,高橋博之各氏の絶大なる協力を賜った.ここに心から感謝の意を表する.
今後さらに内容を充実し,時代に即応した本にしたいと念願しているので,ご意見をお寄せくださるようお願いする.
1997年 春
執筆者を代表して 福岡良男
−−−−−−−−−−
執筆分担一覧
カラー図譜福岡良男
第I章 1,3-I・II,4,
5-I〜V,6,7,11 福岡良男
3-III 福岡良博
2,5-VI,8,10 伊藤忠一
9,11 佐藤進一郎
第II章 1〜4,6 福岡良男
3,5 佐藤進一郎
7〜12 伊藤忠一
臨床検査技師の教育制度は多様化し,三年制専門学校,短期大学,4年制大学コースなどがあるが,資格国家試験は同一であり,教育カリキュラムによって定められた全科目を受験しなくてはならない.
ヨーロッパやアメリカでは,臨床検査の進歩発展に遅れぬようハイレベルの専門別検査技師の養成が行われており,また,生涯教育の一環としてextended programが盛んに行われている.
本書が『衛生検査技術講座/血清学』としてはじめて刊行されたのは昭和42年(1967年)である.その後,カリキュラムの改正と,免疫学の進歩とともに,本書の名称も『臨床検査講座/血清学』,『臨床検査講座/免疫血清学』,『新編臨床検査講座/臨床免疫学』と改められ,その間,小改訂が毎年,大改訂が4年に1回行われ,現在にいたったが,その後,免疫学はさらに進歩発展を続け,再度大改訂を必要とするにいたった.
経験的感染防御から始まった免疫学は,現代では生体の恒常性の維持の一つの機構であると考えられるようになった.免疫学がもつ複雑な細胞間相互作用も,免疫担当細胞がもつ,あるいは放出する生活活性物質間の相互作用に基づくものであることが明らかにされた.
モノクローナル抗体,サイトカインの化学構造と生理学的機能の解明,新腫瘍マーカーの発見,遺伝子レベルの検査,輸血後に起こる対宿主移植片反応の発生機序の解明,HIV-1とHIV-2の亜型の発見,およびHIVの細胞好性の変化,ウイルスの遺伝子構造と免疫学との関係などが一層明らかにされた.
このように免疫学は,生化学,分子生物学,細胞生物学,遺伝学・遺伝子工学の基礎知識なしには習得できなくなってきた.多数の学科目の一つとして,限られた時間のなかで臨床免疫学の基礎と臨床を学び理解しようとする学生諸君にとって,すべてをフォローすることは不可能である.しかし,これらの理解なくしては臨床免疫学の理解がおぼつかないことも明らかである.そこで,このような事態を少しでも解消するために,『新訂臨床検査講座/臨床免疫学』を刊行することになった.
本書ではこの点を配慮して,学生諸君が,現代臨床免疫学の全体像を理解するうえで重要な最新の知見を含む限られた事項を,予備知識を交え,平易に,各事項相互の関係と意義とが体系的に理解できるよう記述した.
専門部門ごとに分担執筆したが,執筆部分の統一は,企画編集と校正の段階で行った.また,現在使用されていない検査法の簡略化あるいは省略は,企画編集段階で決定した.
本書の内容を充実させるために,共著者として,安藤清平,福岡良博,伊藤忠一,佐藤進一郎の各氏にお願いしてきた.とくに安藤清平氏については1967年の最初のシリーズの『血清学』の企画段階から協力をしていただいた.
本書を執筆するにあたり,臨床検査技師,南(丸山)京子,武藤(正野)五恵,平井恵美子,後藤庄助,松田仁志,高橋博之各氏の絶大なる協力を賜った.ここに心から感謝の意を表する.
今後さらに内容を充実し,時代に即応した本にしたいと念願しているので,ご意見をお寄せくださるようお願いする.
