はじめに
この本は感染管理の実践者から医療の現場で働く実践者に向けたものです.
現場で働く看護師をはじめ,多職種の実践者が手に取り不安や疑問を解決し安全で安心な医療を実践できる手助けになるようにという願いから書かれています.
Part1は,患者が主役で,外来受診から入院,退院,在宅へ向かう一連の経過を想定し,それぞれの段階でどのような感染対策が必要になるのかという視点で書かれています.
Part2は,職員を対象とした感染対策教育の具体の紹介です.すぐに参考になるツールが見つかるのではないでしょうか.私たちはたった一人が原因で,アウトブレイクに発展することを経験して知っています.それを防止するためには,施設で働くすべての職員が日頃より適切な知識に裏付けられた感染防止行動を実践できることが大切です.特に感染対策上,職員教育は重要な位置を占めます.
Part3は,組織の中でどのように感染対策を実践していくかという視点で書かれたものです.感染対策は部署や職種に限定していては有効ではなく,チーム医療として院内横断的に活動することで成果を得ることができます.
付録として,現場で役立つ情報が探せるリンク集とガイドラインをつけました.
また全編を通じて現場で生じる数多くの問題事例をあげ,Q&A方式で答えています.
実は医歯薬出版さんから本の編集,出版のお話を頂いてから様々な状況により完成できず,執筆開始してから現在まで4年以上がたちました.その間に医療情勢は目まぐるしく変化し続け,私たちは現場で日々発生する課題に取り組まなければならず,また感染対策に関する情報も次々に更新されました.今さら出版というのは内容が古くなってしまってはいないかと悩み,必要とされる確かな感染対策の知識と技術を提供するためには再度全体を見直す必要が生じました.
そこへ「完璧といえなくともまず出版しましょう.本を育ててください」という編集者の一言に,私たちは感染管理の実践者を育てることができているのだろうかと,はっとさせられました.
あふれる情報の洪水に浸され知識や情報に操られるのではなく,情報を選択し,自施設の問題を捉え,全体を見渡して感染管理を実践するためのヒントを得ることのできるような本があったらどんなに役にたつだろうか,そんな本作りを目指したい,その過程で私たちも共に成長していけたらどんなによいだろうかと考えます.
臨床の現場からの声を表現する機会を与えてくださり,支え続けてくださった医歯薬出版株式会社の担当者の皆様に心より感謝いたします.
2012年5月 内田美保
この本は感染管理の実践者から医療の現場で働く実践者に向けたものです.
現場で働く看護師をはじめ,多職種の実践者が手に取り不安や疑問を解決し安全で安心な医療を実践できる手助けになるようにという願いから書かれています.
Part1は,患者が主役で,外来受診から入院,退院,在宅へ向かう一連の経過を想定し,それぞれの段階でどのような感染対策が必要になるのかという視点で書かれています.
Part2は,職員を対象とした感染対策教育の具体の紹介です.すぐに参考になるツールが見つかるのではないでしょうか.私たちはたった一人が原因で,アウトブレイクに発展することを経験して知っています.それを防止するためには,施設で働くすべての職員が日頃より適切な知識に裏付けられた感染防止行動を実践できることが大切です.特に感染対策上,職員教育は重要な位置を占めます.
Part3は,組織の中でどのように感染対策を実践していくかという視点で書かれたものです.感染対策は部署や職種に限定していては有効ではなく,チーム医療として院内横断的に活動することで成果を得ることができます.
付録として,現場で役立つ情報が探せるリンク集とガイドラインをつけました.
また全編を通じて現場で生じる数多くの問題事例をあげ,Q&A方式で答えています.
実は医歯薬出版さんから本の編集,出版のお話を頂いてから様々な状況により完成できず,執筆開始してから現在まで4年以上がたちました.その間に医療情勢は目まぐるしく変化し続け,私たちは現場で日々発生する課題に取り組まなければならず,また感染対策に関する情報も次々に更新されました.今さら出版というのは内容が古くなってしまってはいないかと悩み,必要とされる確かな感染対策の知識と技術を提供するためには再度全体を見直す必要が生じました.
そこへ「完璧といえなくともまず出版しましょう.本を育ててください」という編集者の一言に,私たちは感染管理の実践者を育てることができているのだろうかと,はっとさせられました.
あふれる情報の洪水に浸され知識や情報に操られるのではなく,情報を選択し,自施設の問題を捉え,全体を見渡して感染管理を実践するためのヒントを得ることのできるような本があったらどんなに役にたつだろうか,そんな本作りを目指したい,その過程で私たちも共に成長していけたらどんなによいだろうかと考えます.
