第2版序文
『最新理学療法学講座 地域理学療法学』の初版発刊から約4年が経過し,このたび,第2版を出版させていただく運びとなりました.第2版では,令和6年版理学療法士国家試験出題基準に沿って,全面的に内容の見直しを図りました.具体的には,国家試験において重視される地域リハビリテーションの理論や,介護報酬改定をふまえた介護保険の知識,介護予防や認知症にかかわる地域理学療法を追加し,充実を図りました.
本書は卒前教育のテキストとして,学生に求められる知識を簡潔に示すとともに,「地域」という病院や施設とは異なった環境や資源を意識し,理学療法士としての役割を考えながら理解できることを目指しています.
地域理学療法学では,対象者への個別の直接的な支援のみならず,間接的な支援を通じて貢献することも求められます.間接的な支援には,社会への支援も期待されます.そのためには,いわゆる“ハンズオフスキル”の習得が必要であり,地域社会の課題を俯瞰的に捉え,より良い形を目指したアプローチが必要になると考えます.
主体的に考えて行動する力をもつ人材は,一方向で受動的な教育の場では育成することはできません.学生が主体的に問題を発見し解を見い出していく,もしくは解を見い出すための術を創出するための能動的学習(アクティブ・ラーニング)が必要となります.本書の各章で示されるアクティブ・ラーニングを積極的に取り入れ,地域理学療法の現場を想像し主体的に考えながら,学びを深めていくことが期待されます.
これからの地域理学療法の領域は,日本の社会を支え,新たなイノベーションの創出を目指す熱く若い力が求められます.本書が一人でも多くの学生や理学療法士に地域理学療法学への興味をもっていただくきっかけとなり,臨床思考力をもつ人材育成の一助となれば大変嬉しく思います.
最後に,本書の発刊にあたり丁寧かつ真摯にご支援をいただいた医歯薬出版編集部,および執筆をお引き受けくださった著者の方々に深く感謝の意を表します.
2024年10月
編者代表 牧迫飛雄馬
第1版序文
約20年ぶりに改正された「理学療法士作業療法士学校養成施設指定規則」では,臨床実習に関して「訪問または通所リハビリテーションに関する実習を1単位以上行うこと」との規定が追加されました.このことは,地域での理学療法の需要が増大し,卒前修学および臨床実習の充実が重視されていることを意味するものと考えられます.
2020年には日本地域理学療法学会から「地域理学療法学」の定義が初めて示され,「地域理学療法学とは,動作や活動への多面的な働きかけにより人々が地域でのくらしを主体的につくりあげられるよう探究する学問」と記されています.人々の“動作“と“活動”を専門的な立場から捉えて,主体性を重視しつつ多面的に働きかけていくための知識や技術の習得が必要となります.地域療法学では対象者への個別の直接的な支援のみならず,間接的に貢献することも社会から求められます.言い換えると,陰で支える裏方役に徹することも役割となるでしょう.そのため,いわゆる“ハンズオフスキル”の習得が必要となります.
また,実践においては,諸々の制度に準拠することが多いため,これらの制度が改正される度に対応する必要があります.一方で,これらの制度変化に左右されない,人々の“動作“と“活動”をあらゆる角度から捉えて多面的な支援を提案するための軸となる臨床思考が必要と考えます.地域理学療法学は,未確立な発展途上の領域と言えるかもしれませんが,確固たる手順書がないが故の面白さや奥深さ,理学療法による可能性の拡がりを感じることも少なくないと確信しています.
本書では,地域理学療法に必要な制度のほか,評価手法や介入方法など,地域での実臨床を意識した項目を取り入れました.特に,訪問・通所・入所系のサービス種別ならびに疾患別によるそれぞれの軸からの地域理学療法が思考できるように構成しました.これらの項目の学修は,訪問または通所リハビリテーションに関する臨床実習に備えるうえでも有用な内容であると考えます.
また,「アクティブ・ラーニング」を効果的に進めるための課題を各章で設定しました.主体的に考える力をもった人材は,受動的な教育の場では育成することができません.教員と学生が意思疎通を図って切磋琢磨し,相互に刺激を与えながら知的に成長する場を創り,学生が主体的に問題を発見し解を見いだしていく能動的学修(アクティブ・ラーニング)が必要であるとされています.