1997年 春
執筆者を代表して 福岡良男
−−−−−−−−−−
執筆分担一覧
カラー図譜福岡良男
第I章 1,3-I・II,4,
5-I〜V,6,7,11 福岡良男
3-III 福岡良博
2,5-VI,8,10 伊藤忠一
9,11 佐藤進一郎
第II章 1〜4,6 福岡良男
3,5 佐藤進一郎
7〜12 伊藤忠一
序
カラー図譜
第I章 臨床免疫学
1.免疫学の概要
I.免疫学の歴史と意義
II.免疫学の定義
2.免疫応答と機能
I.免疫に関与する細胞,臓器
II.リンパ球の分化と再循環
III.免疫機能の系統発生,個体発生と加齢
IV.免疫応答に介在する因子:サイトカインと接着分子
V.免疫応答--免疫細胞間相互作用
3.抗原,抗体,補体
I.抗原
1-定義
2-抗原性(免疫原性)
3-抗原の特異性
4-抗原の決定基(決定群)
5-抗原の分類
6-抗原性を発揮するための条件
7-抗原性の変化と変異
8-抗原がヒトの体内に入る経路
II.抗体
1-定義
2-抗体の分類
3-抗体と血清タンパク分画
4-抗体(免疫グロブリン)の構造と機能
5-免疫グロブリンの生物学的活性
6-新生児の免疫グロブリン
7-血清タンパクの異常
8-免疫グロブリンの臨床的応用
9-免疫グロブリンの精製法
10-抗体の消長
11-抗体曲線の臨床的意義
12-抗体産生に影響を及ぼす因子
13-抗体活性に影響を及ぼす因子
14-検査血清と抗体血清の保存法
15-抗体産生細胞の検出法(プラーク法)
16-ポリクローナル抗体とモノクローナル抗体
III.補体
1-定義
2-補体成分
3-補体活性化経路
4-補体系のコントロール機構
5-生理活性補体フラグメント
6-補体レセプター
7-補体遺伝子ファミリーと染色体連鎖
8-補体と凝固系,線溶系,キニン系との関係
9-補体が関与する免疫現象
10-補体作用の変化
11-補体の測定法
12-補体測定の臨床的意義
13-先天性補体欠損症と補体関連分子の欠損
4.抗原抗体反応とその原理
1-定義
2-抗原抗体反応の分類
3-抗原抗体反応の特異性
4-交差反応
5-近親反応
6-抗原抗体反応の原理
7-抗体の親和性と抗原結合活性(結合力)
8-抗原抗体反応に関与する免疫グロブリン
9-抗原抗体反応に影響を及ぼす因子
10-抗原抗体反応の速度
11-抗原抗体反応の感度
12-抗原抗体反応における各因子の量的関係
13-抗原抗体の結合状態
5.試験管内の抗原抗体反応
I.沈降反応
1-定義
2-沈降反応にあずかる抗原
3-沈降反応にあずかる抗体
4-沈降反応の機序
5-沈降反応の方法
6-沈降反応の応用面
II.凝集反応
1-定義
2-凝集反応にあずかる抗原
3-凝集反応にあずかる抗体
4-凝集反応の機序
5-凝集反応に影響を及ぼす因子
6-凝集反応における検査血清の不活性化の意義
7-凝集反応の分類
8-凝集反応の試験法
9-凝集反応における最適比と地帯現象
10-凝集塊の形態
11-凝集反応の反応の強さの表し方
12-凝集反応の応用面
III.溶解反応
1-定義
2-溶解反応にあずかる抗原
3-溶解反応にあずかる抗体
4-第2経路(副経路)による溶解反応
5-特別な溶解現象
6-溶解反応の機序
7-感作赤血球,感作細菌
8-溶血素と補体の相補性
9-溶血反応における終価の意義
10-細胞傷害(毒性)試験
11-溶解反応に影響を与える因子
12-溶解反応の応用面
IV.補体結合反応
1-定義
2-補体結合反応の機序
3-補体結合反応にあずかる抗原
4-補体結合反応にあずかる抗体
5-補体結合反応における最適比
6-補体結合反応の鋭敏度
7-補体結合に及ぼす影響
8-補体結合反応の応用面
V.中和反応
1-定義
2-中和反応の分類
VI.免疫化学的分析法
1-散乱光分析法
2-ラテックス凝集光学的測定法
3-標識抗原抗体反応
6.生体内の免疫反応
I.免疫
1-自然免疫と獲得免疫
2-免疫された生体の示す反応
3-免疫不全