臨床の現場からの声を表現する機会を与えてくださり,支え続けてくださった医歯薬出版株式会社の担当者の皆様に心より感謝いたします.
2012年5月 内田美保
Part I 入院から退院まで
1.外来における感染対策
外来における感染対策(間平珠美・内田美保)
1)受付
2)外来診療
3)会計
ワンポイントlearning 標準予防策
ワンポイントlearning 病院における隔離予防策のためのガイドラインの歴史
2.入院中の感染対策
1 微生物検査(三澤慶樹)
1)検体の正しい採取・保存方法
尿 喀痰 糞便 血液
2)検査結果の見方
菌名は横文字 菌量は(+)プラスで表記 抗菌薬は略語で表記 MICとは カテゴリー
まとめ
ワンポイントlearning 薬剤感受性試験とは
2 感染症の治療
1 耐性菌の種類と耐性化(新谷良澄)
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA) バンコマイシン耐性腸球菌(VRE) ペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP) ベータラクタマーゼ非産生アンピシリン耐性インフルエンザ菌(BLNAR) ESBL産生菌 メタロβラクタマーゼ産生菌 多剤耐性緑膿菌 フルオロキノロン耐性菌 マクロライド耐性菌 アミノグリコシド耐性菌 多剤耐性結核菌
ワンポイントlearning 抗菌薬の開発された年と多剤耐性菌の報告
ワンポイントlearning βラクタマーゼ産生菌はなぜ問題か
ワンポイントlearning 届出が必要な感染症
2 抗菌薬の適正使用(奥川 周)
抗菌薬が必要な患者 最大限の治療効果を得る 副作用 耐性菌を防ぐ
ワンポイントlearning メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)27
3 入院中に問題となる主な感染症対策
1 肝炎ウイルス疾患(新谷良澄)
医療用器具の取り扱い 手袋,予防衣などの着用 病室 患者の検体の取り扱い 救急処置時および観血的処置時の注意 環境整備 針刺し時の対処 ワクチン接種
2 HIV感染症(加藤祐美子)
検査 日常の対策 感染経路 発生時の対策 接触者への対策(針刺し・血液曝露) 事例
3 流行性角結膜炎(盛田真弓)
検査 日常の対策 感染経路 発生時の対策 接触者への対策 事例
4 感染性胃腸炎(盛田真弓)
検査 日常の対策 感染経路 発生時の対策―ノロウイルス 接触者への対策
5 伝達性海綿状脳症(TSE)―クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)など(新谷良澄)
検査 日常の対策 感染経路 TSEの診断が確定または強く疑われる患者の処置における原則 プリオンによる汚染器具の汚染除去方法
6 帯状疱疹(加藤祐美子)
検査 日常の対策−隔離方法 感染経路 発生時の対策 接触者への対策
7 単純疱疹(加藤祐美子)
検査 日常の対策 感染経路 発生時の対策 事例
8 インフルエンザ(西川美由紀)
検査 日常の対策 感染経路 発生時の対策 接触者への対策 インフルエンザを発症した職員への対応 事例
9 結核(西川美由紀)
検査 日常の対策 感染経路 発生時の対策 接触者への対策
4 手術室(雨宮良子)
1)手術室入室の準備
患者 手術室スタッフ 環境
2)手術中の感染対策
器械出し看護師・術者 外回り看護師・麻酔医師
3)手術終了後
創部の被覆 手術室の清掃
4)その他,整備・環境
空調 物品の搬入・在庫管理
5 透析室(新谷良澄)
1)血液浄化療法における感染防止上の注意点
処置における注意点 環境整備 感染症患者への対応
6 環境管理
1)空調(藤木くに子)
空調管理を適切に行うためには 救命救急の空調 一般病室の空調 結核感染疑いの患者が発生したときの空調管理 点滴の調製
2)水・水道(藤木くに子)
手術室での手洗い水 飲料水として使う場合 シャワーヘッドの管理
3)清掃,ゾーニング(成田和彦)
病院の清掃とは 清掃と標準予防策・感染経路別予防策 ゾーニング マニュアルの作成と清掃管理
4)医療廃棄物(成田和彦)
医療廃棄物の種類と分別法(感染性廃棄物の定義) 感染性廃棄物の梱包容器 分別表の作成 医療環境の整備とゾーニング 管理状況のチェックと「排出事業者責任」
3.院内感染の監視
1 情報・状況の把握と報告(内田美保)
1)細菌検査室からの情報活用
2)感染症患者の情報把握
3)病院管理者への報告
2 医療器具関連感染症サーベイランス
