序文
卵巣は,排卵や妊娠という女性に特有の重要な生殖機能を司るだけでなく,女性ホルモンの分泌を通じて自身の一生における健康に対する基本的かつ重要な役割も果たしている.女性ホルモンは神経機能,血管機能,骨代謝,脂質代謝などに作用しているが,それらは最終的には女性特有の生殖機能である妊娠や分娩に女性が耐えうることを目的とした機能とも考えられる.
編者らは2003年以来,7回にわたり卵巣に関する国際カンファレンスを主催し,主として生殖卵巣学についてのup to dateで重要なテーマを取り上げ,国際的に著名な研究者をわが国に招いてきた.毎回10人以上にのぼる外国の研究者が参加しており,すべてのセッションが英語で行われていることから,国を越えて研究者同士が交流し,最先端のテーマに関して率直な意見交換ができる場ともなった.このカンファレンスを通じ,多くの日本や海外の卵巣研究者,特に若手研究者に勉強の機会とmotivationを与えられたと自負している.また,編者ら自身もそのカンファレンスを通じて卵巣研究のup to dateな流れを理解することができ,そのなかでのわが国のポジションに関しても理解を深めることができた.
近年,生殖医療領域において乗り越えるべき課題として,卵巣の老化ならびに卵巣自身の機能異常がクローズアップされている.すなわち35〜40歳の不妊,早発卵巣不全(premature ovarian failure:POF),多.胞性卵巣症候群などが特に重要な克服すべき課題となっている.これらの症例に対する治療のため,体外成熟,卵巣組織,卵子の凍結保存などの技術開発が進みつつある.
一方,分子生物学の導入以来30余年を経て,卵巣機能に関する基礎知識は卵胞発育や卵成熟などの機構を中心に急速に解明されてきており,これらの進歩はいずれ不妊治療上のbreak throughにつながるものと期待される.生殖に関する卵巣学は,臨床・基礎の両面で大きな飛躍の時期を迎えている.
本書は,生殖に関する卵巣学のなかで臨床的に重要なトピックをすべて取り上げるとともに,最新の基礎的進歩を加味し,これを平易に解説することを目的として企画されたものである.同時に生殖学全般のトピックを網羅することも企画の眼目とした.
本書が生殖医学の専門家のみならず,一般産婦人科医,小児科医,内科医また農学,畜産系研究者,看護師,胚培養士などの日常の研究や臨床のお役に立てれば幸いである.
最後に,多くの時間を原稿執筆に割いていただいた執筆者各位に感謝申し上げたい.また本書の出版に際して尽力いただいた医歯薬出版の塗木誠治氏,山本晶子氏に謝意を表する次第である.
2011年9月
石塚文平,鈴木秋悦
卵巣は,排卵や妊娠という女性に特有の重要な生殖機能を司るだけでなく,女性ホルモンの分泌を通じて自身の一生における健康に対する基本的かつ重要な役割も果たしている.女性ホルモンは神経機能,血管機能,骨代謝,脂質代謝などに作用しているが,それらは最終的には女性特有の生殖機能である妊娠や分娩に女性が耐えうることを目的とした機能とも考えられる.
編者らは2003年以来,7回にわたり卵巣に関する国際カンファレンスを主催し,主として生殖卵巣学についてのup to dateで重要なテーマを取り上げ,国際的に著名な研究者をわが国に招いてきた.毎回10人以上にのぼる外国の研究者が参加しており,すべてのセッションが英語で行われていることから,国を越えて研究者同士が交流し,最先端のテーマに関して率直な意見交換ができる場ともなった.このカンファレンスを通じ,多くの日本や海外の卵巣研究者,特に若手研究者に勉強の機会とmotivationを与えられたと自負している.また,編者ら自身もそのカンファレンスを通じて卵巣研究のup to dateな流れを理解することができ,そのなかでのわが国のポジションに関しても理解を深めることができた.
近年,生殖医療領域において乗り越えるべき課題として,卵巣の老化ならびに卵巣自身の機能異常がクローズアップされている.すなわち35〜40歳の不妊,早発卵巣不全(premature ovarian failure:POF),多.胞性卵巣症候群などが特に重要な克服すべき課題となっている.これらの症例に対する治療のため,体外成熟,卵巣組織,卵子の凍結保存などの技術開発が進みつつある.
