第2版の序文
本書初版は書名が表しているとおり,言語聴覚士のための標準的なディサースリアの教科書を完成させることを目的として2007年に出版された.標準的な教科書として今日学際的に認められるには,少なくとも以下の3つの条件を満たしていなくてはならないであろう.1)国際的動向に準拠していること,2)エビデンスに依拠していること(科学的で客観的な態度で著されていること),3)初学者にも理解しやすく解説されていること,である.
幸いにして本書は好評を博し,多くの言語聴覚士養成校で教科書として採用され,2021年には15刷を発行するに至った.また,現任の言語聴覚士にも臨床上欠かせない書籍として迎え受けられた.「ディサースリアの基礎理論が難しくて苦手意識を拭いきれない」というのは,かつては非常によく耳にしたものであり,本書の第1〜5章で簡明に解説したことでディサースリアの適切な基礎理解が普及した.
まず,初版が出版された当時を振り返り,いかにして上述の3つの条件を満たしたかについて触れてみよう.
ディサースリアの歴史は,「診断の時代」,「治療の時代」,「EBMに基づく臨床方針決定の時代」の3期に区分される(Yorkstonら,1999).第一期である「診断の時代」は,1969年に発表された古典的なDarleyらによるメイヨー・クリニックの報告をもって完結し,1970年代に全盛期を迎えた.1980年代の「治療の時代」に入ると,ディサースリアの評価ならびに治療技術が進展し,一連の手法が開発された.こうした時代を経て,エビデンスに基づいて臨床方針を決定する今日の「EBMの時代」に入っている.
今日の「EBMの時代」の中心的役割を担っているのは,Academy of Neurologic CommunicationDisorders and Sciences(ANCDS)である.ANCDSは,コミュニケーション障害のある成人ならびに小児のQOLの向上を目的として,1983年に設立された高度に科学的な学術組織である.今日に至るまで,コミュニケーション障害の領域におけるエビデンスに基づいた臨床の発展に関して,国際的に指導的役割を果たしてきた.ディサースリアの領域においても,YorkstonやDuffyらが中心となって積極的にEBMを推進し,臨床ガイドラインの作成に取り組んできた.
ところが,国内におけるディサースリアの領域では,Darleyらが築いた「診断の時代」でその歩みが滞ってしまった.著者はかつてこれを,「空白の25年間」と呼んでいた.学会でシンポジウムのテーマとしてディサースリアが取り上げられることがあっても,時代錯誤で退屈な論議が展開している様を端からながめるしかなかった.半世紀前の欧米がそうであったように,dysarthriaがなおも「構音障害」として呼ばれ続ける国内の学際的情勢が,その遅滞ぶりを,その無理解を如実に反映していた.当時普及していた訓練も「口腔体操」のような,単に国際的情勢から遠く離れているばかりでなく,運動生理学的理論からかけ離れた空しいものであった.欧米で1980年代の「治療の時代」以降に開発された一連のアプローチは名前さえ知られていなかった.まさしく,国内におけるディサースリアの領域では,国際的情勢から取り残されていた.
本書初版は,こうした閉塞的な国内のディサースリアの領域に新たな道を切り開く役割を果たした.1980年代の「治療の時代」に開発された一連のアプローチを幅広く紹介し,ANCDSの臨床ガイドラインに準じて国際的動向をわかりやすく紹介した.出版に際して,一連の手法を片仮名表記して日本語化した.リズミック・キューイング法,ペーシングボード,ポインティング・スピーチ,バイトブロックなど,筆者が作った造語は,言語聴覚士国家試験にも出題され,広く普及するに至った.また,筆者らが蓄積してきた科学的エビデンスもある程度満足できる程度にまで達し,言語治療成績を検討する段にまで辿りつき,基礎データと臨床データを体系的に整理して扱う局面を迎えていたのでここで紹介した.こうして「空白の25年間」を乗り越えることができたのは幸いであった.
