序
糖尿病をもつ人々にとって「よい治療を受けたい」「血糖をコントロールしたい」と思うのは当然のことである.しかし,食事のエネルギー量を制限し,適度な運動をすることが治療だと説得され,日頃,意識せずに行っている食事や運動を治療として生活のなかで行わなければならないことは負担であり,さらに医療者からは血糖値によって行動の評価がなされているのが現状である.これまでの患者教育は医療者の視点からみた患者のあるべき姿を患者に求めており,患者は医療者の求める行動と実際の生活のギャップに悩んできたといっても過言ではないだろう.
このような教訓を踏まえて,「PART1.患者支援編」では,糖尿病をもつ人々への療養指導を行うにあたり,医療者がよいと考える治療のみを優先するのではなく,患者の生活に注目し,その生活を知ることから援助が始まることをコンセプトとした.
患者とかかわる医療者の姿勢を示し,それを基盤として患者自らが病気や生活を考え,生活のなかでさまざまなことに対処する力がつけられるような援助について,Q&Aによる実践事例とその実践を支える理論的背景(プラネット)を解説していただいた.そして,プラネットステーションでは医療者が目指すべき方向性を示していただいた.
また,代謝性疾患である糖尿病は,食事療法が治療における重要な位置を占めている.食事療法は,「糖尿病の食事療法のガイドライン」に沿って進められ,実際の療養指導では,食事摂取状況を把握し,食事療法の指導,セルフコントロールへの援助が求められる.良好なセルフコントロールの継続には治療への動機づけが重要となる.食事療法の動機づけに長寿村の食生活に重ねた「糖尿病食は健康食」はきわめて有用であろう.
「PART2.食事療法編」では,基本的な食習慣のありかたに加えて,成長・妊娠・高齢などのライフステージなどを考慮した栄養・食事療法の進めかたなど現実に即した療養指導に求められる知識や理論,指導のポイントなどを簡潔に解説していただいた.さらに,日常臨床で,よくみられる血糖コントロール不良の状況,原因となる食品・食べかたへの対応を網羅した.そのうえ,ほかの疾病を併発している場合の食事療法ならびに指導のありかたについて,長年の診療経験から解説していただいた.
本別冊が目の前の患者へのテーラーメードでかつ患者主体の医療の提供に繋がることを願う.
2006年2月
東 めぐみ・本田佳子
糖尿病をもつ人々にとって「よい治療を受けたい」「血糖をコントロールしたい」と思うのは当然のことである.しかし,食事のエネルギー量を制限し,適度な運動をすることが治療だと説得され,日頃,意識せずに行っている食事や運動を治療として生活のなかで行わなければならないことは負担であり,さらに医療者からは血糖値によって行動の評価がなされているのが現状である.これまでの患者教育は医療者の視点からみた患者のあるべき姿を患者に求めており,患者は医療者の求める行動と実際の生活のギャップに悩んできたといっても過言ではないだろう.
このような教訓を踏まえて,「PART1.患者支援編」では,糖尿病をもつ人々への療養指導を行うにあたり,医療者がよいと考える治療のみを優先するのではなく,患者の生活に注目し,その生活を知ることから援助が始まることをコンセプトとした.
患者とかかわる医療者の姿勢を示し,それを基盤として患者自らが病気や生活を考え,生活のなかでさまざまなことに対処する力がつけられるような援助について,Q&Aによる実践事例とその実践を支える理論的背景(プラネット)を解説していただいた.そして,プラネットステーションでは医療者が目指すべき方向性を示していただいた.
また,代謝性疾患である糖尿病は,食事療法が治療における重要な位置を占めている.食事療法は,「糖尿病の食事療法のガイドライン」に沿って進められ,実際の療養指導では,食事摂取状況を把握し,食事療法の指導,セルフコントロールへの援助が求められる.良好なセルフコントロールの継続には治療への動機づけが重要となる.食事療法の動機づけに長寿村の食生活に重ねた「糖尿病食は健康食」はきわめて有用であろう.
「PART2.食事療法編」では,基本的な食習慣のありかたに加えて,成長・妊娠・高齢などのライフステージなどを考慮した栄養・食事療法の進めかたなど現実に即した療養指導に求められる知識や理論,指導のポイントなどを簡潔に解説していただいた.さらに,日常臨床で,よくみられる血糖コントロール不良の状況,原因となる食品・食べかたへの対応を網羅した.そのうえ,ほかの疾病を併発している場合の食事療法ならびに指導のありかたについて,長年の診療経験から解説していただいた.