1)サーベイランスの目的と準備(内田美保)
なぜサーベイランスを行うか サーベイランスを実施する前の準備 データのフィードバックと活用方法
2)サーベイランスの具体例
A 尿道留置カテーテルに由来した尿路感染症(catheter-associated urinary tract infection;CAUTI)(内田美保)
目的 期間 対象 方法 結果(例) 考察
B 血流感染サーベイランス(blood stream infection;BSI)(雨宮良子)
目的 期間 対象 方法-全体の流れ 結果(例) 考察
C 人工呼吸器関連肺炎(ventilator associated pneumonia;VAP)(加藤祐美子)
目的 方法 ポイント
D 手術部位感染サーベイランス(surgical site infection;SSI)(間平珠美)
目的 期間 対象 方法 結果 考察
4.退院に向けて
在宅における感染対策(室井洋子)
1)在宅における感染対策のポイント
2)在宅における具体的な感染対策
手指衛生 医療処置に関連する感染対象 在宅における医療廃棄物処理
Part II 感染防止のためのスタッフ教育・指導
1.感染予防の基本
手洗い・手指衛生(盛田真弓・内田美保)
1)手指衛生の目的
2)正しい手指衛生
3)手指衛生の選択
4)手指衛生のタイミング
5)定期的な観察
6)ポジティブな効果や行動変化のフィードバック
2.職業感染対策
職業感染対策
1 針刺し・切創(内田美保)
針刺し予防教育 静脈穿刺・採血時の注意点 廃棄時の注意点 発生状況の分析と傾向把握
2 小児ウイルス性疾患−麻疹,風疹,水疱,流行性耳下腺炎(間平珠美)
抗体検査とワクチン接種 抗体検査の方法
3 インフルエンザ(水内 豊)
インフルエンザ予防に対する教育・啓蒙活動 インフルエンザHAワクチン接種の目的および副反応 効果的なワクチンの接種時期およびインフルエンザ流行状況の把握 インフルエンザの施設内への持ち込み防止 職員の健康管理
4 結核(黒須一見)
施設の管理体制 職員の感染防止対策 職員の健康管理
3.洗浄・消毒・滅菌
洗浄・消毒・滅菌
1 洗浄・消毒・滅菌(雨宮良子)
概念 器材処理の基本的な考え方
ワンポイントlearning 滅菌物の有効期限はどのように考えるか
2 病棟で消毒する物品(間平珠美)
基本的な考え方 使用後器材の取り扱いルール
3 リネン・タオルの清潔(室井洋子)
汚染リネンの処理 清拭タオルの清潔は保たれているか
4.感染防止技術
1 尿道留置カテーテルの管理(内田美保)
1)CAUTIの発症経路
2)CAUTI予防に効果的な予防対策
3)尿道留置カテーテル留置の手順
留置の目的 適応 観察項目 尿道留置カテーテル挿入時の消毒手順 尿道留置カテーテルの選択 尿道留置カテーテルの固定
2 血管内留置カテーテルの管理(雨宮良子)
1)血管内留置カテーテルに関連した感染の原因
挿入時 留置中
2)血管内留置カテーテルの管理
中心静脈ラインについて 末梢カテーテルについて
3)輸液調製
3 気管挿管中の口腔ケア(高尾ゆきえ)
1)口腔機能と口腔ケア
2)気管挿管中の口腔機能と人工呼吸機器関連肺炎
3)口腔ケアの実際とポイント
体位と開口保持 ブラッシングと洗浄 口腔内の乾燥予防
4 真空管採血方法(間平珠美)
1)真空管採血の方法
必要物品 手順
5 吸引・吸入(室井洋子)
1)気管吸引時の感染予防
気管吸引の種類と特徴 開放式気管吸引の清潔操作
2)吸入器の種類と感染予防
吸入の種類と特徴 ネブライザーの洗浄と消毒
6 経腸栄養管理(水内 豊)
1)栄養管理法の選択
2)経腸栄養の利点
3)経腸栄養における合併症
4)経腸栄養における感染対策
Part III 組織で取り組む感染管理
1 ICT活動とICNの役割(内田美保)
1)医療の質の保障のために果たすチーム医療の重要性
2)ICT活動
ICTとは 主な活動内容 活動の具体例
3)感染管理看護師の役割
2 実習生,研修生を受け入れる際の留意事項(西川美由紀)
1)教育
2)病院感染から身を守る
ワクチン接種 血中ウイルス感染防止
3 看護師長が気をつける感染対策(伊藤智恵子)
1)感染拡大を防止する
入院予定患者の感染症罹患の有無の確認と入室ベッドの決定 感染対策に必要な物品の準備 看護師の受け持ち患者の考慮
2)フロア全体の体制整備
3)スタッフの教育
4 リンクナースの役割(眞柄雄樹)
1)ICTと病棟をつなぐ架け橋
2)病棟における指導的役割
3)感染は現場で起こってるんだ!