そして,初版出版から15年を経て,ここに改訂版を出版するに至った.改訂版では,初版を出版して以来15年の間に内外で提示された新たな重要な知見について丁寧に加筆して解説した.その結果,第8章の「ディサースリアの言語治療テクニック」は大幅な改訂となった.この点については,現任の言語聴覚士の方々の臨床に役立ててほしいと願う.
また,この期間の国内における最も大きな進展の一つは,「高齢者の発話と嚥下の運動機能向上プログラム(MTPSSE)」が約10年の歳月を費やして2021年に完成したことである.ディサースリアの治療手技を包括的に体系化し,規格化したプログラムは内外においてほかに例がない.先に「空白の25年間」を乗り越えることができたと記したが,実際には言語聴覚士間の温度差が大きくなり,臨床家により提供する音声言語治療サービスの内容の格差が広がっているように感じる.MTPSSEはディサースリアのあるクライアントが日本のどこの施設を訪れても均質でベストなリハビリテーションを受けることができるために規格化されたものであり,ディサースリアのリハビリテーションの悲願ともいえるものである.
MTPSSEの完成をもって,国内のディサースリアの臨床技術は欧米を凌駕する水準に達したといっても過言ではない.本書改訂版では,このMTPSSEの手技を運動生理学的エビデンスに基づいた臨床テクニックとして紹介している.初版が主に海外の臨床技術を紹介するという点に終始しているのと比較して,改訂版ではこのように国内で開発された臨床技術をも紹介できる段に達したのは,国内の臨床技術の独自性の醸成を示唆するものであり,誠に喜ばしい限りである.
改訂版のもう一つの特徴は,本書に完全対応したワークブックと一緒に出版する運びとなったということである.テキストとワークブックはすべての章と節が整合性をもって構成されているため,テキストで学びつつワークブックで知識を確認したり補足したりするのに最適である.たとえば,90分の授業を受けるさいに,最後の10分間をワークブックで知識の確認をするというのはその一案である.もちろん,授業の後でも構わない.あるいは,授業の最初の10分で,ワークブックを用いて前回の授業内容の知識の確認を行うというのも一案である.
テキストとワークブックをセットで活用することを推奨する.その相乗的学習効果はテキスト単体での活用と比較してかなり大きいものと推される.
2022年9月
西尾正輝
本書初版は書名が表しているとおり,言語聴覚士のための標準的なディサースリアの教科書を完成させることを目的として2007年に出版された.標準的な教科書として今日学際的に認められるには,少なくとも以下の3つの条件を満たしていなくてはならないであろう.1)国際的動向に準拠していること,2)エビデンスに依拠していること(科学的で客観的な態度で著されていること),3)初学者にも理解しやすく解説されていること,である.
幸いにして本書は好評を博し,多くの言語聴覚士養成校で教科書として採用され,2021年には15刷を発行するに至った.また,現任の言語聴覚士にも臨床上欠かせない書籍として迎え受けられた.「ディサースリアの基礎理論が難しくて苦手意識を拭いきれない」というのは,かつては非常によく耳にしたものであり,本書の第1〜5章で簡明に解説したことでディサースリアの適切な基礎理解が普及した.
まず,初版が出版された当時を振り返り,いかにして上述の3つの条件を満たしたかについて触れてみよう.
ディサースリアの歴史は,「診断の時代」,「治療の時代」,「EBMに基づく臨床方針決定の時代」の3期に区分される(Yorkstonら,1999).第一期である「診断の時代」は,1969年に発表された古典的なDarleyらによるメイヨー・クリニックの報告をもって完結し,1970年代に全盛期を迎えた.1980年代の「治療の時代」に入ると,ディサースリアの評価ならびに治療技術が進展し,一連の手法が開発された.こうした時代を経て,エビデンスに基づいて臨床方針を決定する今日の「EBMの時代」に入っている.
今日の「EBMの時代」の中心的役割を担っているのは,Academy of Neurologic CommunicationDisorders and Sciences(ANCDS)である.ANCDSは,コミュニケーション障害のある成人ならびに小児のQOLの向上を目的として,1983年に設立された高度に科学的な学術組織である.今日に至るまで,コミュニケーション障害の領域におけるエビデンスに基づいた臨床の発展に関して,国際的に指導的役割を果たしてきた.ディサースリアの領域においても,YorkstonやDuffyらが中心となって積極的にEBMを推進し,臨床ガイドラインの作成に取り組んできた.
