「最新臨床検査学講座」の刊行にあたって
1958年に衛生検査技師法が制定され,その教育の場からの強い要望に応えて刊行されたのが「衛生検査技術講座」であります.その後,法改正およびカリキュラム改正などに伴い,「臨床検査講座」(1972),さらに「新編臨床検査講座」(1987),「新訂臨床検査講座」(1996)と,その内容とかたちを変えながら改訂・増刷を重ねてまいりました.
2000年4月より,新しいカリキュラムのもとで,新しい臨床検査技師教育が行われることとなり,その眼目である“大綱化“によって,各学校での弾力的な運用が要求され,またそれが可能となりました.「基礎分野」「専門基礎分野」「専門分野」という教育内容とその目標とするところは,従前とかなり異なったものになりました.そこで弊社では,この機に「臨床検査学講座」を刊行することといたしました.臨床検査技師という医療職の重要性がますます高まるなかで,“技術”の修得とそれを応用する力の醸成,および“学”としての構築を目指して,教育内容に沿ったかたちで有機的な講義が行えるよう留意いたしました.
その後,ガイドラインが改定されればその内容を取り込みながら版を重ねてまいりましたが,2013年に「国家試験出題基準平成27年版」が発表されたことにあわせて紙面を刷新した「最新臨床検査学講座」を刊行することといたしました.新シリーズ刊行にあたりましては,臨床検査学および臨床検査技師教育に造詣の深い山藤 賢先生,高木 康先生,奈良信雄先生,三村邦裕先生,和田骼u先生を編集顧問に迎え,シリーズ全体の構想と編集方針の策定にご協力いただきました.各巻の編者,執筆者にはこれまでの「臨床検査学講座」の構成・内容を踏襲しつつ,最近の医学医療,臨床検査の進歩を取り入れることをお願いしました.
本シリーズが国家試験出題の基本図書として,多くの学校で採用されてきました実績に鑑みまして,ガイドライン項目はかならず包含し,国家試験受験の知識を安心して習得できることを企図しました.国家試験に必要な知識は本文に,プラスアルファの内容は側注で紹介しています.また,読者の方々に理解されやすい,より使いやすい,より見やすい教科書となるような紙面構成を目指しました.本「最新臨床検査学講座」により臨床検査技師として習得しておくべき知識を,確実に,効率的に獲得することに寄与できましたら本シリーズの目的が達せられたと考えます.
各巻テキストにつきまして,多くの方がたからのご意見,ご叱正を賜れば幸甚に存じます.
2015年春
医歯薬出版株式会社
第2版の序
近年の医療の進歩や高度化・専門化により,医療現場における臨床検査技師の役割は大きく変化している.これまでは,検査室に届いた血液や尿などの検体を分析し,臨床医に結果を報告することが主な役割であった.また生体検査(生理検査)においても,臨床検査技師の役割は検査室に訪れた患者に心電図や超音波などの検査を行い,その結果を解析して臨床医に報告することであった.しかし最近では,検体検査部門の臨床検査技師でも採血や微生物検査検体の採取,生体検査(生理検査)部門においても病棟や手術室への出向検査など,検査室のみならず患者のいる外来や病棟の現場での検査業務を行う機会が増えている.
この背景には,2019年に施行された「働き方改革関連法」の影響がある.残業時間の短縮は医師にも例外なく適応されることになったが,従来型の医師の業務形態のままでは,目標の残業時間を達成することは困難である.その実現のために,多職種連携により医師の業務を分担し負担を減らしていこうというのが「タスク・シフト/シェア」の概念である.これを受けて,第204回通常国会において,「良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等の一部を改正する法律(令和3年法律第49号)」が成立し,臨床検査技師等に関する法律の一部が改正され,2021年10月から施行されることになった.