4-加齢と免疫機能
II.アレルギー
1-I型アレルギー(アナフィラキシー型反応,またはIgE型反応)
2-II型アレルギー(細胞傷害型過敏症)
3-III型アレルギー(免疫複合体による過敏症)
4-IV型アレルギー(遅延型アレルギー,または細胞性免疫機序による過敏症)
5-V型アレルギー(細胞刺激性過敏症)
7.感染と免疫
I.非特異的感染防御
1-皮膚,粘膜
2-可溶性因子
3-細胞性因子による食作用
4-食作用不全症
II.特異的感染防御
1-細胞性免疫
2-体液性免疫
III.細菌感染の免疫学
IV.真菌感染症の免疫学
V.寄生虫感染の免疫学
VI.ウイルス性疾患の免疫学
1-概説
2-主なウイルス性疾患
[1]ウイルス性肝炎
[2]後天性免疫不全症候群(AIDS)
[3]成人T細胞性白血病(ATL)
VII.性感染症
1-クラミジア・トラコマチス感染
2-梅毒の免疫学
8.自己免疫疾患と検査
1-免疫学的寛容
2-自己寛容の破綻
3-自己免疫疾患
4-自己抗体とその検出法
9.移植免疫と検査
1-移植免疫
2-移植の分類
3-拒絶現象とその機序
4-臓器移植における組織適合抗原と検査
5-臓器移植の種類
6-免疫抑制剤の投与
7-放射線照射
10.腫瘍免疫と検査
I.腫瘍細胞に対する免疫学的監視機構
II.腫瘍関連抗原
1-主な腫瘍マーカーとその臨床的意義
11.免疫血液学と検査
I.輸血の免疫学
1-ABO式血液型
2-Rh式血液型
3-その他の血液型
4-血小板型
5-血清型(アロタイプ)
6-輸血に関する免疫学的基礎知識
7-採血に伴う副作用と事故
II.不完全抗体の検出法
III.新生児溶血性疾患
IV.免疫機序による溶血性貧血
V.免疫機序による好中球減少症
VI.免疫機序による血小板減少症
〔資料〕 血液製剤使用の適正化について
第II章 --臨床免疫学実習
1.臨床免疫学的検査の基礎知識と基本技術
I.免疫検査室の設備と器具類
II.免疫検査に用いる赤血球とその保存法
III.マイクロダイリューターの使い方
IV.赤血球浮遊液のつくり方
V.免疫血清のつくり方
VI.溶液と血清の透明化
VII.希釈法
VIII.検査材料とその取り扱い方
IX.定性法と定量法
1-定性法
2-定量法
2.臨床免疫検査管理
I.検査管理
1-検査室の運営管理
2-検査室における技術管理
3-統計的管理
4-臨床的管理
5-疫学的管理
6-病室・外来における検査の管理
7-事務的管理
II.職業感染と対策
III.病院の規模と検査項目
IV.免疫検査の実施中に発見される疾患と免疫学的異常
V.異常な検査結果が得られたときの対策
3.免疫血液学的検査(輸血検査)
基礎編
1-凝集像の見方
2-3〜5% 赤血球浮遊液の作製方法
実際編
I.ABO式血液型検査法
1-意義
2-オモテ検査法(正規検査法)
3-ウラ検査法(逆検査法)
4-ABO式血液型判定を誤らせる原因
5-オモテ検査法とウラ検査法を併行して行う意義
II.Rh式血液型検査
1-意義
2-Rh式血液型(D抗原)検査用抗血清
III.ABO式血液型亜型の検査
1-意義
2-検査の術式
3-亜型患者への輸血用血液の選択と考え方
IV.抗Aおよび抗B凝集素価の測定法
1-意義
2-検査の術式
V.不完全抗体の検出法
1-抗グロブリン(クームス)試験
2-膠質溶液を用いる試験
3-タンパク分解酵素処理赤血球を用いる試験
4-低イオン強度溶液を用いる試験
VI.交差適合試験
VII.唾液を用いた赤血球凝集抑制試験によるABO式血液型の判定と分泌型・非分泌型検査
VIII.不規則抗体検査
1-不規則抗体スクリーニング
2-不規則抗体の同定
IX.抗体の吸収試験と解離試験
1-吸収試験
2-解離試験
4.梅毒検査
I.脂質抗原を用いた梅毒検査法
1-ガラス板法(VDRL法準拠)
2-梅毒凝集法
3-RPRテスト
4-Wassermann反応(緒方法)
II.TP抗原を用いた梅毒検査法