一方,分子生物学の導入以来30余年を経て,卵巣機能に関する基礎知識は卵胞発育や卵成熟などの機構を中心に急速に解明されてきており,これらの進歩はいずれ不妊治療上のbreak throughにつながるものと期待される.生殖に関する卵巣学は,臨床・基礎の両面で大きな飛躍の時期を迎えている.
本書は,生殖に関する卵巣学のなかで臨床的に重要なトピックをすべて取り上げるとともに,最新の基礎的進歩を加味し,これを平易に解説することを目的として企画されたものである.同時に生殖学全般のトピックを網羅することも企画の眼目とした.
本書が生殖医学の専門家のみならず,一般産婦人科医,小児科医,内科医また農学,畜産系研究者,看護師,胚培養士などの日常の研究や臨床のお役に立てれば幸いである.
最後に,多くの時間を原稿執筆に割いていただいた執筆者各位に感謝申し上げたい.また本書の出版に際して尽力いただいた医歯薬出版の塗木誠治氏,山本晶子氏に謝意を表する次第である.
2011年9月
石塚文平,鈴木秋悦
序文
編者・執筆者一覧
口絵
第1章 最新基礎知識
1 卵巣の解剖・組織学(伊藤正則)
女性生殖器系
卵巣の肉眼的解剖と組織構造
卵胞の形成・発育と組織構造の変化
排卵と黄体形成における組織構造の変化
卵巣における血管系,リンパ系,神経系
2 卵子の発生,減数分裂,卵胞形成,排卵の遺伝的基礎
2-1 卵子の発生(細井美彦 福永直人)
生殖細胞の概要について
生殖細胞と体細胞の差
生殖細胞を決定する要因としての細胞質
生殖細胞の発生
生殖細胞の移動
卵子への分化
生殖細胞の体外での分化誘導系について
2-2 減数分裂(緒方 勤)
正常減数分裂
減数分裂の異常による疾患
2-3 卵胞形成,成熟(河村和弘)
卵胞の構造
卵胞発育
卵胞の選択と成熟
卵の成熟
卵胞閉鎖
2-4 卵胞成熟と卵成熟の相関(島田昌之)
卵胞の発育と成熟
排卵準備(卵胞成熟)の誘導因子
卵胞成熟期におけるLH受容体およびEGF受容体発現と卵成熟との関係
卵胞成熟期の判定法(排卵刺激適期の判定法)と正常に成熟した卵胞の選別法
2-5 黄体化と黄体機能(杉野法広 木塚文恵 李 理華)
黄体化と血管形成
黄体化とプロゲステロン産生
3 卵巣周期の神経内分泌学的調節(福原理恵 福井淳史 水沼英樹)
卵巣周期の調節因子
正常卵巣周期の特徴
卵巣周期におけるゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)の律動性分泌
GnRHの分泌調節因子
卵巣周期にかかわる新しいニューロペプチドの存在
4 ゴナドトロピンとそのレセプター(北原慈和 岩宗政幸 中村和人 峯岸 敬)
ゴナドトロピンとは
ゴナドトロピンレセプター
ゴナドトロピンレセプターの局在
ゴナドトロピン分泌の制御(エストロゲンの中枢への影響)
ゴナドトロピンレセプターの発現調節
分子シャペロンによるゴナドトロピンレセプターの発現調節
microRNA(miRNA)によるゴナドトロピンレセプターの発現調節について
5 性ステロイドホルモンの合成・代謝と作用(高橋則行 石塚文平)
ステロイドホルモン
ステロイドホルモン前駆体および代謝産物と生殖
卵胞におけるステロイドホルモン合成──巧みに変化するステロイドホルモン合成酵素の発現
6 排卵と受精(佐藤英明)
排卵
受精
7 着床発達遺伝子(今川和彦)
着床過程のポイントと問題点
母体の妊娠認識
胚子の子宮内膜への接着
第2章 臨床の進展
1 卵巣周期(排卵周期)の異常──排卵障害や月経異常の原因(堂地 勉)
排卵周期の異常(排卵障害)と月経異常
体重減少性無月経
運動性無月経
肥満と月経異常
多嚢胞性卵巣症候群の排卵障害と月経異常
2 卵巣周期に伴う諸症状・疾患
2-1 黄体機能不全(和泉俊一郎 布田孝代 高橋千果)
黄体機能不全とは
女性の生涯からみた関連疾患