臨床検査技師の業務範囲拡大は,医療現場における臨床検査技師の地位を高めるという利点はあるものの,十分な知識や手技を備えないまま業務を行ったのでは,患者の安全確保という観点からきわめて危険を伴う.その意味で,本書「医療安全管理学」の第2版では,改訂された臨床検査技師学校養成所指定規則に則り,タスク・シフト/シェアにより拡大した臨床検査技師の業務について詳しく解説している.ただし,検体採取やタスク・シフト/シェアによる新業務の具体的手技については,医歯薬出版HP(https://www.ishiyaku.co.jp/ebooks/srkkbs/)で公開し,本書では「医療安全管理」について学ぶ教科書という位置づけを明確にした.また,業務範囲拡大に伴い重要性を増す「医療倫理」や「法的知識と責任範囲」の内容も新しく追加された.さらには,第4章「感染対策」では,2019年末から世界的な大流行を引き起こした新型コロナウイルス感染症に関する内容を追加している.
本書が,これから臨床検査技師として医療現場で働こうとする学生諸子にとって,臨床検査のプロとしての業務に軸足を置きながらも,多職種と密に連携し幅広い活躍が行える医療総合職として活躍できるようになるためのバイブルになることを祈ってやまない.
2023年1月
著者を代表して 諏訪部 章
序
昨今の医療の進歩や専門化により,医療現場における臨床検査技師(技師)の役割は大きく変化している.これまでは,検査室に届いた血液や尿などの検体を分析し臨床医に結果を報告することが主であった.また生体検査(生理検査)においても,技師の役割は検査室を訪れた患者に心電図や超音波などの検査を行い,その結果を解析して臨床医に報告することであった.しかし最近では,検体検査部門の技師でも採血や微生物検査検体の採取,生体検査(生理検査)部門においても病棟や手術室への出向検査など,検査室のみではなく患者のいる外来や病棟の現場での検査業務への要望が増している.
従来型の医師中心の医療に対し,安全で安心な医療に対する患者の要望や,健康に対する国民の意識の高まりは,医師の業務を爆発的に増加させている.1つの検査,1つの処置・処方に対して患者への十分な説明が要求され,同意取得が必要になる傾向がある.入院,手術,退院の際にも患者への書面による説明が必要とされる.また,院内感染や医療事故は病院の信頼にかかわることから,どの病院でも感染対策委員会や医療安全対策委員会が開催され,診療以外での負担が大きくなっている.すでに医師1人ですべての業務をこなすことは限界であり,医師の病院離れが起こり,医師不足が深刻化している地域もある.
これに対し,国(厚生労働省)は医師の負担軽減を目的としてチーム医療推進会議(平成22年5月12日〜,委員長に永井良三氏)を立ち上げ,医師でなくても可能な業務は,医師以外の医療専門職が役割を分担することを推進している.平成27年4月からの臨床検査技師による検体採取業務(微生物学的検査)の拡大,生理機能検査項目(味覚・嗅覚検査)の追加は,この流れを受けている.さらに技師による検査説明・相談に対する要望も高まっている.このように,技師はチーム医療の一員としてますます重要な位置を占めるようになっている.
チーム医療の原点は患者中心の医療の実現にある.すなわち,技師もチーム医療を実践することでおのずと患者と接する機会が増える.これまでの技師は,どちらかというと患者と接するのは苦手だが,手先が器用なので検査室での検査業務に向いている人間が多い傾向があった.しかし,今後は技師も積極的に患者と接することが求められるので,根本的な意識改革が必要になる.患者と接するには接遇やコミュニケーションのスキルが求められ,こうした教育や研修も必要になる.
チーム医療の実践によって,患者の顔が見える医療が展開され,医療人としての喜びと充実が実感できるようになるであろう.それは,検査室にこもって検査結果を報告するだけでは決して得られるものではない.その意味でチーム医療は,専門医療職として臨床検査技師を志した人間にとって,まさに千載一遇のチャンスである.本書が,技師がチーム医療を実践して行くうえでの道標となることを願ってやまない.
2016年2月
著者を代表して 諏訪部 章
1958年に衛生検査技師法が制定され,その教育の場からの強い要望に応えて刊行されたのが「衛生検査技術講座」であります.その後,法改正およびカリキュラム改正などに伴い,「臨床検査講座」(1972),さらに「新編臨床検査講座」(1987),「新訂臨床検査講座」(1996)と,その内容とかたちを変えながら改訂・増刷を重ねてまいりました.