本書が知識や技術の習得を目指す受動的な学びにとどまらず,地域で活躍でき,主体的に考える臨床思考力をもった人材を育む一助となることを願っています.
最後に,本書の発刊にあたり,丁寧かつ真摯にご支援いただいた医歯薬出版の編集部諸氏,執筆をお引き受けくださった著者の方々に深く感謝の意を表します.
2021年1月
編者代表 牧迫飛雄馬
『最新理学療法学講座 地域理学療法学』の初版発刊から約4年が経過し,このたび,第2版を出版させていただく運びとなりました.第2版では,令和6年版理学療法士国家試験出題基準に沿って,全面的に内容の見直しを図りました.具体的には,国家試験において重視される地域リハビリテーションの理論や,介護報酬改定をふまえた介護保険の知識,介護予防や認知症にかかわる地域理学療法を追加し,充実を図りました.
本書は卒前教育のテキストとして,学生に求められる知識を簡潔に示すとともに,「地域」という病院や施設とは異なった環境や資源を意識し,理学療法士としての役割を考えながら理解できることを目指しています.
地域理学療法学では,対象者への個別の直接的な支援のみならず,間接的な支援を通じて貢献することも求められます.間接的な支援には,社会への支援も期待されます.そのためには,いわゆる“ハンズオフスキル”の習得が必要であり,地域社会の課題を俯瞰的に捉え,より良い形を目指したアプローチが必要になると考えます.
主体的に考えて行動する力をもつ人材は,一方向で受動的な教育の場では育成することはできません.学生が主体的に問題を発見し解を見い出していく,もしくは解を見い出すための術を創出するための能動的学習(アクティブ・ラーニング)が必要となります.本書の各章で示されるアクティブ・ラーニングを積極的に取り入れ,地域理学療法の現場を想像し主体的に考えながら,学びを深めていくことが期待されます.
これからの地域理学療法の領域は,日本の社会を支え,新たなイノベーションの創出を目指す熱く若い力が求められます.本書が一人でも多くの学生や理学療法士に地域理学療法学への興味をもっていただくきっかけとなり,臨床思考力をもつ人材育成の一助となれば大変嬉しく思います.
最後に,本書の発刊にあたり丁寧かつ真摯にご支援をいただいた医歯薬出版編集部,および執筆をお引き受けくださった著者の方々に深く感謝の意を表します.
2024年10月
編者代表 牧迫飛雄馬
第1版序文
約20年ぶりに改正された「理学療法士作業療法士学校養成施設指定規則」では,臨床実習に関して「訪問または通所リハビリテーションに関する実習を1単位以上行うこと」との規定が追加されました.このことは,地域での理学療法の需要が増大し,卒前修学および臨床実習の充実が重視されていることを意味するものと考えられます.
2020年には日本地域理学療法学会から「地域理学療法学」の定義が初めて示され,「地域理学療法学とは,動作や活動への多面的な働きかけにより人々が地域でのくらしを主体的につくりあげられるよう探究する学問」と記されています.人々の“動作“と“活動”を専門的な立場から捉えて,主体性を重視しつつ多面的に働きかけていくための知識や技術の習得が必要となります.地域療法学では対象者への個別の直接的な支援のみならず,間接的に貢献することも社会から求められます.言い換えると,陰で支える裏方役に徹することも役割となるでしょう.そのため,いわゆる“ハンズオフスキル”の習得が必要となります.
また,実践においては,諸々の制度に準拠することが多いため,これらの制度が改正される度に対応する必要があります.一方で,これらの制度変化に左右されない,人々の“動作“と“活動”をあらゆる角度から捉えて多面的な支援を提案するための軸となる臨床思考が必要と考えます.地域理学療法学は,未確立な発展途上の領域と言えるかもしれませんが,確固たる手順書がないが故の面白さや奥深さ,理学療法による可能性の拡がりを感じることも少なくないと確信しています.
本書では,地域理学療法に必要な制度のほか,評価手法や介入方法など,地域での実臨床を意識した項目を取り入れました.特に,訪問・通所・入所系のサービス種別ならびに疾患別によるそれぞれの軸からの地域理学療法が思考できるように構成しました.これらの項目の学修は,訪問または通所リハビリテーションに関する臨床実習に備えるうえでも有用な内容であると考えます.