1-梅毒トレポネーマ粒子凝集反応(TP・PAテスト)
2-梅毒トレポネーマ赤血球凝集反応(TPHAテスト)
3-蛍光抗体法(吸収法)によるTP抗体の検出(FTA-ABSテスト)
5.肝炎ウイルス関連検査
1-A型肝炎ウイルスの検査法
2-B型肝炎ウイルスの検査法
3-C型肝炎ウイルスの検査法
6.その他の感染症に対する免疫検査
I.寒冷凝集反応
II.Paul-Bunnell反応
III.Widal反応
IV.Weil-Felix反応
V.抗ストレプトリジン-O価測定
1-ストレプトリジン-O
2-抗ストレプトリジン-O価測定法(Rantz-Randall法)
3-正常値
4-ASO価の上昇を示す疾患
5-ASO価の非特異的上昇
6-ASO価の上昇が認められない場合
VI.抗ストレプトキナーゼ価の測定
VII.トキソプラズマ症の受身赤血球凝集反応
VIII.HTLV-I抗体検査
IX.HIV-1,2抗体検査
1-PA法
2-EIA法
3-Western blot法
7.自己抗体および自己免疫疾患関連検査
I.抗核抗体検査
II.抗DNA抗体検査
III.抗ENA抗体検査
IV.抗サイログロブリン,抗ミクロソーム抗体検査
V.リウマチ(リウマトイド)因子検査
1-RAテスト
2-RAPAテスト
3-感作赤血球凝集反応
VI.Donath-Landsteiner反応
VII.Mackenzie反応
8.腫瘍マーカー検査
1-CEA検査
9.免疫学的妊娠反応
10.急性期タンパク質(急性期反応物質)の検査
1-C反応性タンパク(CRP)
11.免疫機能検査
I.免疫グロブリンおよび血清タンパク成分の定量
II.免疫電気泳動法(Grabar法)
III.血清補体価(CH50)の測定
1-Mayerの50% 溶血法
2-リポソーム免疫測定法
3-CH50測定の臨床的意義
4-補体成分を用いた免疫複合体の検出法
IV.細胞性免疫機能検査
1-リンパ球の分離
2-T細胞とB細胞の測定
3-リンパ球幼若化反応
4-マクロファージ遊走阻止試験
5-サイトカイン,可溶性接着分子の測定
12.臨床免疫検査の自動化と定量化
参考図書および雑誌
索引
カラー図譜
第I章 臨床免疫学
1.免疫学の概要
I.免疫学の歴史と意義
II.免疫学の定義
2.免疫応答と機能
I.免疫に関与する細胞,臓器
II.リンパ球の分化と再循環
III.免疫機能の系統発生,個体発生と加齢
IV.免疫応答に介在する因子:サイトカインと接着分子
V.免疫応答--免疫細胞間相互作用
3.抗原,抗体,補体
I.抗原
1-定義
2-抗原性(免疫原性)
3-抗原の特異性
4-抗原の決定基(決定群)
5-抗原の分類
6-抗原性を発揮するための条件
7-抗原性の変化と変異
8-抗原がヒトの体内に入る経路
II.抗体
1-定義
2-抗体の分類
3-抗体と血清タンパク分画
4-抗体(免疫グロブリン)の構造と機能
5-免疫グロブリンの生物学的活性
6-新生児の免疫グロブリン
7-血清タンパクの異常
8-免疫グロブリンの臨床的応用
9-免疫グロブリンの精製法
10-抗体の消長
11-抗体曲線の臨床的意義
12-抗体産生に影響を及ぼす因子
13-抗体活性に影響を及ぼす因子
14-検査血清と抗体血清の保存法
15-抗体産生細胞の検出法(プラーク法)
16-ポリクローナル抗体とモノクローナル抗体
III.補体
1-定義
2-補体成分
3-補体活性化経路
4-補体系のコントロール機構
5-生理活性補体フラグメント
6-補体レセプター
7-補体遺伝子ファミリーと染色体連鎖
8-補体と凝固系,線溶系,キニン系との関係
9-補体が関与する免疫現象
10-補体作用の変化
11-補体の測定法
12-補体測定の臨床的意義
13-先天性補体欠損症と補体関連分子の欠損
4.抗原抗体反応とその原理
1-定義
2-抗原抗体反応の分類
3-抗原抗体反応の特異性
4-交差反応
5-近親反応
6-抗原抗体反応の原理