2000年4月より,新しいカリキュラムのもとで,新しい臨床検査技師教育が行われることとなり,その眼目である“大綱化“によって,各学校での弾力的な運用が要求され,またそれが可能となりました.「基礎分野」「専門基礎分野」「専門分野」という教育内容とその目標とするところは,従前とかなり異なったものになりました.そこで弊社では,この機に「臨床検査学講座」を刊行することといたしました.臨床検査技師という医療職の重要性がますます高まるなかで,“技術”の修得とそれを応用する力の醸成,および“学”としての構築を目指して,教育内容に沿ったかたちで有機的な講義が行えるよう留意いたしました.
その後,ガイドラインが改定されればその内容を取り込みながら版を重ねてまいりましたが,2013年に「国家試験出題基準平成27年版」が発表されたことにあわせて紙面を刷新した「最新臨床検査学講座」を刊行することといたしました.新シリーズ刊行にあたりましては,臨床検査学および臨床検査技師教育に造詣の深い山藤 賢先生,高木 康先生,奈良信雄先生,三村邦裕先生,和田骼u先生を編集顧問に迎え,シリーズ全体の構想と編集方針の策定にご協力いただきました.各巻の編者,執筆者にはこれまでの「臨床検査学講座」の構成・内容を踏襲しつつ,最近の医学医療,臨床検査の進歩を取り入れることをお願いしました.
本シリーズが国家試験出題の基本図書として,多くの学校で採用されてきました実績に鑑みまして,ガイドライン項目はかならず包含し,国家試験受験の知識を安心して習得できることを企図しました.国家試験に必要な知識は本文に,プラスアルファの内容は側注で紹介しています.また,読者の方々に理解されやすい,より使いやすい,より見やすい教科書となるような紙面構成を目指しました.本「最新臨床検査学講座」により臨床検査技師として習得しておくべき知識を,確実に,効率的に獲得することに寄与できましたら本シリーズの目的が達せられたと考えます.
各巻テキストにつきまして,多くの方がたからのご意見,ご叱正を賜れば幸甚に存じます.
2015年春
医歯薬出版株式会社
第2版の序
近年の医療の進歩や高度化・専門化により,医療現場における臨床検査技師の役割は大きく変化している.これまでは,検査室に届いた血液や尿などの検体を分析し,臨床医に結果を報告することが主な役割であった.また生体検査(生理検査)においても,臨床検査技師の役割は検査室に訪れた患者に心電図や超音波などの検査を行い,その結果を解析して臨床医に報告することであった.しかし最近では,検体検査部門の臨床検査技師でも採血や微生物検査検体の採取,生体検査(生理検査)部門においても病棟や手術室への出向検査など,検査室のみならず患者のいる外来や病棟の現場での検査業務を行う機会が増えている.
この背景には,2019年に施行された「働き方改革関連法」の影響がある.残業時間の短縮は医師にも例外なく適応されることになったが,従来型の医師の業務形態のままでは,目標の残業時間を達成することは困難である.その実現のために,多職種連携により医師の業務を分担し負担を減らしていこうというのが「タスク・シフト/シェア」の概念である.これを受けて,第204回通常国会において,「良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等の一部を改正する法律(令和3年法律第49号)」が成立し,臨床検査技師等に関する法律の一部が改正され,2021年10月から施行されることになった.
臨床検査技師の業務範囲拡大は,医療現場における臨床検査技師の地位を高めるという利点はあるものの,十分な知識や手技を備えないまま業務を行ったのでは,患者の安全確保という観点からきわめて危険を伴う.その意味で,本書「医療安全管理学」の第2版では,改訂された臨床検査技師学校養成所指定規則に則り,タスク・シフト/シェアにより拡大した臨床検査技師の業務について詳しく解説している.ただし,検体採取やタスク・シフト/シェアによる新業務の具体的手技については,医歯薬出版HP(https://www.ishiyaku.co.jp/ebooks/srkkbs/)で公開し,本書では「医療安全管理」について学ぶ教科書という位置づけを明確にした.また,業務範囲拡大に伴い重要性を増す「医療倫理」や「法的知識と責任範囲」の内容も新しく追加された.さらには,第4章「感染対策」では,2019年末から世界的な大流行を引き起こした新型コロナウイルス感染症に関する内容を追加している.