ところが,国内におけるディサースリアの領域では,Darleyらが築いた「診断の時代」でその歩みが滞ってしまった.著者はかつてこれを,「空白の25年間」と呼んでいた.学会でシンポジウムのテーマとしてディサースリアが取り上げられることがあっても,時代錯誤で退屈な論議が展開している様を端からながめるしかなかった.半世紀前の欧米がそうであったように,dysarthriaがなおも「構音障害」として呼ばれ続ける国内の学際的情勢が,その遅滞ぶりを,その無理解を如実に反映していた.当時普及していた訓練も「口腔体操」のような,単に国際的情勢から遠く離れているばかりでなく,運動生理学的理論からかけ離れた空しいものであった.欧米で1980年代の「治療の時代」以降に開発された一連のアプローチは名前さえ知られていなかった.まさしく,国内におけるディサースリアの領域では,国際的情勢から取り残されていた.
本書初版は,こうした閉塞的な国内のディサースリアの領域に新たな道を切り開く役割を果たした.1980年代の「治療の時代」に開発された一連のアプローチを幅広く紹介し,ANCDSの臨床ガイドラインに準じて国際的動向をわかりやすく紹介した.出版に際して,一連の手法を片仮名表記して日本語化した.リズミック・キューイング法,ペーシングボード,ポインティング・スピーチ,バイトブロックなど,筆者が作った造語は,言語聴覚士国家試験にも出題され,広く普及するに至った.また,筆者らが蓄積してきた科学的エビデンスもある程度満足できる程度にまで達し,言語治療成績を検討する段にまで辿りつき,基礎データと臨床データを体系的に整理して扱う局面を迎えていたのでここで紹介した.こうして「空白の25年間」を乗り越えることができたのは幸いであった.
そして,初版出版から15年を経て,ここに改訂版を出版するに至った.改訂版では,初版を出版して以来15年の間に内外で提示された新たな重要な知見について丁寧に加筆して解説した.その結果,第8章の「ディサースリアの言語治療テクニック」は大幅な改訂となった.この点については,現任の言語聴覚士の方々の臨床に役立ててほしいと願う.
また,この期間の国内における最も大きな進展の一つは,「高齢者の発話と嚥下の運動機能向上プログラム(MTPSSE)」が約10年の歳月を費やして2021年に完成したことである.ディサースリアの治療手技を包括的に体系化し,規格化したプログラムは内外においてほかに例がない.先に「空白の25年間」を乗り越えることができたと記したが,実際には言語聴覚士間の温度差が大きくなり,臨床家により提供する音声言語治療サービスの内容の格差が広がっているように感じる.MTPSSEはディサースリアのあるクライアントが日本のどこの施設を訪れても均質でベストなリハビリテーションを受けることができるために規格化されたものであり,ディサースリアのリハビリテーションの悲願ともいえるものである.
MTPSSEの完成をもって,国内のディサースリアの臨床技術は欧米を凌駕する水準に達したといっても過言ではない.本書改訂版では,このMTPSSEの手技を運動生理学的エビデンスに基づいた臨床テクニックとして紹介している.初版が主に海外の臨床技術を紹介するという点に終始しているのと比較して,改訂版ではこのように国内で開発された臨床技術をも紹介できる段に達したのは,国内の臨床技術の独自性の醸成を示唆するものであり,誠に喜ばしい限りである.
改訂版のもう一つの特徴は,本書に完全対応したワークブックと一緒に出版する運びとなったということである.テキストとワークブックはすべての章と節が整合性をもって構成されているため,テキストで学びつつワークブックで知識を確認したり補足したりするのに最適である.たとえば,90分の授業を受けるさいに,最後の10分間をワークブックで知識の確認をするというのはその一案である.もちろん,授業の後でも構わない.あるいは,授業の最初の10分で,ワークブックを用いて前回の授業内容の知識の確認を行うというのも一案である.