7-抗体の親和性と抗原結合活性(結合力)
8-抗原抗体反応に関与する免疫グロブリン
9-抗原抗体反応に影響を及ぼす因子
10-抗原抗体反応の速度
11-抗原抗体反応の感度
12-抗原抗体反応における各因子の量的関係
13-抗原抗体の結合状態
5.試験管内の抗原抗体反応
I.沈降反応
1-定義
2-沈降反応にあずかる抗原
3-沈降反応にあずかる抗体
4-沈降反応の機序
5-沈降反応の方法
6-沈降反応の応用面
II.凝集反応
1-定義
2-凝集反応にあずかる抗原
3-凝集反応にあずかる抗体
4-凝集反応の機序
5-凝集反応に影響を及ぼす因子
6-凝集反応における検査血清の不活性化の意義
7-凝集反応の分類
8-凝集反応の試験法
9-凝集反応における最適比と地帯現象
10-凝集塊の形態
11-凝集反応の反応の強さの表し方
12-凝集反応の応用面
III.溶解反応
1-定義
2-溶解反応にあずかる抗原
3-溶解反応にあずかる抗体
4-第2経路(副経路)による溶解反応
5-特別な溶解現象
6-溶解反応の機序
7-感作赤血球,感作細菌
8-溶血素と補体の相補性
9-溶血反応における終価の意義
10-細胞傷害(毒性)試験
11-溶解反応に影響を与える因子
12-溶解反応の応用面
IV.補体結合反応
1-定義
2-補体結合反応の機序
3-補体結合反応にあずかる抗原
4-補体結合反応にあずかる抗体
5-補体結合反応における最適比
6-補体結合反応の鋭敏度
7-補体結合に及ぼす影響
8-補体結合反応の応用面
V.中和反応
1-定義
2-中和反応の分類
VI.免疫化学的分析法
1-散乱光分析法
2-ラテックス凝集光学的測定法
3-標識抗原抗体反応
6.生体内の免疫反応
I.免疫
1-自然免疫と獲得免疫
2-免疫された生体の示す反応
3-免疫不全
4-加齢と免疫機能
II.アレルギー
1-I型アレルギー(アナフィラキシー型反応,またはIgE型反応)
2-II型アレルギー(細胞傷害型過敏症)
3-III型アレルギー(免疫複合体による過敏症)
4-IV型アレルギー(遅延型アレルギー,または細胞性免疫機序による過敏症)
5-V型アレルギー(細胞刺激性過敏症)
7.感染と免疫
I.非特異的感染防御
1-皮膚,粘膜
2-可溶性因子
3-細胞性因子による食作用
4-食作用不全症
II.特異的感染防御
1-細胞性免疫
2-体液性免疫
III.細菌感染の免疫学
IV.真菌感染症の免疫学
V.寄生虫感染の免疫学
VI.ウイルス性疾患の免疫学
1-概説
2-主なウイルス性疾患
[1]ウイルス性肝炎
[2]後天性免疫不全症候群(AIDS)
[3]成人T細胞性白血病(ATL)
VII.性感染症
1-クラミジア・トラコマチス感染
2-梅毒の免疫学
8.自己免疫疾患と検査
1-免疫学的寛容
2-自己寛容の破綻
3-自己免疫疾患
4-自己抗体とその検出法
9.移植免疫と検査
1-移植免疫
2-移植の分類
3-拒絶現象とその機序
4-臓器移植における組織適合抗原と検査
5-臓器移植の種類
6-免疫抑制剤の投与
7-放射線照射
10.腫瘍免疫と検査
I.腫瘍細胞に対する免疫学的監視機構
II.腫瘍関連抗原
1-主な腫瘍マーカーとその臨床的意義
11.免疫血液学と検査
I.輸血の免疫学
1-ABO式血液型
2-Rh式血液型
3-その他の血液型
4-血小板型
5-血清型(アロタイプ)
6-輸血に関する免疫学的基礎知識
7-採血に伴う副作用と事故
II.不完全抗体の検出法
III.新生児溶血性疾患
IV.免疫機序による溶血性貧血
V.免疫機序による好中球減少症
VI.免疫機序による血小板減少症
〔資料〕 血液製剤使用の適正化について
第II章 --臨床免疫学実習
1.臨床免疫学的検査の基礎知識と基本技術
I.免疫検査室の設備と器具類
II.免疫検査に用いる赤血球とその保存法
III.マイクロダイリューターの使い方
IV.赤血球浮遊液のつくり方
V.免疫血清のつくり方
VI.溶液と血清の透明化
VII.希釈法