本別冊が目の前の患者へのテーラーメードでかつ患者主体の医療の提供に繋がることを願う.
2006年2月
東 めぐみ・本田佳子
PARTl 患者支援編
I 糖尿病患者とのかかわりかた
1.患者と話をする場を共有する・リラックスできる空間を創造する
Q 患者さんに一方的に説明ばかりしているように思います.どうしたら私の思いが伝わるのでしょうか(伊藤ひろみ)
2.患者が自己表現をできる機会を保障する
Q 面接では患者さんがあまり話してくれません.患者さんが話しやすい雰囲気をつくりたいのですが,どうしたらよいでしょうか(新島啓子)
3.患者が看護職者の言葉に耳を傾けるようにはたらきかける
Q 患者さんは面接では食事療法や運動療法について,「わかった」と言いますが,次の面接では「忘れた」と実行しません.何を言っても話もしたくないようです.どうしたら私の話を理解し,聞いてもらえるでしょうか(山田栄実)
4.看護職者の姿勢
Q 慢性疾患看護では患者さんとともに歩むことが大切だといわれていますが,実際にはどういうことなのか教えてください(山本千恵子)
5.患者の否定的言動に注目しアドバイスするタイミングを計る
Q 患者さんは「糖尿病がいやだ.食事療法もできない」を繰り返すことが多いのですが,このような患者さんにどのようなタイミングでアドバイスしていけばよいでしょうか(東 めぐみ)
プラネット【糖尿病療養指導の基盤(1)】
糖尿病患者の生活の再構築の援助と看護職者の姿勢(大池美也子)
II 糖尿病をもちながら生活する人への支援
1.食事療法がはじめての患者に対する支援
Q 食事療法がはじめての患者さんへの支援方法について教えてください(小平京子)
2.過去に食事療法の失敗体験をもつ患者に対する支援
Q 食事療法を行つている患者さんですが長続きしません.よい支援方法を教えてください(加藤理賀子)
3.食事療法を自分なりにやっている患者への支援・患者なりの変化を支える支援
Q 罹病期間が長い患者さんで,食事療法を自分なりにやっているからと言っています.最近,血糖値が上昇してきました.どうかかわったらよいのか教えてください(小田和美)
4.医療者の指示どおりに食事療法を行っている患者への支援
Q Aさんは指示エネルギー量が1600kcalで,きちんとやっています.ときには息抜きも大事だと思うのですが,どうアドバイスをしたらよいでしょうか(加藤理賀子)
5.患者の生活や生きてきた体験を理解する支援
Q 仕事を退職したり,親の介護などでHbA1Cが徐々に悪化する患者さんが多くいます.患者さんは「食事療法どころではない」と言います.どのように援助をすればよいでしょうか(東 めぐみ)
6.患者の行動できる限界を見定め,日常生活行動の調整点を見出す生活支援
Q Aさんはお酒を飲むのが楽しみだと言っています.楽しみを大切にした援助方法を教えてください(小長谷百絵)
7.生活が不規則になる職業をもつ人への生活支援
Q Aさんは3交代制の勤務をしており,生活が不規則です.支援方法を教えてください(今野康子)
8.食事療法がつらいと言っている患者への支援
Q Aさんは面接のたびに食事療法がつらいと言っています.どう支援したらよいでしょうか(横山悦子)
プラネット【糖尿病療養指導の基盤(2)】
療養指導の押さえたいポイント−生活者としての視点からみた患者教育−(下村裕子)
III 病気・治療の知識の提供と生活支援
1.はじめて糖尿病と診断された患者への支援
Q 外来看護師です.日頃から糖尿病患者さんへの看護の難しさを感じながらも試行錯誤をしています.特に,はじめて糖尿病と診断された患者さんへの支援はどのように行っていったらよいでしょうか(小林貴子)
2.インスリン導入が予測される患者への支援・血糖自己測定を導入する患者への支援
Q Aさんは近いうちにインスリン注射が必要だと医師から言われています.インスリン導入に向けてどのように援助をしていけばよいのでしょうか(伊波早苗)
3.インスリン治療を拒否している患者への支援
Q Aさんはインスリン治療の導入を勧められていますが拒否しています.どのように支援していけばよいのか教えてください(伊藤暁子)