テキストとワークブックをセットで活用することを推奨する.その相乗的学習効果はテキスト単体での活用と比較してかなり大きいものと推される.
2022年9月
西尾正輝
第2版の序文
第1章 ディサースリアとは何か
1 コミュニケーション障害とディサースリア
2 ディサースリアの定義
3 ディサースリアの用語について
4 ディサースリアの障害構造
5 臨床的プロフィールの特徴
文献
第2章 ディサースリアの基礎理解
1 発症時の年齢
2 発現率と患者数
1│発現率
2│患者数
3 タイプ分類
4 原因疾患
5 運動系における障害される部位
6 発声発語器官の運動機能障害
1│運動麻痺
2│筋力低下
3│痙性
4│弛緩性
5│運動失調症
6│筋強剛(筋固縮)
7│不随意運動
8│筋萎縮
7 聴覚的な発話特徴
1│呼吸・発声機能
2│鼻咽腔閉鎖機能
3│口腔構音機能
4│プロソディー機能
5│その他
8 臨床経過
9 社会復帰状況
文献
第3章 運動系の基礎理解
1 運動系の概要
2 錐体路系
3 錐体外路系
4 小脳系
5 下位運動ニューロン
6 筋(骨)系
文献
第4章 運動系の障害
1 錐体路系の障害
2 錐体外路系の障害
1│運動低下
2│運動過多
3 小脳系の障害
1│脊髄小脳変性症
2│多系統萎縮症
4 下位運動ニューロンの障害
1│ギラン・バレー症候群
2│重症筋無力症
5 筋の障害
1│筋ジストロフィー
2│多発性筋炎,皮膚筋炎
6 脊髄損傷
文献
第5章 タイプごとの病態特徴と重症度
1 弛緩性ディサースリア
1│運動系の損傷部位
2│原因疾患
3│発声発語器官の運動機能障害
4│聴覚的な発話特徴と重症度
2 痙性ディサースリア
1│運動系の損傷部位
2│原因疾患
3│発声発語器官の運動機能障害
4│聴覚的な発話特徴と重症度
3 失調性ディサースリア
1│運動系の損傷部位
2│原因疾患
3│発声発語器官の運動機能障害
4│聴覚的な発話特徴と重症度
4 運動低下性ディサースリア
1│運動系の損傷部位
2│原因疾患
3│発声発語器官の運動機能障害
4│聴覚的な発話特徴と重症度
5 運動過多性ディサースリア
1│運動系の損傷部位
2│原因疾患
3│発声発語器官の運動機能障害
4│聴覚的な発話特徴と重症度
6 UUMNディサースリア
1│運動系の損傷部位
2│原因疾患
3│発声発語器官の運動機能障害
4│聴覚的な発話特徴と重症度
7 混合性ディサースリア
[筋萎縮性側索硬化症(ALS)]
1│運動系の損傷部位
2│発声発語器官の運動機能障害
3│聴覚的な発話特徴と重症度
[多発性硬化症(MS)]
1│運動系の損傷部位
2│発声発語器官の運動機能障害
3│聴覚的な発話特徴と重症度
[ウィルソン病(WD)]
1│運動系の損傷部位
2│発声発語器官の運動機能障害
3│聴覚的な発話特徴
8 タイプ間の発話の重症度の比較
9 ディサースリアと嚥下障害の新たな臨床スタイル
1│ディサースリアと嚥下障害の合併率
2│系統発生学的にみた発話と嚥下の軌跡
文献
第6章 ディサースリアの評価
1 臨床の流れ
1│入院から退院までの臨床の流れ
2│病期別にみたリハビリテーションの流れ
2 ディサースリアにおける評価と検査
3 言語病理学的鑑別診断
1│失語症との鑑別診断の仕方
2│発語失行との鑑別診断の仕方
4 ディサースリアの臨床で行う標準的検査の概要
1│一般的情報の収集
2│発話の検査
3│発声発語器官検査
5 標準ディサースリア検査結果の解釈の仕方
1│呼吸機能
2│発声機能
3│鼻咽腔閉鎖機能
4│口腔構音機能
6 関連スタッフから得る情報
1│医師・歯科医師からの情報
2│看護師からの情報
3│医療ソーシャルワーカー(MSW)からの情報