また,「アクティブ・ラーニング」を効果的に進めるための課題を各章で設定しました.主体的に考える力をもった人材は,受動的な教育の場では育成することができません.教員と学生が意思疎通を図って切磋琢磨し,相互に刺激を与えながら知的に成長する場を創り,学生が主体的に問題を発見し解を見いだしていく能動的学修(アクティブ・ラーニング)が必要であるとされています.
本書が知識や技術の習得を目指す受動的な学びにとどまらず,地域で活躍でき,主体的に考える臨床思考力をもった人材を育む一助となることを願っています.
最後に,本書の発刊にあたり,丁寧かつ真摯にご支援いただいた医歯薬出版の編集部諸氏,執筆をお引き受けくださった著者の方々に深く感謝の意を表します.
2021年1月
編者代表 牧迫飛雄馬
第2版序文(牧迫飛雄馬)
第1版序文(牧迫飛雄馬)
1章 地域リハビリテーションの理解
(吉松竜貴,阿部 勉)
1 地域とは
2 地域リハビリテーションの歴史
1.世界的にみる地域リハビリテーションの歴史
2.わが国における地域リハビリテーションの歴史
3 地域リハビリテーションの理念-定義とその背景
1.地域リハビリテーションの背景
2.地域リハビリテーションの定義
3.地域理学療法の定義
4 地域リハビリテーションの対象
5 地域リハビリテーションに関連する制度の概要
1.医療保険制度
2.介護保険制度
3.障害者総合支援法
4.介護保険法と障害者総合支援法の比較
5.地域リハビリテーションの理念を達成するための政策
演習課題
2章 地域における理学療法士の役割
(阿久澤直樹)
1 地域理学療法の理念と目的
2 地域での連携と多職種協働
1.多様な連携先
2.地域での多職種協働
3 地域包括ケアシステムと理学療法の役割
1.介護予防・日常生活支援総合事業
2.地域ケア会議
3.他職種から期待される理学療法士の役割
4 全世代に向けた健康増進と地域づくり
演習課題
3章 介護保険制度の理解
(小林聖美)
1 介護保険制度の基本理解
1.介護保険制度の背景
2.介護保険制度の基本理念
3.介護保険制度の仕組み
4.介護保険制度の変遷
2 リハビリテーションに関連する2024年度改定における主な変更点
3 申請からサービス利用までの流れ
4 保険給付(サービス)
5 区分支給限度額
6 介護保険制度の利用例
演習課題
4章 地域理学療法に求められる医学的対応
(平野康之)
1 疾病(障害)像の変遷とリスク管理の重要性
2 地域理学療法におけるリスク管理と情報収集
1.リスク管理とは
2.リスク管理に必要な情報収集とスクリーニング
3 リスク管理に必要な評価技術と機器
1.医療面接
2.フィジカルアセスメント
3.在宅でも活用できるリスク管理の機器
4 地域理学療法の実践において知っておくべき医療処置
1.気管吸引
2.在宅酸素療法
3.緊急対応
4.感染対応
5 地域理学療法におけるリスク管理の実践的活用
【リスクの層別化と運動実施の可否判断】
演習課題
5章 地域理学療法評価と個別アプローチ
(尾川達也,石垣智也)
1 地域理学療法評価の考え方
1.評価の種類
2.地域理学療法におけるアセスメントの特徴
3.地域理学療法におけるアウトカムの特徴
2 地域で推奨される理学療法評価
1.標準化されたアウトカム指標
2.環境的制約を受けやすい評価への対策
3 地域理学療法に求められる個別支援
1.個別支援とは
2.自立支援のためのセルフマネジメント
3.セルフマネジメントを支援するポイント─自己効力感─
4 家族等への指導・支援
1.家族等への指導・支援が重要な理由
2.家族が支援するセルフマネジメント
3.家族の介護負担感への指導・支援
5 QOLに対する視点
1.QOLに対する個別支援でキュアとケアの視点を併せもつ重要性
2.QOLを構成する要因と社会的ケア関連QOL
演習課題
6章 訪問・通所での理学療法
(大沼 剛,林 悠太)
訪問
1 訪問サービスの特徴
