やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

『臨地実習ノート』改訂にあたって

 旧来の指定規則では,専門科目(指定7科目)内の実習時間数のうち,科目ごとに1/3〜1/2を「厚生労働大臣承認の病院」で実習を行うこととなっていました(総時間数330時間以上).現在では,変貌する臨床検査技術の内容と構成に対応することができない硬直化した状況となっていました.
 政府の規制緩和政策に基づいて2000年の指定規則改正により,専門科目として「臨地実習」を独立させ,学校内での教育と同じ扱いで7単位以上を必修としました.このうち,2/3以上は病院の実習とし,設定する内容は実施段階で弾力的に行えるようになりました.これは,他の医療職種と同様に,病院において実際の検査業務・その他の領域を学ぶことの重要性を示しています.すなわち,“医療人”としての自覚を養うことと,実際に業務を学習することとしたのです.
 したがって,実習生には“臨床検査を理解する”のみではなく,その業務が“できる”第一歩を踏み出すための能力と,各自の眼で直接,組織としての病院の多様な業務を「見学・研修」することにより,患者様への対応や医療職のチームワークなどを学習し,マルチな能力を獲得することが求められているのです.
 この『臨地実習ノート』は,旧版を全面的に改訂し,自己点検・評価を行いながら“自分を育てる”“命を測る”自覚がもてるように,臨床検査技師教育の優れた教員による解説と実例を示したものです.これに従って,このノートを十分活用し,“臨床検査技師をめざしてきた初心”の実現に役立ててください.
 なお,実習中に,教科書やノートを現場で広げることは困難ですから,知りたい内容についてのサポート役として,同じく医歯薬出版(株)から刊行されている『臨床検査臨地実習マニュアル』を併用してみてください.“国家試験・就職の準備”にも役立つことになりますので,推奨します.
 なお,本ノートを実際に使用した後のご感想やご意見を編集部宛にお寄せください.今後さらにより良い実習ノートをめざすうえで,ぜひ参考にさせていただきたいと思います.
 平成14年2月 編集代表 北村清吉
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