4.インスリンを導入している患者への生活支援
Q Aさんはインスリン注射を行っていますが,最近血糖値が上昇しています.どのように支援していけばよいでしょうか(伊波早苗)
5.低血糖をおこした患者への生活支援
Q Aさんはインスリン注射をはじめて1年経ちますが,最近,低血糖をおこしました.今後どのように援助していけばよいのか教えてください(東 めぐみ)
6.シックデイの援助
Q シックデイについて患者さんに説明したいのですが,まだ経験していない患者さんにどのように説明したらよいでしょうか(両田美智代)
7.血糖自己測定と生活(食事と運動)との関係の支援
Q Aさんは血糖自己測定を行っています.血糖値と食事や運動との関係を知り,自分で血糖がコントロールできるように援助するにはどうしたらよいでしょうか(今野庸子)
8.民間療法を大切にしている患者の生活支援
Q Aさんは民間療法が大好きです.民間療法に頼りすぎないでうまく活用していけるように援助したいのですが(新良啓子)
9.フットケア
Q Aさんにフットケアの指導をしようと思いますが,どのように進めていけばよいでしょうか(伊藤暁子)
10.口腔ケア
Q Aさんに口腔ケアを指導したいのですが,どのようにしたらよいでしょうか(両田美智代)
プラネット【糖尿病療養指導の基盤(3)】
慢性疾患とアドヒアランス(滝口成美)
IV 患者のやる気につながる支援と教育方法
1.患者の気づきを高める
Q Aさんは「自分はいまの生活でいい」と言っていますが,くだものを食べるのを朝にすればもっと血糖値が良くなると思うのです.どうアプローチをすれば気がついてもらえるでしょうか(近藤ふさえ)
2.支援のための具体的な教育技法:行動変容プログラム
Q セルフ・モニタリンク法やステップ・バイ・ステップ法などからなる行動変容プログラムとは何ですか.これらを用いた援助の実際について教えてください(岡 美智代)
3.患者のやる気を高める支援
Q 患者さんは,このごろ食事療法ができないと言っています.どうしたらやる気を高めることができるでしょうか(山田栄実)
プラネット【糖尿病療養指導の基盤(4)】
心理的準備段階と自己効力理論−やる気を高める援助方法の実際−(安酸史子)
V 合併症をもつ患者への支援
1.腎症の患者への生活支援
Q Aさんは最近蛋白尿があり,蛋白制限をするように医師から言われました.低蛋白な分,油脂類をとる必要があると思いますが,どう援助したらよいのか教えてください(秦 佳子)
2.透析導入を勧められているが決心がつかない患者に対する援助
Q Aさんは.主治医から「尿毒症の末期です.血液透析を開始しなければいけません」と言われていますが,どうしても透析を受ける決心がつかないようです.どのような援助方法が必要でしょうか(松岡美壽子)
3.緊急で透析導入された患者への支援
Q Aさんは救急車にて運ばれ,そのまま透析導入になりました.今後の支援について教えてください(大滝 徹)
プラネット【糖尿病療養指導の基盤(5)】
合併症をもつ患者の心理と援助−合併症をもつ患者さんへのかかわりかた−(近藤ふさえ)
プラネットステーション【糖尿病療養指導の基盤(6)】
糖尿病患者教育の現状と課題〜糖尿病教育の目指すもの−選択肢のある教育と成果(アウトカム)−(河口てる子)
PART2 食事療法編
I 献立・食品・嗜好品
1.糖尿病食
Q 糖尿病食は健康食といわれますが.なぜでしょう(津田謹輔)
2.教育入院後の食事療法
Q 教育入院患者さんが入院中は食事を守れますが,退院するとコントロールが悪くなります.どう指導したらよいでしょうか(中村 康)
3.脂肪のとりかた・メニュー
Q 家族は揚げものを好みます.糖尿病になると家族と同じ食事がとれなくなるのでしょうか.油も必要と思いますが,とるとしたらどのようなことに気をつけてとったらよいでしょうか(佐々木智好)
4.アルコール飲料
Q いろいろな種類のアルコール飲料があります.ビールや発泡酒のなかには「糖質カット」と宣伝しているものがあります.アルコールの糖質によって糖尿病への影響は異なるのでしょうか(下川耕太郎・松本雅子)