臨床的定義
治療の方針と実際
2-2 月経前症候群(PMS)(家坂清子)
定義
病因
症状
診断
治療
2-3 月経困難症(湯 暁暉 安達知子)
原発性月経困難症
2-4 子宮内膜症と不妊(大須賀 穣)
子宮内膜症と妊孕性
子宮内膜症が卵巣機能を障害する機序
子宮内膜症と卵巣機能に関する臨床的課題
卵巣機能が子宮内膜症に与える影響
2-5 早発卵巣不全(早発閉経)(石塚文平)
定義
頻度
病因
自然発症POF
自己免疫
医原性POF
症状
治療
2-6 アンドロゲン不応症(石原 理)
AISの病態
AISの臨床像
個別化した治療の必要性
情報開示とカウンセリング
3 避妊──排卵抑制(綾部琢哉)
排卵とその調節機序
生殖内分泌経路とその抑制方法
避妊を目的とする排卵の抑制
現在,実用化されている卵胞発育・排卵抑制方法
OCの副効用・有害事象・慎重投与と禁忌
緊急避妊法
OC内服に伴う周期の平坦化
4 Diminished Ovarian Responseとその対策──排卵誘発(柴原浩章)
“poor responder”の定義自体の混乱
poor responderへの対策
5 補助的生殖医療── up to date
5-1 IVF-ET(沖津 摂)
cIVFにおける精子調整方法と媒精方法
cIVFにおける媒精濃度の決定
ICSIとのコンビネーション(rescue ICSI,split ICSI)
前核形成確認時点における卵子の形態的特徴からの考察
5-2 ICSI(佐藤 学 森本義晴)
ICSIの実際
改良されたICSI技術
5-3 IVG/IVM(福田愛作)
IVMの歴史
臨床IVMにおける未熟卵とは
当院におけるIVM-IVF実施方法の変遷
至適採卵時期
IVMの経時的スケジュール
培養液の組成
採卵方法
培養および顕微授精
胚移植法ならびに移植後の管理
治療成績
5-4 MD-TESE(吉田 淳)
従来の精巣精子回収法と顕微鏡下精巣精子回収法の比較
凍結精巣精子によるICSIか新鮮精巣精子を用いたICSIか
クラインフェルター症候群
AZF領域
MD-TESEの実際
MD-TESEの成績(木場公園クリニック)
5-5 PGD(青山直樹 竹原祐志)
診断の正確性の捉え方について
臨床PGDの単一遺伝子疾患診断における正診率の実際
臨床PGDのFISHを用いた診断における正診率の実際
6 多嚢胞性卵巣症候群(奥津由記 石塚文平)
PCOSとは
PCOSの診断基準
PCOSの病因病態
基礎研究――in vivo実験モデル
基礎研究──in vitro実験モデル
PCOSの臨床像
病態を考慮したPCOSのオーダーメイド治療の試み
7 配偶子・胚の培養(森本義晴 西原卓志)
培養法に対する考え方
培養法の基本
基本培養液
プロテイン・ソース
ミネラルオイル
最近の培養液作製の経緯
培養液のquality assurance
胚盤胞の培養法
IVM(in vitro maturation)の培養法
卵巣組織の培養法
8 配偶子・胚のGeneticsとEpigenetics(杉浦幸二)
DNAメチル化修飾
ヒストン修飾とクロマチンリモデリング
ノンコーディングRNA
9 卵巣の老化(菅原かな 浜谷敏生)
形態学的変化
内分泌学的変化
卵子の老化
10 閉経(谷口綾亮 水沼英樹)
閉経とは
閉経に伴う内分泌変化
更年期以降における身体機能の変化
更年期以降の女性の心理的背景
11 Fertility PreservationとOncofertility Treatment(鈴木 直)
fertility preservationとoncofertility
化学療法誘発性無月経
表層上皮性卵巣がんと妊孕性温存
卵巣悪性胚細胞腫瘍と妊孕性温存
乳がんと妊孕性温存
脳腫瘍と妊孕性温存
白血病と妊孕性温存
全身性自己免疫性疾患(SLEなど)と妊孕性温存