VIII.検査材料とその取り扱い方
IX.定性法と定量法
1-定性法
2-定量法
2.臨床免疫検査管理
I.検査管理
1-検査室の運営管理
2-検査室における技術管理
3-統計的管理
4-臨床的管理
5-疫学的管理
6-病室・外来における検査の管理
7-事務的管理
II.職業感染と対策
III.病院の規模と検査項目
IV.免疫検査の実施中に発見される疾患と免疫学的異常
V.異常な検査結果が得られたときの対策
3.免疫血液学的検査(輸血検査)
基礎編
1-凝集像の見方
2-3〜5% 赤血球浮遊液の作製方法
実際編
I.ABO式血液型検査法
1-意義
2-オモテ検査法(正規検査法)
3-ウラ検査法(逆検査法)
4-ABO式血液型判定を誤らせる原因
5-オモテ検査法とウラ検査法を併行して行う意義
II.Rh式血液型検査
1-意義
2-Rh式血液型(D抗原)検査用抗血清
III.ABO式血液型亜型の検査
1-意義
2-検査の術式
3-亜型患者への輸血用血液の選択と考え方
IV.抗Aおよび抗B凝集素価の測定法
1-意義
2-検査の術式
V.不完全抗体の検出法
1-抗グロブリン(クームス)試験
2-膠質溶液を用いる試験
3-タンパク分解酵素処理赤血球を用いる試験
4-低イオン強度溶液を用いる試験
VI.交差適合試験
VII.唾液を用いた赤血球凝集抑制試験によるABO式血液型の判定と分泌型・非分泌型検査
VIII.不規則抗体検査
1-不規則抗体スクリーニング
2-不規則抗体の同定
IX.抗体の吸収試験と解離試験
1-吸収試験
2-解離試験
4.梅毒検査
I.脂質抗原を用いた梅毒検査法
1-ガラス板法(VDRL法準拠)
2-梅毒凝集法
3-RPRテスト
4-Wassermann反応(緒方法)
II.TP抗原を用いた梅毒検査法
1-梅毒トレポネーマ粒子凝集反応(TP・PAテスト)
2-梅毒トレポネーマ赤血球凝集反応(TPHAテスト)
3-蛍光抗体法(吸収法)によるTP抗体の検出(FTA-ABSテスト)
5.肝炎ウイルス関連検査
1-A型肝炎ウイルスの検査法
2-B型肝炎ウイルスの検査法
3-C型肝炎ウイルスの検査法
6.その他の感染症に対する免疫検査
I.寒冷凝集反応
II.Paul-Bunnell反応
III.Widal反応
IV.Weil-Felix反応
V.抗ストレプトリジン-O価測定
1-ストレプトリジン-O
2-抗ストレプトリジン-O価測定法(Rantz-Randall法)
3-正常値
4-ASO価の上昇を示す疾患
5-ASO価の非特異的上昇
6-ASO価の上昇が認められない場合
VI.抗ストレプトキナーゼ価の測定
VII.トキソプラズマ症の受身赤血球凝集反応
VIII.HTLV-I抗体検査
IX.HIV-1,2抗体検査
1-PA法
2-EIA法
3-Western blot法
7.自己抗体および自己免疫疾患関連検査
I.抗核抗体検査
II.抗DNA抗体検査
III.抗ENA抗体検査
IV.抗サイログロブリン,抗ミクロソーム抗体検査
V.リウマチ(リウマトイド)因子検査
1-RAテスト
2-RAPAテスト
3-感作赤血球凝集反応
VI.Donath-Landsteiner反応
VII.Mackenzie反応
8.腫瘍マーカー検査
1-CEA検査
9.免疫学的妊娠反応
10.急性期タンパク質(急性期反応物質)の検査
1-C反応性タンパク(CRP)
11.免疫機能検査
I.免疫グロブリンおよび血清タンパク成分の定量
II.免疫電気泳動法(Grabar法)
III.血清補体価(CH50)の測定
1-Mayerの50% 溶血法
2-リポソーム免疫測定法
3-CH50測定の臨床的意義
4-補体成分を用いた免疫複合体の検出法
IV.細胞性免疫機能検査
1-リンパ球の分離
2-T細胞とB細胞の測定
3-リンパ球幼若化反応
4-マクロファージ遊走阻止試験
5-サイトカイン,可溶性接着分子の測定
12.臨床免疫検査の自動化と定量化
参考図書および雑誌
索引