5.清涼飲料表示
Q スポーツ飲料など清涼飲料水で「カロリーゼロ」や「ノンカロリー」などの表示がありますが,糖尿病患者さんに勧めてもよいでしょうか(穴倉弘枝)
6.食品表示
Q 新聞やテレビで「血糖値が気になる方へ」という広告を日にします.健康食品とはどういうものなのでしょうか(大部正代)
II 食習慣
1.食事の聞き取り
Q 患者さんの食事記録に疑問を感じます.実際の食事摂取内容を把握するためには食事記録をどのようにして確認すればよいでしょうか.また,実際をモディファイした食事記録の患者さんにはどのように対応したらよいでしょうか(土江節子)
2.肥満と血糖コントロール
Q 肥満を解消すれば血糖値が改善するのでしょうか.肥満していると血糖コントロールが良くならないのでしょうか(佐藤ミヨ子)
3.糖尿病薬と空腹感
Q 経口薬が処方されています.食事量を減らしていますが,空腹感がかなり強いと訴える患者さんにどのように対応したらよいでしょうか(岡畑純江・芦辺一之・門脇 孝)
4.外食指導
Q 食生活が外食中心の患者さんへの食事療法はどのように指導したらよいのでしょうか(本田佳子)
5.食事時間
Q 夜勤が頻繁にあり.仕事時間が不規則です.食事のとりかたはどのようにしたらよいでしょうか(有山由紀子)
6.アルコールと糖尿病
Q どうしてもアルコールを飲む機会が多くなってしまいます.飲酒時や日頃の食生活ではどのような注意が必要でしょうか.また,アルコールは糖尿病にどのような影響があるのでしょうか(幣 憲一郎)
7.運動とエネルギー
Q 運動をした場合,その分食事量を余計にとってもよいのでしょうか(村上文代)
8.捕食
Q インスリン治療中の患者さんがスポーツをする際の補食について教えてください(田中美紗子)
III 合併症
1.肝障害と食事療法
Q 肝障害のある糖尿病患者さんでは,食事療法はどのようにすればよいのでしょうか(佐藤照子・人見麻美子)
2.胃の手術後の食事
Q 胃の切除手術をして退院しました.糖尿病の食事療法に加えて注意することはあるでしょうか(今 寿賀子)
3.高血圧と食事療法
Q 血圧を測ったら高血圧でした.食事療法はどのようにしたらよいでしょうか.また,血圧の降下薬を飲むような場合,注意をすることはあるでしょうか(佐藤敏子)
4.高脂血症と食事療法
Q “コレステロールや中性脂肪が高い”と指摘されました.糖尿病と高脂血症の食事療法はどのようにしたらよいのでしょうか(本田佳子)
5.糖尿病性腎症と食事
Q 腎臓が悪くなっていると指摘されました.今後どのようなことに注意が必要でしょうか(市川和子)
6.血液透析と腹膜透析
Q 人工透析には血液透析と腹膜透析がありますが,食事療法は違ってくるのでしょうか(金澤良枝)
IV 心児・思春期
1.1型糖尿病児童と食事
Q 1型糖尿病の児童をもつ親に対し,食生活へどのような注意が必要でしょうか(宮本佳代子)
2.1型糖尿病児童の成長と栄養
Q 1型糖尿病の児童に対し成長に合わせたエネルギー量や栄養素が必要かと思います.どのように決めたらよいでしょうか(柴崎千絵里)
3.1型糖尿病児童とシックデイ
Q 1型糖尿病の児童ですが.発熱や食欲不振,腹痛などで食事がとれない場合,どのように対応したらよいでしょうか(内潟安子)
V 妊娠期
1.妊娠と食事療法(1)
Q 妊娠糖尿病と診断されました.妊娠糖尿病とはどんな状態なのでしょうか.元気な子どもを産むためには,どのような食事療法をすればよいのでしょうか(杢保敦子・穴澤園子)
2.妊娠と食事療法(2)
Q 1型糖尿病です.はじめて妊娠しましたが妊娠中の食事内容で注意すべきことはあるでしょうか(佐中眞由実)
3.妊娠中の腎症
Q 妊娠して中毒症/腎症を指摘されましたが,蛋白質や食塩の制限はどのようにしたらよいでしょうか(小浜智子)
VI 高齢者
1.高齢者の血糖コントロール
Q 毎週高齢者同士が集まって甘いもの(お菓子頬・清涼飲料水)を食べるのを楽しみにしている一人暮らしの人がいます.どのように指導したらよいでしょうか(三瓶タミ子)
2.宅配サービス,補助