GnRHアナログによる妊孕性温存
聖マリアンナ医科大学における妊孕性温存に対するoncofertility treatment
(がん・生殖医療)の試み──卵巣組織凍結の可能性
妊孕性温存のために──がん・生殖医療科学(oncofertility)の理解
12 卵巣の超音波診断(谷 洋彦 齊藤英和 齊藤隆和)
正常卵巣の位置および描出方法
不妊診療における卵巣超音波断層法の目的
第3章 生殖卵巣学の将来(鈴木秋悦)
索引
編者・執筆者一覧
口絵
第1章 最新基礎知識
1 卵巣の解剖・組織学(伊藤正則)
女性生殖器系
卵巣の肉眼的解剖と組織構造
卵胞の形成・発育と組織構造の変化
排卵と黄体形成における組織構造の変化
卵巣における血管系,リンパ系,神経系
2 卵子の発生,減数分裂,卵胞形成,排卵の遺伝的基礎
2-1 卵子の発生(細井美彦 福永直人)
生殖細胞の概要について
生殖細胞と体細胞の差
生殖細胞を決定する要因としての細胞質
生殖細胞の発生
生殖細胞の移動
卵子への分化
生殖細胞の体外での分化誘導系について
2-2 減数分裂(緒方 勤)
正常減数分裂
減数分裂の異常による疾患
2-3 卵胞形成,成熟(河村和弘)
卵胞の構造
卵胞発育
卵胞の選択と成熟
卵の成熟
卵胞閉鎖
2-4 卵胞成熟と卵成熟の相関(島田昌之)
卵胞の発育と成熟
排卵準備(卵胞成熟)の誘導因子
卵胞成熟期におけるLH受容体およびEGF受容体発現と卵成熟との関係
卵胞成熟期の判定法(排卵刺激適期の判定法)と正常に成熟した卵胞の選別法
2-5 黄体化と黄体機能(杉野法広 木塚文恵 李 理華)
黄体化と血管形成
黄体化とプロゲステロン産生
3 卵巣周期の神経内分泌学的調節(福原理恵 福井淳史 水沼英樹)
卵巣周期の調節因子
正常卵巣周期の特徴
卵巣周期におけるゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)の律動性分泌
GnRHの分泌調節因子
卵巣周期にかかわる新しいニューロペプチドの存在
4 ゴナドトロピンとそのレセプター(北原慈和 岩宗政幸 中村和人 峯岸 敬)
ゴナドトロピンとは
ゴナドトロピンレセプター
ゴナドトロピンレセプターの局在
ゴナドトロピン分泌の制御(エストロゲンの中枢への影響)
ゴナドトロピンレセプターの発現調節
分子シャペロンによるゴナドトロピンレセプターの発現調節
microRNA(miRNA)によるゴナドトロピンレセプターの発現調節について
5 性ステロイドホルモンの合成・代謝と作用(高橋則行 石塚文平)
ステロイドホルモン
ステロイドホルモン前駆体および代謝産物と生殖
卵胞におけるステロイドホルモン合成──巧みに変化するステロイドホルモン合成酵素の発現
6 排卵と受精(佐藤英明)
排卵
受精
7 着床発達遺伝子(今川和彦)
着床過程のポイントと問題点
母体の妊娠認識
胚子の子宮内膜への接着
第2章 臨床の進展
1 卵巣周期(排卵周期)の異常──排卵障害や月経異常の原因(堂地 勉)
排卵周期の異常(排卵障害)と月経異常
体重減少性無月経
運動性無月経
肥満と月経異常
多嚢胞性卵巣症候群の排卵障害と月経異常
2 卵巣周期に伴う諸症状・疾患
2-1 黄体機能不全(和泉俊一郎 布田孝代 高橋千果)
黄体機能不全とは
女性の生涯からみた関連疾患
臨床的定義
治療の方針と実際
2-2 月経前症候群(PMS)(家坂清子)
定義
病因
症状
診断
治療
2-3 月経困難症(湯 暁暉 安達知子)
原発性月経困難症
2-4 子宮内膜症と不妊(大須賀 穣)
子宮内膜症と妊孕性
子宮内膜症が卵巣機能を障害する機序
子宮内膜症と卵巣機能に関する臨床的課題
卵巣機能が子宮内膜症に与える影響
2-5 早発卵巣不全(早発閉経)(石塚文平)
定義
頻度
病因
自然発症POF
自己免疫
医原性POF
症状