【訪問リハビリテーションサービスを提供する事業所における制度】
2 訪問サービスの対象者
【訪問リハビリテーションサービスを提供する事業所における主な対象者】
3 訪問理学療法士の役割
1.病院と在宅の違い
2.訪問リハビリテーションの実施内容
3.訪問リハビリテーションにおけるリスク管理
4.訪問理学療法における注意点
4 訪問理学療法の実際例
1.訪問リハビリテーションの1日の流れ
2.訪問リハビリテーションにおける自主練習メニューの提示
通所
1 通所サービスの特徴
1.通所リハビリテーションとは
2.通所介護とは
3.通所リハビリテーションと通所介護の比較
2 サービスの対象者
1.通所リハビリテーションの対象者
2.通所介護の対象者
3 理学療法士の役割
1.通所リハビリテーションにおける理学療法士の役割
2.通所介護における理学療法士の役割
3.通所リハビリテーション,通所介護どちらの理学療法士にも求められる役割
演習課題
7章 施設での理学療法
(林 悠太)
1 施設サービスの特徴
1.介護老人保健施設
2.介護医療院
3.介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
4.有料老人ホーム
5.各施設・住まいの特徴からわかること
2 各施設・住まいの対象者
1.老人保健施設の対象者
2.介護医療院の対象者
3.特別養護老人ホームの対象者
4.介護付き有料老人ホームの対象者
3 理学療法士の役割
1.各施設に共通する理学療法士の役割
2.老人保健施設に特化した理学療法士の役割
3.介護付き有料老人ホームに特化した理学療法士の役割
演習課題
8章 疾患別にみる地域理学療法 認知症
(山上徹也)
1 地域で対象となる認知症の特徴
2 地域における理学療法評価
1.認知機能
2.認知症の行動・心理症状(BPSD)
3.ADL・IADL障害
4.社会参加(周囲の人との関係性)障害
5.身体機能
3 目標設定の考え方
4 地域理学療法の実際
1.認知症者への支援
2.家族等の介護者への支援
3.地域社会における取り組み
5 地域理学療法のエビデンス
演習課題
9章 疾患別にみる地域理学療法 中枢神経疾患
(木山良二)
1 地域で対象となる中枢神経疾患の特徴
2 在宅における理学療法の考え方
3 地域における理学療法評価
1.機能レベル
2.活動・参加レベル
3.環境について
4.その他の留意点
4 目標設定の考え方
5 理学療法の実際
1.機能障害に対するアプローチ
2.活動制限に対するアプローチ
3.ADL指導
6 地域理学療法のエビデンス
演習課題
10章 疾患別にみる地域理学療法 運動器疾患
(飛山義憲)
1 地域で対象となる運動器疾患の特徴
1.変形性膝関節症,変形性股関節症
2.人工膝関節置換術後,人工股関節置換術後
3.骨粗鬆症による大腿骨近位部骨折
2 地域における理学療法評価
1.身体活動量の評価
2.疼痛の評価
3.身体機能の評価
4.転倒リスクの評価
5.栄養状態の評価
3 目標設定の考え方
1.変形性膝関節症,変形性股関節症
2.人工膝関節置換術後,人工股関節置換術後
3.骨粗鬆症による大腿骨近位部骨折術後
4 地域理学療法の実際
1.身体活動量の増加,維持
2.変形性関節症に対する疼痛軽減のための教育
3.身体機能の改善
4.転倒予防のための環境整備
5.栄養指導
演習課題
11章 疾患別にみる地域理学療法 呼吸器・循環器疾患
(柳田ョ英,神津 玲,内山 覚)
呼吸器疾患
1 地域で対象となる呼吸器疾患の特徴
1.COPDとは
2.COPDの特徴
2 地域におけるCOPDの理学療法評価
3 目標設定の考え方
4 地域理学療法の実際
1.COPD
2.肺炎
5 地域理学療法のエビデンス
循環器疾患
1 地域で対象となる循環器疾患の特徴
【心不全の分類】
2 地域における理学療法評価
3 目標設定の考え方
4 地域理学療法の実際
5 地域理学療法のエビデンス
演習課題