Q 高齢一人暮らしの患者さんが食事宅配サービスの利用を希望しています.上手な利用のしかたを教えてください(加藤則子)
I 糖尿病患者とのかかわりかた
1.患者と話をする場を共有する・リラックスできる空間を創造する
Q 患者さんに一方的に説明ばかりしているように思います.どうしたら私の思いが伝わるのでしょうか(伊藤ひろみ)
2.患者が自己表現をできる機会を保障する
Q 面接では患者さんがあまり話してくれません.患者さんが話しやすい雰囲気をつくりたいのですが,どうしたらよいでしょうか(新島啓子)
3.患者が看護職者の言葉に耳を傾けるようにはたらきかける
Q 患者さんは面接では食事療法や運動療法について,「わかった」と言いますが,次の面接では「忘れた」と実行しません.何を言っても話もしたくないようです.どうしたら私の話を理解し,聞いてもらえるでしょうか(山田栄実)
4.看護職者の姿勢
Q 慢性疾患看護では患者さんとともに歩むことが大切だといわれていますが,実際にはどういうことなのか教えてください(山本千恵子)
5.患者の否定的言動に注目しアドバイスするタイミングを計る
Q 患者さんは「糖尿病がいやだ.食事療法もできない」を繰り返すことが多いのですが,このような患者さんにどのようなタイミングでアドバイスしていけばよいでしょうか(東 めぐみ)
プラネット【糖尿病療養指導の基盤(1)】
糖尿病患者の生活の再構築の援助と看護職者の姿勢(大池美也子)
II 糖尿病をもちながら生活する人への支援
1.食事療法がはじめての患者に対する支援
Q 食事療法がはじめての患者さんへの支援方法について教えてください(小平京子)
2.過去に食事療法の失敗体験をもつ患者に対する支援
Q 食事療法を行つている患者さんですが長続きしません.よい支援方法を教えてください(加藤理賀子)
3.食事療法を自分なりにやっている患者への支援・患者なりの変化を支える支援
Q 罹病期間が長い患者さんで,食事療法を自分なりにやっているからと言っています.最近,血糖値が上昇してきました.どうかかわったらよいのか教えてください(小田和美)
4.医療者の指示どおりに食事療法を行っている患者への支援
Q Aさんは指示エネルギー量が1600kcalで,きちんとやっています.ときには息抜きも大事だと思うのですが,どうアドバイスをしたらよいでしょうか(加藤理賀子)
5.患者の生活や生きてきた体験を理解する支援
Q 仕事を退職したり,親の介護などでHbA1Cが徐々に悪化する患者さんが多くいます.患者さんは「食事療法どころではない」と言います.どのように援助をすればよいでしょうか(東 めぐみ)
6.患者の行動できる限界を見定め,日常生活行動の調整点を見出す生活支援
Q Aさんはお酒を飲むのが楽しみだと言っています.楽しみを大切にした援助方法を教えてください(小長谷百絵)
7.生活が不規則になる職業をもつ人への生活支援
Q Aさんは3交代制の勤務をしており,生活が不規則です.支援方法を教えてください(今野康子)
8.食事療法がつらいと言っている患者への支援
Q Aさんは面接のたびに食事療法がつらいと言っています.どう支援したらよいでしょうか(横山悦子)
プラネット【糖尿病療養指導の基盤(2)】
療養指導の押さえたいポイント−生活者としての視点からみた患者教育−(下村裕子)
III 病気・治療の知識の提供と生活支援
1.はじめて糖尿病と診断された患者への支援
Q 外来看護師です.日頃から糖尿病患者さんへの看護の難しさを感じながらも試行錯誤をしています.特に,はじめて糖尿病と診断された患者さんへの支援はどのように行っていったらよいでしょうか(小林貴子)
2.インスリン導入が予測される患者への支援・血糖自己測定を導入する患者への支援
Q Aさんは近いうちにインスリン注射が必要だと医師から言われています.インスリン導入に向けてどのように援助をしていけばよいのでしょうか(伊波早苗)
3.インスリン治療を拒否している患者への支援
Q Aさんはインスリン治療の導入を勧められていますが拒否しています.どのように支援していけばよいのか教えてください(伊藤暁子)
4.インスリンを導入している患者への生活支援