4│理学療法士(PT)・作業療法士(OT)からの情報
5│管理栄養士からの情報
7 国際生活機能分類(ICF)に基づいたディサースリアの評価
1│ICF
2│ICFに基づいたディサースリアの評価
3│ディサースリアにおけるICFの言語治療への応用
8 検査結果のまとめ方
文献
第7章 ディサースリアの言語治療に必要な基礎知識
1 治療アプローチの分類
1│行動的アプローチ
2│機器的アプローチ
3│補装的アプローチ
4│拡大・代替コミュニケーション(AAC)・アプローチ
5│外科的アプローチ
6│薬理学的アプローチ
2 言語治療目標
3 運動療法的アプローチの基本
1│運動の種類
2│レジスタンス運動
4 タイプごとの言語治療ガイドライン
1│脳血管障害に伴う弛緩性ディサースリア
2│脳血管障害に伴う痙性ディサースリア
3│脊髄小脳変性症などに伴う失調性ディサースリア
4│パーキンソン病などに伴う運動低下性ディサースリア
5│脳血管障害に伴うUUMNディサースリア
6│筋萎縮性側索硬化症に伴う混合性ディサースリア
7│頭部外傷に伴うディサースリア
5 ディサースリアの治療におけるMTPSSEの活用
1│MTPSSEの運用システム
2│MTPSSEの構成
3│MTPSSEにおけるメイントレーニングの目的
4│発話障害と嚥下障害に対するハイブリッド・アプローチとしてのMTPSSE
6 脳卒中後の中枢神経系の再組織化とリハビリテーション
7 運動生理学的理論
1│過負荷の原理
2│特異性の原理
8 誤った言語治療
文献
第8章 ディサースリアの言語治療テクニック
1 呼吸機能へのアプローチ
1│姿勢の調整
2│脊柱・胸郭の関節可動域訓練
3│呼吸筋のレジスタンス運動
4│補装的アプローチ(腹帯の活用)
5│胸腹部の圧迫
6│リスク管理
2 発声機能へのアプローチ
1│声のハンディキャップ指数(Voice Handicap Index:VHI)
2│声帯内転訓練
3│あくび-ため息法
4│リー・シルバーマンの音声治療(Lee Silverman Voice Treatment:LSVT LOUD)
5│Vocal Function Exercises(VFEs)
6│SPEAK OUT !
7│ストロー(チューブ)発声持続運動
8│バイオフィードバック法
9│痙攣性発声障害に伴う運動過多性ディサースリアに対するアプローチ
10│拡声器の活用
11│電気式人工喉頭(EL)の活用
12│代替音声ソフトウェア
13│発話改善装置の活用
14│有声-無声の調節訓練
3 鼻咽腔閉鎖機能へのアプローチ
1│持続的陽圧呼吸療法(CPAP療法)
2│バイオフィードバック法
3│その他の行動的アプローチ
4│軟口蓋挙上装置(PLP)の活用
5│鼻孔スピーキングバルブ(鼻孔弁)の活用
4 口腔構音機能へのアプローチ
1│舌の機能的訓練
2│口唇の機能的訓練
3│下顎の機能的訓練
4│構音訓練
5 発話速度の調節法
1│概説
2│ペーシングボード
3│タッピング法とモーラ指折り法
4│ポインティング・スピーチ
5│発話速度変換ソフトウェア
6│フレージング法
7│リズミック・キューイング法
8│遅延聴覚フィードバック(delayed auditory feedback:DAF)法
9│視覚的フィードバック法
6 拡大・代替コミュニケーション・アプローチ
1│概説
2│ジェスチャー
3│筆談
4│絵,シンボル,文字板,透明文字板,日用用語集を用いたコミュニケーション・ノートなど
5│VOCA(voice output communication aids:音声出力コミュニケーション・エイド),携帯用会話補助装置,携帯用会話補助アプリケーション
6│意思伝達装置と関連機器およびソフトウェア