本書が,これから臨床検査技師として医療現場で働こうとする学生諸子にとって,臨床検査のプロとしての業務に軸足を置きながらも,多職種と密に連携し幅広い活躍が行える医療総合職として活躍できるようになるためのバイブルになることを祈ってやまない.
2023年1月
著者を代表して 諏訪部 章
序
昨今の医療の進歩や専門化により,医療現場における臨床検査技師(技師)の役割は大きく変化している.これまでは,検査室に届いた血液や尿などの検体を分析し臨床医に結果を報告することが主であった.また生体検査(生理検査)においても,技師の役割は検査室を訪れた患者に心電図や超音波などの検査を行い,その結果を解析して臨床医に報告することであった.しかし最近では,検体検査部門の技師でも採血や微生物検査検体の採取,生体検査(生理検査)部門においても病棟や手術室への出向検査など,検査室のみではなく患者のいる外来や病棟の現場での検査業務への要望が増している.
従来型の医師中心の医療に対し,安全で安心な医療に対する患者の要望や,健康に対する国民の意識の高まりは,医師の業務を爆発的に増加させている.1つの検査,1つの処置・処方に対して患者への十分な説明が要求され,同意取得が必要になる傾向がある.入院,手術,退院の際にも患者への書面による説明が必要とされる.また,院内感染や医療事故は病院の信頼にかかわることから,どの病院でも感染対策委員会や医療安全対策委員会が開催され,診療以外での負担が大きくなっている.すでに医師1人ですべての業務をこなすことは限界であり,医師の病院離れが起こり,医師不足が深刻化している地域もある.
これに対し,国(厚生労働省)は医師の負担軽減を目的としてチーム医療推進会議(平成22年5月12日〜,委員長に永井良三氏)を立ち上げ,医師でなくても可能な業務は,医師以外の医療専門職が役割を分担することを推進している.平成27年4月からの臨床検査技師による検体採取業務(微生物学的検査)の拡大,生理機能検査項目(味覚・嗅覚検査)の追加は,この流れを受けている.さらに技師による検査説明・相談に対する要望も高まっている.このように,技師はチーム医療の一員としてますます重要な位置を占めるようになっている.
チーム医療の原点は患者中心の医療の実現にある.すなわち,技師もチーム医療を実践することでおのずと患者と接する機会が増える.これまでの技師は,どちらかというと患者と接するのは苦手だが,手先が器用なので検査室での検査業務に向いている人間が多い傾向があった.しかし,今後は技師も積極的に患者と接することが求められるので,根本的な意識改革が必要になる.患者と接するには接遇やコミュニケーションのスキルが求められ,こうした教育や研修も必要になる.
チーム医療の実践によって,患者の顔が見える医療が展開され,医療人としての喜びと充実が実感できるようになるであろう.それは,検査室にこもって検査結果を報告するだけでは決して得られるものではない.その意味でチーム医療は,専門医療職として臨床検査技師を志した人間にとって,まさに千載一遇のチャンスである.本書が,技師がチーム医療を実践して行くうえでの道標となることを願ってやまない.