Q Aさんはインスリン注射を行っていますが,最近血糖値が上昇しています.どのように支援していけばよいでしょうか(伊波早苗)
5.低血糖をおこした患者への生活支援
Q Aさんはインスリン注射をはじめて1年経ちますが,最近,低血糖をおこしました.今後どのように援助していけばよいのか教えてください(東 めぐみ)
6.シックデイの援助
Q シックデイについて患者さんに説明したいのですが,まだ経験していない患者さんにどのように説明したらよいでしょうか(両田美智代)
7.血糖自己測定と生活(食事と運動)との関係の支援
Q Aさんは血糖自己測定を行っています.血糖値と食事や運動との関係を知り,自分で血糖がコントロールできるように援助するにはどうしたらよいでしょうか(今野庸子)
8.民間療法を大切にしている患者の生活支援
Q Aさんは民間療法が大好きです.民間療法に頼りすぎないでうまく活用していけるように援助したいのですが(新良啓子)
9.フットケア
Q Aさんにフットケアの指導をしようと思いますが,どのように進めていけばよいでしょうか(伊藤暁子)
10.口腔ケア
Q Aさんに口腔ケアを指導したいのですが,どのようにしたらよいでしょうか(両田美智代)
プラネット【糖尿病療養指導の基盤(3)】
慢性疾患とアドヒアランス(滝口成美)
IV 患者のやる気につながる支援と教育方法
1.患者の気づきを高める
Q Aさんは「自分はいまの生活でいい」と言っていますが,くだものを食べるのを朝にすればもっと血糖値が良くなると思うのです.どうアプローチをすれば気がついてもらえるでしょうか(近藤ふさえ)
2.支援のための具体的な教育技法:行動変容プログラム
Q セルフ・モニタリンク法やステップ・バイ・ステップ法などからなる行動変容プログラムとは何ですか.これらを用いた援助の実際について教えてください(岡 美智代)
3.患者のやる気を高める支援
Q 患者さんは,このごろ食事療法ができないと言っています.どうしたらやる気を高めることができるでしょうか(山田栄実)
プラネット【糖尿病療養指導の基盤(4)】
心理的準備段階と自己効力理論−やる気を高める援助方法の実際−(安酸史子)
V 合併症をもつ患者への支援
1.腎症の患者への生活支援
Q Aさんは最近蛋白尿があり,蛋白制限をするように医師から言われました.低蛋白な分,油脂類をとる必要があると思いますが,どう援助したらよいのか教えてください(秦 佳子)
2.透析導入を勧められているが決心がつかない患者に対する援助
Q Aさんは.主治医から「尿毒症の末期です.血液透析を開始しなければいけません」と言われていますが,どうしても透析を受ける決心がつかないようです.どのような援助方法が必要でしょうか(松岡美壽子)
3.緊急で透析導入された患者への支援
Q Aさんは救急車にて運ばれ,そのまま透析導入になりました.今後の支援について教えてください(大滝 徹)
プラネット【糖尿病療養指導の基盤(5)】
合併症をもつ患者の心理と援助−合併症をもつ患者さんへのかかわりかた−(近藤ふさえ)
プラネットステーション【糖尿病療養指導の基盤(6)】
糖尿病患者教育の現状と課題〜糖尿病教育の目指すもの−選択肢のある教育と成果(アウトカム)−(河口てる子)
PART2 食事療法編
I 献立・食品・嗜好品
1.糖尿病食
Q 糖尿病食は健康食といわれますが.なぜでしょう(津田謹輔)
2.教育入院後の食事療法
Q 教育入院患者さんが入院中は食事を守れますが,退院するとコントロールが悪くなります.どう指導したらよいでしょうか(中村 康)
3.脂肪のとりかた・メニュー
Q 家族は揚げものを好みます.糖尿病になると家族と同じ食事がとれなくなるのでしょうか.油も必要と思いますが,とるとしたらどのようなことに気をつけてとったらよいでしょうか(佐々木智好)
4.アルコール飲料
Q いろいろな種類のアルコール飲料があります.ビールや発泡酒のなかには「糖質カット」と宣伝しているものがあります.アルコールの糖質によって糖尿病への影響は異なるのでしょうか(下川耕太郎・松本雅子)
5.清涼飲料表示