治療
2-6 アンドロゲン不応症(石原 理)
AISの病態
AISの臨床像
個別化した治療の必要性
情報開示とカウンセリング
3 避妊──排卵抑制(綾部琢哉)
排卵とその調節機序
生殖内分泌経路とその抑制方法
避妊を目的とする排卵の抑制
現在,実用化されている卵胞発育・排卵抑制方法
OCの副効用・有害事象・慎重投与と禁忌
緊急避妊法
OC内服に伴う周期の平坦化
4 Diminished Ovarian Responseとその対策──排卵誘発(柴原浩章)
“poor responder”の定義自体の混乱
poor responderへの対策
5 補助的生殖医療── up to date
5-1 IVF-ET(沖津 摂)
cIVFにおける精子調整方法と媒精方法
cIVFにおける媒精濃度の決定
ICSIとのコンビネーション(rescue ICSI,split ICSI)
前核形成確認時点における卵子の形態的特徴からの考察
5-2 ICSI(佐藤 学 森本義晴)
ICSIの実際
改良されたICSI技術
5-3 IVG/IVM(福田愛作)
IVMの歴史
臨床IVMにおける未熟卵とは
当院におけるIVM-IVF実施方法の変遷
至適採卵時期
IVMの経時的スケジュール
培養液の組成
採卵方法
培養および顕微授精
胚移植法ならびに移植後の管理
治療成績
5-4 MD-TESE(吉田 淳)
従来の精巣精子回収法と顕微鏡下精巣精子回収法の比較
凍結精巣精子によるICSIか新鮮精巣精子を用いたICSIか
クラインフェルター症候群
AZF領域
MD-TESEの実際
MD-TESEの成績(木場公園クリニック)
5-5 PGD(青山直樹 竹原祐志)
診断の正確性の捉え方について
臨床PGDの単一遺伝子疾患診断における正診率の実際
臨床PGDのFISHを用いた診断における正診率の実際
6 多嚢胞性卵巣症候群(奥津由記 石塚文平)
PCOSとは
PCOSの診断基準
PCOSの病因病態
基礎研究――in vivo実験モデル
基礎研究──in vitro実験モデル
PCOSの臨床像
病態を考慮したPCOSのオーダーメイド治療の試み
7 配偶子・胚の培養(森本義晴 西原卓志)
培養法に対する考え方
培養法の基本
基本培養液
プロテイン・ソース
ミネラルオイル
最近の培養液作製の経緯
培養液のquality assurance
胚盤胞の培養法
IVM(in vitro maturation)の培養法
卵巣組織の培養法
8 配偶子・胚のGeneticsとEpigenetics(杉浦幸二)
DNAメチル化修飾
ヒストン修飾とクロマチンリモデリング
ノンコーディングRNA
9 卵巣の老化(菅原かな 浜谷敏生)
形態学的変化
内分泌学的変化
卵子の老化
10 閉経(谷口綾亮 水沼英樹)
閉経とは
閉経に伴う内分泌変化
更年期以降における身体機能の変化
更年期以降の女性の心理的背景
11 Fertility PreservationとOncofertility Treatment(鈴木 直)
fertility preservationとoncofertility
化学療法誘発性無月経
表層上皮性卵巣がんと妊孕性温存
卵巣悪性胚細胞腫瘍と妊孕性温存
乳がんと妊孕性温存
脳腫瘍と妊孕性温存
白血病と妊孕性温存
全身性自己免疫性疾患(SLEなど)と妊孕性温存
GnRHアナログによる妊孕性温存
聖マリアンナ医科大学における妊孕性温存に対するoncofertility treatment
(がん・生殖医療)の試み──卵巣組織凍結の可能性
妊孕性温存のために──がん・生殖医療科学(oncofertility)の理解
12 卵巣の超音波診断(谷 洋彦 齊藤英和 齊藤隆和)
正常卵巣の位置および描出方法
不妊診療における卵巣超音波断層法の目的
第3章 生殖卵巣学の将来(鈴木秋悦)
索引