2016年2月
著者を代表して 諏訪部 章
第1章 臨床検査技師と患者とのかかわり
I 臨床検査技師と患者とのかかわり
II 接遇・コミュニケーションスキル
1 挨拶と声掛け
2 電話対応
3 検査時の対応
4 苦情(クレーム)対応
III 臨床検査技師による検査説明
1 検査の事前説明
2 検査中の説明
3 検査の事後説明
4 検査結果の説明
IV チーム医療への臨床検査技師のかかわり
1 ICT(感染制御チーム)
2 AST(抗菌薬適正使用支援チーム)
3 NST(栄養サポートチーム)
4 糖尿病療養指導チーム
5 臨床研究支援チーム
6 その他のチーム医療
V その他
第2章 医療倫理
I 総論
1 倫理と医療倫理
2 検査の倫理規定
II 各論
1 ヒポクラテスの誓い
2 患者の権利の尊重
3 医療倫理
4 ヘルシンキ宣言
5 インフォームド・コンセント
6 個人情報保護
7 医療者のコンプライアンス
8 人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針
1)ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針(ゲノム指針)
2)人を対象とする医学系研究に関する倫理指針(医学系指針)
3)人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針(生命・医学系指針)
第3章 リスクマネージメント
I 臨床検査と医療事故
II インシデント・アクシデント報告
III 患者取り違え・検体取り違え
IV パニック値対応
V 患者・家族への対応
1 事故の対応と責任分担
2 医療事故が発生した場合の対応
1)緊急処置
2)患者・家族への対応
3)死亡事故が,医療過誤かその可能性がある(または原因不明)と判断される場合
4)診療録への記録と資料の収集・整理
5)事故の調査
6)その他
VI 法的知識と責任範囲
1 臨床検査技師の地位
1)臨床検査技師とは
2)臨床検査技師の業務範囲
3)臨床検査技師の義務
2 法的責任
1)法的責任とは
2)民事責任とは
3)刑事責任とは
4)行政責任とは
5)各法的責任の関係
第4章 感染対策
I 感染対策の意義と考え方
1 なぜ感染対策が必要か
1)入院患者の特殊性
2)感染源としての患者
3)医療安全の面から
4)職員の安全管理の面から
2 感染対策の基本的概念
1)病原体の感染経路
2)感染源から他の患者への感染経路
3)感染対策の基本的とらえ方
4)標準予防策と感染経路別予防策
5)外因性感染と内因性感染
II 手指衛生
III 個人防護具(PPE)の使用法
1 手袋
2 エプロン,ガウン
3 マスク
4 ゴーグル,フェイスシールド
5 キャップ
6 シューカバー
IV 標準予防策
1 標準予防策の対象
2 標準予防策の実施項目
V 感染経路別予防策
1 接触感染予防策
2 飛沫感染予防策
3 空気感染予防策
VI ワクチン等による予防
1 インフルエンザ
2 B型肝炎
3 麻疹,風疹,流行性耳下腺炎,水痘
4 新型コロナウイルス
VII アウトブレイク
1 アウトブレイクの定義
2 アウトブレイクの検知
3 アウトブレイクが発生した場合の対応
4 アウトブレイクの予防策
VIII 感染対策業務の組織化と実践
1 医療機関における感染対策組織
2 院内感染対策マニュアル
3 職員の教育
4 サーベイランス
5 感染対策の地域連携
第5章 各種検査等の手技に伴う注意事項・安全管理
A 総論
I 臨床検査技師による検体採取,タスク・シフト/シェアの意義
II 検体採取における必要事項・注意点
1 目的
2 必要な知識(解剖・生理)
3 検体採取の手技
4 患者への配慮
5 検体採取の注意点
6 検体採取後の対応
B 検体採取
B-1 採血
1 目的
2 解剖・生理
1)浅層上肢(肘窩)の皮静脈
2)浅層上肢(肘窩)の皮神経
3 検体採取の技術(標準採血法)
1)採血器具
2)採血条件
3)抗凝固剤,解糖阻止剤
4)標準静脈採血法
5)毛細血管採血法
4 患者への配慮
1)患者接遇
2)採血術者の身なりと態度
3)患者の不安感の解消
5 注意点(採血時の安全管理)
1)患者に対する安全管理