12章 疾患別にみる地域理学療法 がん
(原 毅)
1 地域で対象となるがんの特徴
1.がん進行に伴う身体症状:がん性疼痛
2.がん進行に伴う身体症状:骨転移
3.がん進行に伴う身体症状:がん悪液質
2 地域における理学療法評価
1.フィジカルアセスメント
2.生活状況の確認
3 目標設定の考え方
4 地域理学療法の実際
1.離床時のポジショニング
2.起居動作
5 地域理学療法のエビデンス
演習課題
13章 小児領域の地域理学療法
(楠本泰士)
1 在宅,障害児通所支援分野で対象となる小児疾患の特徴
1.脳性麻痺
2.低出生体重児
3.超重症児,高度医療依存児
2 地域における理学療法評価
3 目標設定の考え方
4 地域理学療法の実際
1.全体として考慮する点
2.重症児で考慮する点
3.制度を活用した具体例
5 地域理学療法のエビデンス
演習課題
14章 介護予防と健康増進
(井平 光,松崎由里子)
1 予防の理解と介護予防の位置づけ
1.予防(一次〜三次)の理解
2.介護予防における一次〜三次予防
3.重症化予防
4.ハイリスクアプローチとポピュレーションアプローチ
2 フレイル,サルコペニア,廃用症候群の予防
1.フレイル
2.サルコペニア
3.廃用症候群
4.フレイル,サルコペニア,廃用症候群の予防
3 生活状況と社会参加支援
4 健康維持,健康増進
1.地域における取り組み
2.理学療法士の役割
3.介護予防事業継続へのキーポイント
演習課題
15章 生活環境整備
(西條富美代)
1 代表的な福祉用具と導入の手順
1.介護保険法による福祉用具
2.障害者総合支援法による福祉用具
3.福祉用具支給制度の選択
2 自立生活支援機器
1.障害者自立支援機器等開発促進事業
2.環境制御装置(ECS)
3.コミュニケーション支援機器
3 社会環境整備
4 住環境整備,家屋改造
1.住まいの基本要件
2.環境整備の手順
3.住宅改修に対する支援制度
4.住宅改修の具体的方法
5.疾患と住宅改修の特徴
5 IT,ICTの導入
演習課題
Column
産業保健と理学療法(松垣竜太郎)
災害時の支援(三宮克彦)
代謝障害の理解(河野健一)
スポーツ・レクリエーション用具の活用(松田史代)
行動変容的アプローチ(水本 淳)
地域理学療法学の事例研究(石垣智也)
付録 令和6年版理学療法士国家試験出題基準対応表
索引
第1版序文(牧迫飛雄馬)
1章 地域リハビリテーションの理解
(吉松竜貴,阿部 勉)
1 地域とは
2 地域リハビリテーションの歴史
1.世界的にみる地域リハビリテーションの歴史
2.わが国における地域リハビリテーションの歴史
3 地域リハビリテーションの理念-定義とその背景
1.地域リハビリテーションの背景
2.地域リハビリテーションの定義
3.地域理学療法の定義
4 地域リハビリテーションの対象
5 地域リハビリテーションに関連する制度の概要
1.医療保険制度
2.介護保険制度
3.障害者総合支援法
4.介護保険法と障害者総合支援法の比較
5.地域リハビリテーションの理念を達成するための政策
演習課題
2章 地域における理学療法士の役割
(阿久澤直樹)
1 地域理学療法の理念と目的
2 地域での連携と多職種協働
1.多様な連携先
2.地域での多職種協働
3 地域包括ケアシステムと理学療法の役割
1.介護予防・日常生活支援総合事業
2.地域ケア会議
3.他職種から期待される理学療法士の役割
4 全世代に向けた健康増進と地域づくり
演習課題
3章 介護保険制度の理解
(小林聖美)
1 介護保険制度の基本理解
1.介護保険制度の背景
2.介護保険制度の基本理念
3.介護保険制度の仕組み
4.介護保険制度の変遷
2 リハビリテーションに関連する2024年度改定における主な変更点
3 申請からサービス利用までの流れ
4 保険給付(サービス)
5 区分支給限度額
6 介護保険制度の利用例
演習課題
4章 地域理学療法に求められる医学的対応