7│重度ディサースリア例とのコミュニケーションの効果を高めるための技法
文献
和文索引
欧文索引
第1章 ディサースリアとは何か
1 コミュニケーション障害とディサースリア
2 ディサースリアの定義
3 ディサースリアの用語について
4 ディサースリアの障害構造
5 臨床的プロフィールの特徴
文献
第2章 ディサースリアの基礎理解
1 発症時の年齢
2 発現率と患者数
1│発現率
2│患者数
3 タイプ分類
4 原因疾患
5 運動系における障害される部位
6 発声発語器官の運動機能障害
1│運動麻痺
2│筋力低下
3│痙性
4│弛緩性
5│運動失調症
6│筋強剛(筋固縮)
7│不随意運動
8│筋萎縮
7 聴覚的な発話特徴
1│呼吸・発声機能
2│鼻咽腔閉鎖機能
3│口腔構音機能
4│プロソディー機能
5│その他
8 臨床経過
9 社会復帰状況
文献
第3章 運動系の基礎理解
1 運動系の概要
2 錐体路系
3 錐体外路系
4 小脳系
5 下位運動ニューロン
6 筋(骨)系
文献
第4章 運動系の障害
1 錐体路系の障害
2 錐体外路系の障害
1│運動低下
2│運動過多
3 小脳系の障害
1│脊髄小脳変性症
2│多系統萎縮症
4 下位運動ニューロンの障害
1│ギラン・バレー症候群
2│重症筋無力症
5 筋の障害
1│筋ジストロフィー
2│多発性筋炎,皮膚筋炎
6 脊髄損傷
文献
第5章 タイプごとの病態特徴と重症度
1 弛緩性ディサースリア
1│運動系の損傷部位
2│原因疾患
3│発声発語器官の運動機能障害
4│聴覚的な発話特徴と重症度
2 痙性ディサースリア
1│運動系の損傷部位
2│原因疾患
3│発声発語器官の運動機能障害
4│聴覚的な発話特徴と重症度
3 失調性ディサースリア
1│運動系の損傷部位
2│原因疾患
3│発声発語器官の運動機能障害
4│聴覚的な発話特徴と重症度
4 運動低下性ディサースリア
1│運動系の損傷部位
2│原因疾患
3│発声発語器官の運動機能障害
4│聴覚的な発話特徴と重症度
5 運動過多性ディサースリア
1│運動系の損傷部位
2│原因疾患
3│発声発語器官の運動機能障害
4│聴覚的な発話特徴と重症度
6 UUMNディサースリア
1│運動系の損傷部位
2│原因疾患
3│発声発語器官の運動機能障害
4│聴覚的な発話特徴と重症度
7 混合性ディサースリア
[筋萎縮性側索硬化症(ALS)]
1│運動系の損傷部位
2│発声発語器官の運動機能障害
3│聴覚的な発話特徴と重症度
[多発性硬化症(MS)]
1│運動系の損傷部位
2│発声発語器官の運動機能障害
3│聴覚的な発話特徴と重症度
[ウィルソン病(WD)]
1│運動系の損傷部位
2│発声発語器官の運動機能障害
3│聴覚的な発話特徴
8 タイプ間の発話の重症度の比較
9 ディサースリアと嚥下障害の新たな臨床スタイル
1│ディサースリアと嚥下障害の合併率
2│系統発生学的にみた発話と嚥下の軌跡
文献
第6章 ディサースリアの評価
1 臨床の流れ
1│入院から退院までの臨床の流れ
2│病期別にみたリハビリテーションの流れ
2 ディサースリアにおける評価と検査
3 言語病理学的鑑別診断
1│失語症との鑑別診断の仕方
2│発語失行との鑑別診断の仕方
4 ディサースリアの臨床で行う標準的検査の概要
1│一般的情報の収集
2│発話の検査
3│発声発語器官検査
5 標準ディサースリア検査結果の解釈の仕方
1│呼吸機能
2│発声機能
3│鼻咽腔閉鎖機能
4│口腔構音機能
6 関連スタッフから得る情報
1│医師・歯科医師からの情報
2│看護師からの情報
3│医療ソーシャルワーカー(MSW)からの情報
4│理学療法士(PT)・作業療法士(OT)からの情報
5│管理栄養士からの情報