2)採血術者に対する安全管理
6 検体採取前後の対応
1)採血前後の不適切な検体採取の回避
2)検体の搬送
3)検体の保存
B-2 各部位からの検体採取
a.鼻腔・咽頭等からの検体採取
I 鼻腔
1 概要
2 患者への配慮
3 注意点
II 咽頭・喉頭
1 概要
2 患者への配慮
3 注意点
b.喀痰の採取
1 概要
2 患者への配慮
3 注意点
c.皮膚・口腔等からの検体採取
1 概要
2 患者への配慮
3 注意点
d.消化管内視鏡検査による組織検体の採取
1 概要
2 患者への配慮
3 注意点
e.肛門からの検体採取(綿棒を用いて肛門から糞便を採取する行為)
1 概要
2 患者への配慮
3 注意点
C タスク・シフト/シェア
C-1 採血に伴う静脈路確保(電解質輸液の注入を含む)
1 概要
2 患者への配慮
3 注意点
1)起こりうる合併症
2)ヘパリンロックと生食ロック
3)電解質輸液
C-2 静脈路への成分採血装置の接続並びに操作
1 概要
2 成分採血(アフェレーシス)
1)臨床検査技師が実施可能な成分採血の種類
2)末梢血幹細胞採取の方法
3 患者/ドナーへの配慮
1)開始前の確認事項
2)開始後の注意事項
3)終了後の注意事項
4 注意点
1)血管迷走神経反応(VVR)
2)クエン酸中毒(低Ca血症)
3)血小板減少
4)その他
C-3 運動誘発電位検査・体性感覚誘発電位検査に係る電極装着(針電極含む)・脱着
1 概要
2 患者への配慮
3 注意点
C-4 超音波検査における静脈路からの造影剤注入
1 概要
2 患者への配慮
3 注意点
C-5 直腸肛門機能検査
1 概要
2 患者への配慮
3 注意点
1)カテーテルやバルーン挿入前の確認事項
2)カテーテルやバルーン挿入時の注意点
3)カテーテルやバルーンの挿入が困難な原因
4)禁忌疾患および合併症と緊急時対応
C-6 持続皮下グルコース検査
1 概要
2 注意点
1)患者の適応年齢と医療者側の条件
2)8時間以内に必ずリーダーをかざすこと
3)血糖値の乖離
4)センサー接着によるトラブル
5)他の機器との禁忌事項
C-7 喀痰の採取
C-8 消化管内視鏡検査による組織検体の採取
参考文献
索引
I 臨床検査技師と患者とのかかわり
II 接遇・コミュニケーションスキル
1 挨拶と声掛け
2 電話対応
3 検査時の対応
4 苦情(クレーム)対応
III 臨床検査技師による検査説明
1 検査の事前説明
2 検査中の説明
3 検査の事後説明
4 検査結果の説明
IV チーム医療への臨床検査技師のかかわり
1 ICT(感染制御チーム)
2 AST(抗菌薬適正使用支援チーム)
3 NST(栄養サポートチーム)
4 糖尿病療養指導チーム
5 臨床研究支援チーム
6 その他のチーム医療
V その他
第2章 医療倫理
I 総論
1 倫理と医療倫理
2 検査の倫理規定
II 各論
1 ヒポクラテスの誓い
2 患者の権利の尊重
3 医療倫理
4 ヘルシンキ宣言
5 インフォームド・コンセント
6 個人情報保護
7 医療者のコンプライアンス
8 人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針
1)ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針(ゲノム指針)
2)人を対象とする医学系研究に関する倫理指針(医学系指針)
3)人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針(生命・医学系指針)
第3章 リスクマネージメント
I 臨床検査と医療事故
II インシデント・アクシデント報告
III 患者取り違え・検体取り違え
IV パニック値対応
V 患者・家族への対応
1 事故の対応と責任分担
2 医療事故が発生した場合の対応
1)緊急処置
2)患者・家族への対応
3)死亡事故が,医療過誤かその可能性がある(または原因不明)と判断される場合
4)診療録への記録と資料の収集・整理
5)事故の調査
6)その他
VI 法的知識と責任範囲
1 臨床検査技師の地位
1)臨床検査技師とは
2)臨床検査技師の業務範囲
3)臨床検査技師の義務
2 法的責任
1)法的責任とは
2)民事責任とは
3)刑事責任とは