(平野康之)
1 疾病(障害)像の変遷とリスク管理の重要性
2 地域理学療法におけるリスク管理と情報収集
1.リスク管理とは
2.リスク管理に必要な情報収集とスクリーニング
3 リスク管理に必要な評価技術と機器
1.医療面接
2.フィジカルアセスメント
3.在宅でも活用できるリスク管理の機器
4 地域理学療法の実践において知っておくべき医療処置
1.気管吸引
2.在宅酸素療法
3.緊急対応
4.感染対応
5 地域理学療法におけるリスク管理の実践的活用
【リスクの層別化と運動実施の可否判断】
演習課題
5章 地域理学療法評価と個別アプローチ
(尾川達也,石垣智也)
1 地域理学療法評価の考え方
1.評価の種類
2.地域理学療法におけるアセスメントの特徴
3.地域理学療法におけるアウトカムの特徴
2 地域で推奨される理学療法評価
1.標準化されたアウトカム指標
2.環境的制約を受けやすい評価への対策
3 地域理学療法に求められる個別支援
1.個別支援とは
2.自立支援のためのセルフマネジメント
3.セルフマネジメントを支援するポイント─自己効力感─
4 家族等への指導・支援
1.家族等への指導・支援が重要な理由
2.家族が支援するセルフマネジメント
3.家族の介護負担感への指導・支援
5 QOLに対する視点
1.QOLに対する個別支援でキュアとケアの視点を併せもつ重要性
2.QOLを構成する要因と社会的ケア関連QOL
演習課題
6章 訪問・通所での理学療法
(大沼 剛,林 悠太)
訪問
1 訪問サービスの特徴
【訪問リハビリテーションサービスを提供する事業所における制度】
2 訪問サービスの対象者
【訪問リハビリテーションサービスを提供する事業所における主な対象者】
3 訪問理学療法士の役割
1.病院と在宅の違い
2.訪問リハビリテーションの実施内容
3.訪問リハビリテーションにおけるリスク管理
4.訪問理学療法における注意点
4 訪問理学療法の実際例
1.訪問リハビリテーションの1日の流れ
2.訪問リハビリテーションにおける自主練習メニューの提示
通所
1 通所サービスの特徴
1.通所リハビリテーションとは
2.通所介護とは
3.通所リハビリテーションと通所介護の比較
2 サービスの対象者
1.通所リハビリテーションの対象者
2.通所介護の対象者
3 理学療法士の役割
1.通所リハビリテーションにおける理学療法士の役割
2.通所介護における理学療法士の役割
3.通所リハビリテーション,通所介護どちらの理学療法士にも求められる役割
演習課題
7章 施設での理学療法
(林 悠太)
1 施設サービスの特徴
1.介護老人保健施設
2.介護医療院
3.介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
4.有料老人ホーム
5.各施設・住まいの特徴からわかること
2 各施設・住まいの対象者
1.老人保健施設の対象者
2.介護医療院の対象者
3.特別養護老人ホームの対象者
4.介護付き有料老人ホームの対象者
3 理学療法士の役割
1.各施設に共通する理学療法士の役割
2.老人保健施設に特化した理学療法士の役割
3.介護付き有料老人ホームに特化した理学療法士の役割
演習課題
8章 疾患別にみる地域理学療法 認知症
(山上徹也)
1 地域で対象となる認知症の特徴
2 地域における理学療法評価
1.認知機能
2.認知症の行動・心理症状(BPSD)
3.ADL・IADL障害
4.社会参加(周囲の人との関係性)障害
5.身体機能
3 目標設定の考え方
4 地域理学療法の実際
1.認知症者への支援
2.家族等の介護者への支援
3.地域社会における取り組み
5 地域理学療法のエビデンス
演習課題
9章 疾患別にみる地域理学療法 中枢神経疾患
(木山良二)
1 地域で対象となる中枢神経疾患の特徴
2 在宅における理学療法の考え方
3 地域における理学療法評価
1.機能レベル
2.活動・参加レベル
3.環境について