Q スポーツ飲料など清涼飲料水で「カロリーゼロ」や「ノンカロリー」などの表示がありますが,糖尿病患者さんに勧めてもよいでしょうか(穴倉弘枝)
6.食品表示
Q 新聞やテレビで「血糖値が気になる方へ」という広告を日にします.健康食品とはどういうものなのでしょうか(大部正代)
II 食習慣
1.食事の聞き取り
Q 患者さんの食事記録に疑問を感じます.実際の食事摂取内容を把握するためには食事記録をどのようにして確認すればよいでしょうか.また,実際をモディファイした食事記録の患者さんにはどのように対応したらよいでしょうか(土江節子)
2.肥満と血糖コントロール
Q 肥満を解消すれば血糖値が改善するのでしょうか.肥満していると血糖コントロールが良くならないのでしょうか(佐藤ミヨ子)
3.糖尿病薬と空腹感
Q 経口薬が処方されています.食事量を減らしていますが,空腹感がかなり強いと訴える患者さんにどのように対応したらよいでしょうか(岡畑純江・芦辺一之・門脇 孝)
4.外食指導
Q 食生活が外食中心の患者さんへの食事療法はどのように指導したらよいのでしょうか(本田佳子)
5.食事時間
Q 夜勤が頻繁にあり.仕事時間が不規則です.食事のとりかたはどのようにしたらよいでしょうか(有山由紀子)
6.アルコールと糖尿病
Q どうしてもアルコールを飲む機会が多くなってしまいます.飲酒時や日頃の食生活ではどのような注意が必要でしょうか.また,アルコールは糖尿病にどのような影響があるのでしょうか(幣 憲一郎)
7.運動とエネルギー
Q 運動をした場合,その分食事量を余計にとってもよいのでしょうか(村上文代)
8.捕食
Q インスリン治療中の患者さんがスポーツをする際の補食について教えてください(田中美紗子)
III 合併症
1.肝障害と食事療法
Q 肝障害のある糖尿病患者さんでは,食事療法はどのようにすればよいのでしょうか(佐藤照子・人見麻美子)
2.胃の手術後の食事
Q 胃の切除手術をして退院しました.糖尿病の食事療法に加えて注意することはあるでしょうか(今 寿賀子)
3.高血圧と食事療法
Q 血圧を測ったら高血圧でした.食事療法はどのようにしたらよいでしょうか.また,血圧の降下薬を飲むような場合,注意をすることはあるでしょうか(佐藤敏子)
4.高脂血症と食事療法
Q “コレステロールや中性脂肪が高い”と指摘されました.糖尿病と高脂血症の食事療法はどのようにしたらよいのでしょうか(本田佳子)
5.糖尿病性腎症と食事
Q 腎臓が悪くなっていると指摘されました.今後どのようなことに注意が必要でしょうか(市川和子)
6.血液透析と腹膜透析
Q 人工透析には血液透析と腹膜透析がありますが,食事療法は違ってくるのでしょうか(金澤良枝)
IV 心児・思春期
1.1型糖尿病児童と食事
Q 1型糖尿病の児童をもつ親に対し,食生活へどのような注意が必要でしょうか(宮本佳代子)
2.1型糖尿病児童の成長と栄養
Q 1型糖尿病の児童に対し成長に合わせたエネルギー量や栄養素が必要かと思います.どのように決めたらよいでしょうか(柴崎千絵里)
3.1型糖尿病児童とシックデイ
Q 1型糖尿病の児童ですが.発熱や食欲不振,腹痛などで食事がとれない場合,どのように対応したらよいでしょうか(内潟安子)
V 妊娠期
1.妊娠と食事療法(1)
Q 妊娠糖尿病と診断されました.妊娠糖尿病とはどんな状態なのでしょうか.元気な子どもを産むためには,どのような食事療法をすればよいのでしょうか(杢保敦子・穴澤園子)
2.妊娠と食事療法(2)
Q 1型糖尿病です.はじめて妊娠しましたが妊娠中の食事内容で注意すべきことはあるでしょうか(佐中眞由実)
3.妊娠中の腎症
Q 妊娠して中毒症/腎症を指摘されましたが,蛋白質や食塩の制限はどのようにしたらよいでしょうか(小浜智子)
VI 高齢者
1.高齢者の血糖コントロール
Q 毎週高齢者同士が集まって甘いもの(お菓子頬・清涼飲料水)を食べるのを楽しみにしている一人暮らしの人がいます.どのように指導したらよいでしょうか(三瓶タミ子)
2.宅配サービス,補助
Q 高齢一人暮らしの患者さんが食事宅配サービスの利用を希望しています.上手な利用のしかたを教えてください(加藤則子)