4)行政責任とは
5)各法的責任の関係
第4章 感染対策
I 感染対策の意義と考え方
1 なぜ感染対策が必要か
1)入院患者の特殊性
2)感染源としての患者
3)医療安全の面から
4)職員の安全管理の面から
2 感染対策の基本的概念
1)病原体の感染経路
2)感染源から他の患者への感染経路
3)感染対策の基本的とらえ方
4)標準予防策と感染経路別予防策
5)外因性感染と内因性感染
II 手指衛生
III 個人防護具(PPE)の使用法
1 手袋
2 エプロン,ガウン
3 マスク
4 ゴーグル,フェイスシールド
5 キャップ
6 シューカバー
IV 標準予防策
1 標準予防策の対象
2 標準予防策の実施項目
V 感染経路別予防策
1 接触感染予防策
2 飛沫感染予防策
3 空気感染予防策
VI ワクチン等による予防
1 インフルエンザ
2 B型肝炎
3 麻疹,風疹,流行性耳下腺炎,水痘
4 新型コロナウイルス
VII アウトブレイク
1 アウトブレイクの定義
2 アウトブレイクの検知
3 アウトブレイクが発生した場合の対応
4 アウトブレイクの予防策
VIII 感染対策業務の組織化と実践
1 医療機関における感染対策組織
2 院内感染対策マニュアル
3 職員の教育
4 サーベイランス
5 感染対策の地域連携
第5章 各種検査等の手技に伴う注意事項・安全管理
A 総論
I 臨床検査技師による検体採取,タスク・シフト/シェアの意義
II 検体採取における必要事項・注意点
1 目的
2 必要な知識(解剖・生理)
3 検体採取の手技
4 患者への配慮
5 検体採取の注意点
6 検体採取後の対応
B 検体採取
B-1 採血
1 目的
2 解剖・生理
1)浅層上肢(肘窩)の皮静脈
2)浅層上肢(肘窩)の皮神経
3 検体採取の技術(標準採血法)
1)採血器具
2)採血条件
3)抗凝固剤,解糖阻止剤
4)標準静脈採血法
5)毛細血管採血法
4 患者への配慮
1)患者接遇
2)採血術者の身なりと態度
3)患者の不安感の解消
5 注意点(採血時の安全管理)
1)患者に対する安全管理
2)採血術者に対する安全管理
6 検体採取前後の対応
1)採血前後の不適切な検体採取の回避
2)検体の搬送
3)検体の保存
B-2 各部位からの検体採取
a.鼻腔・咽頭等からの検体採取
I 鼻腔
1 概要
2 患者への配慮
3 注意点
II 咽頭・喉頭
1 概要
2 患者への配慮
3 注意点
b.喀痰の採取
1 概要
2 患者への配慮
3 注意点
c.皮膚・口腔等からの検体採取
1 概要
2 患者への配慮
3 注意点
d.消化管内視鏡検査による組織検体の採取
1 概要
2 患者への配慮
3 注意点
e.肛門からの検体採取(綿棒を用いて肛門から糞便を採取する行為)
1 概要
2 患者への配慮
3 注意点
C タスク・シフト/シェア
C-1 採血に伴う静脈路確保(電解質輸液の注入を含む)
1 概要
2 患者への配慮
3 注意点
1)起こりうる合併症
2)ヘパリンロックと生食ロック
3)電解質輸液
C-2 静脈路への成分採血装置の接続並びに操作
1 概要
2 成分採血(アフェレーシス)
1)臨床検査技師が実施可能な成分採血の種類
2)末梢血幹細胞採取の方法
3 患者/ドナーへの配慮
1)開始前の確認事項
2)開始後の注意事項
3)終了後の注意事項
4 注意点
1)血管迷走神経反応(VVR)
2)クエン酸中毒(低Ca血症)
3)血小板減少
4)その他
C-3 運動誘発電位検査・体性感覚誘発電位検査に係る電極装着(針電極含む)・脱着
1 概要
2 患者への配慮
3 注意点
C-4 超音波検査における静脈路からの造影剤注入
1 概要
2 患者への配慮
3 注意点
C-5 直腸肛門機能検査
1 概要
2 患者への配慮
3 注意点
1)カテーテルやバルーン挿入前の確認事項
2)カテーテルやバルーン挿入時の注意点
3)カテーテルやバルーンの挿入が困難な原因
4)禁忌疾患および合併症と緊急時対応
C-6 持続皮下グルコース検査
1 概要
2 注意点
1)患者の適応年齢と医療者側の条件
2)8時間以内に必ずリーダーをかざすこと
3)血糖値の乖離
4)センサー接着によるトラブル
5)他の機器との禁忌事項
C-7 喀痰の採取
C-8 消化管内視鏡検査による組織検体の採取
参考文献
索引