4.その他の留意点
4 目標設定の考え方
5 理学療法の実際
1.機能障害に対するアプローチ
2.活動制限に対するアプローチ
3.ADL指導
6 地域理学療法のエビデンス
演習課題
10章 疾患別にみる地域理学療法 運動器疾患
(飛山義憲)
1 地域で対象となる運動器疾患の特徴
1.変形性膝関節症,変形性股関節症
2.人工膝関節置換術後,人工股関節置換術後
3.骨粗鬆症による大腿骨近位部骨折
2 地域における理学療法評価
1.身体活動量の評価
2.疼痛の評価
3.身体機能の評価
4.転倒リスクの評価
5.栄養状態の評価
3 目標設定の考え方
1.変形性膝関節症,変形性股関節症
2.人工膝関節置換術後,人工股関節置換術後
3.骨粗鬆症による大腿骨近位部骨折術後
4 地域理学療法の実際
1.身体活動量の増加,維持
2.変形性関節症に対する疼痛軽減のための教育
3.身体機能の改善
4.転倒予防のための環境整備
5.栄養指導
演習課題
11章 疾患別にみる地域理学療法 呼吸器・循環器疾患
(柳田ョ英,神津 玲,内山 覚)
呼吸器疾患
1 地域で対象となる呼吸器疾患の特徴
1.COPDとは
2.COPDの特徴
2 地域におけるCOPDの理学療法評価
3 目標設定の考え方
4 地域理学療法の実際
1.COPD
2.肺炎
5 地域理学療法のエビデンス
循環器疾患
1 地域で対象となる循環器疾患の特徴
【心不全の分類】
2 地域における理学療法評価
3 目標設定の考え方
4 地域理学療法の実際
5 地域理学療法のエビデンス
演習課題
12章 疾患別にみる地域理学療法 がん
(原 毅)
1 地域で対象となるがんの特徴
1.がん進行に伴う身体症状:がん性疼痛
2.がん進行に伴う身体症状:骨転移
3.がん進行に伴う身体症状:がん悪液質
2 地域における理学療法評価
1.フィジカルアセスメント
2.生活状況の確認
3 目標設定の考え方
4 地域理学療法の実際
1.離床時のポジショニング
2.起居動作
5 地域理学療法のエビデンス
演習課題
13章 小児領域の地域理学療法
(楠本泰士)
1 在宅,障害児通所支援分野で対象となる小児疾患の特徴
1.脳性麻痺
2.低出生体重児
3.超重症児,高度医療依存児
2 地域における理学療法評価
3 目標設定の考え方
4 地域理学療法の実際
1.全体として考慮する点
2.重症児で考慮する点
3.制度を活用した具体例
5 地域理学療法のエビデンス
演習課題
14章 介護予防と健康増進
(井平 光,松崎由里子)
1 予防の理解と介護予防の位置づけ
1.予防(一次〜三次)の理解
2.介護予防における一次〜三次予防
3.重症化予防
4.ハイリスクアプローチとポピュレーションアプローチ
2 フレイル,サルコペニア,廃用症候群の予防
1.フレイル
2.サルコペニア
3.廃用症候群
4.フレイル,サルコペニア,廃用症候群の予防
3 生活状況と社会参加支援
4 健康維持,健康増進
1.地域における取り組み
2.理学療法士の役割
3.介護予防事業継続へのキーポイント
演習課題
15章 生活環境整備
(西條富美代)
1 代表的な福祉用具と導入の手順
1.介護保険法による福祉用具
2.障害者総合支援法による福祉用具
3.福祉用具支給制度の選択
2 自立生活支援機器
1.障害者自立支援機器等開発促進事業
2.環境制御装置(ECS)
3.コミュニケーション支援機器
3 社会環境整備
4 住環境整備,家屋改造
1.住まいの基本要件
2.環境整備の手順
3.住宅改修に対する支援制度
4.住宅改修の具体的方法
5.疾患と住宅改修の特徴
5 IT,ICTの導入
演習課題
Column
産業保健と理学療法(松垣竜太郎)
災害時の支援(三宮克彦)
代謝障害の理解(河野健一)
スポーツ・レクリエーション用具の活用(松田史代)
行動変容的アプローチ(水本 淳)
地域理学療法学の事例研究(石垣智也)
付録 令和6年版理学療法士国家試験出題基準対応表
索引














