やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

はじめに
 筆者は開業して10年が経ち,さまざまな歯科技工士と仕事をしてきたが,「ラボコミュニケーションを円滑に進めるためのコツ」は,
 ・臨床のコンセプトが同じ方向を向いているのか最初にすり合わせる
 ・お互いの考えをディスカッションできる関係性を作る
 この2つだと考える.
 筆者の補綴物製作方法の内訳は,単冠の補綴物はセレックシステム(デンツプライシロナ)を用いて院内歯科技工士による内製を行っている.その他のブリッジ,義歯,インプラント上部構造,咬合再構成症例,審美症例などは,症例に応じて複数の外注歯科技工士と連携を図っている.
 開業時は秋田市のmiyabi菅野雅人氏とのみ仕事をしていた.年齢も開業時期も近く,同じスタディグループで勉強していたため,同じコンセプトを具現化するために症例検討を行ったり,インプットしてきたことをディスカッションしたり,スタディグループでの発表の際にはプレゼンテーションを一緒に作ったり,上手くいかなかった補綴物に関してどうしてだったのか,何かお互いで改善できることは何なのか? とコミュニケーションに多くの時間を費やした.
 この経験から,新規で技工を担当してもらう際にはいきなり仕事を始めるのではなく,お願いしたい患者の初診時の資料を元に症例検討するようにしている.そこでコンセプトのすり合わせ,意見交換をすることでお互いの関係性が深まる.
 今回は,仙台市のルミナスデンタルラボと初めてお仕事をするタイミングにあたり,今まで抱いていたラボコミュニケーションの悩みとその解決法が見つかったので症例を交えながら解説していきたい.
Special Article
特別企画 ラボコミュニケーションを円滑に進めるためには
 (斎藤隆輔/高野康之,佐藤宏敏,坂本隆憲,佐藤 圭(協力))

Complete Articles
特別報告 急増・多様化する病態・用途に応えるK3システムによる歯科的口腔内装置の最新事情
 ―特に睡眠時無呼吸症候群歯科的装置の有用性と被災時における睡眠時無呼吸症候群対応の問題への気づきから
 (小松弘幸,小松邦幸,小宮一浩,小松幸太,播磨裕道)

追悼 山本尚吾氏 逝去
 (編集部)

Serial Articles
補綴物の再製を減らす!表面ステインテクニック実践講座
 第4回 天然歯2本のスペースに1本のインプラントが植立されているケース
 (横田浩史)

歯科技工士立ち会いハンドブック 新連載
 第1回 患者の満足度と補綴装置のレベルを確実に高める歯科技工士の立ち会い(その1)
 (平野哲也/松田謙一(監修))

日常臨床に活かせる歯科研究の知識
 第6回 歯科技工士がインプラントの合併症を防ぐためにできること
 (中村孝博/丸尾勝一郎(監修))

患者満足度が得られる「失敗しない」補綴装置を求めて
 第29回 また地震だ……で,1995年の総義歯技術資料を振り返った(Main Body)
 (堤 嵩詞)

ほのぼの技工LIFE
 (Vol.25 藤弘和正)

簡単! ラボ・ヨガ教室
 106th lesson 怒りを鎮めるポーズ
 (楠原史子)

Record
 「第2回 近畿デンタルサミット」開催される
 (編集部)

Congress & Meeting Report
 「日本スポーツ歯科医学会 第34回総会・学術大会」に参加して
 (瀧島愛之)

News Board
 「大阪セラミックトレーニングセンター創立40周年記念パーティー」開催される
 (編集部)

Others
 日技生涯研修