7 国際生活機能分類(ICF)に基づいたディサースリアの評価
1│ICF
2│ICFに基づいたディサースリアの評価
3│ディサースリアにおけるICFの言語治療への応用
8 検査結果のまとめ方
文献
第7章 ディサースリアの言語治療に必要な基礎知識
1 治療アプローチの分類
1│行動的アプローチ
2│機器的アプローチ
3│補装的アプローチ
4│拡大・代替コミュニケーション(AAC)・アプローチ
5│外科的アプローチ
6│薬理学的アプローチ
2 言語治療目標
3 運動療法的アプローチの基本
1│運動の種類
2│レジスタンス運動
4 タイプごとの言語治療ガイドライン
1│脳血管障害に伴う弛緩性ディサースリア
2│脳血管障害に伴う痙性ディサースリア
3│脊髄小脳変性症などに伴う失調性ディサースリア
4│パーキンソン病などに伴う運動低下性ディサースリア
5│脳血管障害に伴うUUMNディサースリア
6│筋萎縮性側索硬化症に伴う混合性ディサースリア
7│頭部外傷に伴うディサースリア
5 ディサースリアの治療におけるMTPSSEの活用
1│MTPSSEの運用システム
2│MTPSSEの構成
3│MTPSSEにおけるメイントレーニングの目的
4│発話障害と嚥下障害に対するハイブリッド・アプローチとしてのMTPSSE
6 脳卒中後の中枢神経系の再組織化とリハビリテーション
7 運動生理学的理論
1│過負荷の原理
2│特異性の原理
8 誤った言語治療
文献
第8章 ディサースリアの言語治療テクニック
1 呼吸機能へのアプローチ
1│姿勢の調整
2│脊柱・胸郭の関節可動域訓練
3│呼吸筋のレジスタンス運動
4│補装的アプローチ(腹帯の活用)
5│胸腹部の圧迫
6│リスク管理
2 発声機能へのアプローチ
1│声のハンディキャップ指数(Voice Handicap Index:VHI)
2│声帯内転訓練
3│あくび-ため息法
4│リー・シルバーマンの音声治療(Lee Silverman Voice Treatment:LSVT LOUD)
5│Vocal Function Exercises(VFEs)
6│SPEAK OUT !
7│ストロー(チューブ)発声持続運動
8│バイオフィードバック法
9│痙攣性発声障害に伴う運動過多性ディサースリアに対するアプローチ
10│拡声器の活用
11│電気式人工喉頭(EL)の活用
12│代替音声ソフトウェア
13│発話改善装置の活用
14│有声-無声の調節訓練
3 鼻咽腔閉鎖機能へのアプローチ
1│持続的陽圧呼吸療法(CPAP療法)
2│バイオフィードバック法
3│その他の行動的アプローチ
4│軟口蓋挙上装置(PLP)の活用
5│鼻孔スピーキングバルブ(鼻孔弁)の活用
4 口腔構音機能へのアプローチ
1│舌の機能的訓練
2│口唇の機能的訓練
3│下顎の機能的訓練
4│構音訓練
5 発話速度の調節法
1│概説
2│ペーシングボード
3│タッピング法とモーラ指折り法
4│ポインティング・スピーチ
5│発話速度変換ソフトウェア
6│フレージング法
7│リズミック・キューイング法
8│遅延聴覚フィードバック(delayed auditory feedback:DAF)法
9│視覚的フィードバック法
6 拡大・代替コミュニケーション・アプローチ
1│概説
2│ジェスチャー
3│筆談
4│絵,シンボル,文字板,透明文字板,日用用語集を用いたコミュニケーション・ノートなど
5│VOCA(voice output communication aids:音声出力コミュニケーション・エイド),携帯用会話補助装置,携帯用会話補助アプリケーション
6│意思伝達装置と関連機器およびソフトウェア
7│重度ディサースリア例とのコミュニケーションの効果を高めるための技法
文献
和文索引
欧文索引