5 医療安全と感染管理(内田美保)
1)医療安全体制の必要性
2)医療安全における感染管理
3)医療の質向上のために
6 感染対策へのスタッフからのアプローチ(武内龍伸)
1)必要な情報へのアクセス
2)感染予防策を守れる環境
Appendix(付録)
1.情報収集に役立つ関連リンク(間平珠美)
2.知っておきたいガイドライン(内田美保)
3.日本における法律・ガイドラインなど(内田美保)
索引
1.外来における感染対策
外来における感染対策(間平珠美・内田美保)
1)受付
2)外来診療
3)会計
ワンポイントlearning 標準予防策
ワンポイントlearning 病院における隔離予防策のためのガイドラインの歴史
2.入院中の感染対策
1 微生物検査(三澤慶樹)
1)検体の正しい採取・保存方法
尿 喀痰 糞便 血液
2)検査結果の見方
菌名は横文字 菌量は(+)プラスで表記 抗菌薬は略語で表記 MICとは カテゴリー
まとめ
ワンポイントlearning 薬剤感受性試験とは
2 感染症の治療
1 耐性菌の種類と耐性化(新谷良澄)
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA) バンコマイシン耐性腸球菌(VRE) ペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP) ベータラクタマーゼ非産生アンピシリン耐性インフルエンザ菌(BLNAR) ESBL産生菌 メタロβラクタマーゼ産生菌 多剤耐性緑膿菌 フルオロキノロン耐性菌 マクロライド耐性菌 アミノグリコシド耐性菌 多剤耐性結核菌
ワンポイントlearning 抗菌薬の開発された年と多剤耐性菌の報告
ワンポイントlearning βラクタマーゼ産生菌はなぜ問題か
ワンポイントlearning 届出が必要な感染症
2 抗菌薬の適正使用(奥川 周)
抗菌薬が必要な患者 最大限の治療効果を得る 副作用 耐性菌を防ぐ
ワンポイントlearning メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)27
3 入院中に問題となる主な感染症対策
1 肝炎ウイルス疾患(新谷良澄)
医療用器具の取り扱い 手袋,予防衣などの着用 病室 患者の検体の取り扱い 救急処置時および観血的処置時の注意 環境整備 針刺し時の対処 ワクチン接種
2 HIV感染症(加藤祐美子)
検査 日常の対策 感染経路 発生時の対策 接触者への対策(針刺し・血液曝露) 事例
3 流行性角結膜炎(盛田真弓)
検査 日常の対策 感染経路 発生時の対策 接触者への対策 事例
4 感染性胃腸炎(盛田真弓)
検査 日常の対策 感染経路 発生時の対策―ノロウイルス 接触者への対策
5 伝達性海綿状脳症(TSE)―クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)など(新谷良澄)
検査 日常の対策 感染経路 TSEの診断が確定または強く疑われる患者の処置における原則 プリオンによる汚染器具の汚染除去方法
6 帯状疱疹(加藤祐美子)
検査 日常の対策−隔離方法 感染経路 発生時の対策 接触者への対策
7 単純疱疹(加藤祐美子)
検査 日常の対策 感染経路 発生時の対策 事例
8 インフルエンザ(西川美由紀)
検査 日常の対策 感染経路 発生時の対策 接触者への対策 インフルエンザを発症した職員への対応 事例
9 結核(西川美由紀)
検査 日常の対策 感染経路 発生時の対策 接触者への対策
4 手術室(雨宮良子)
1)手術室入室の準備
患者 手術室スタッフ 環境
2)手術中の感染対策
器械出し看護師・術者 外回り看護師・麻酔医師
3)手術終了後
創部の被覆 手術室の清掃
4)その他,整備・環境
空調 物品の搬入・在庫管理
5 透析室(新谷良澄)
1)血液浄化療法における感染防止上の注意点
処置における注意点 環境整備 感染症患者への対応
6 環境管理
1)空調(藤木くに子)
空調管理を適切に行うためには 救命救急の空調 一般病室の空調 結核感染疑いの患者が発生したときの空調管理 点滴の調製
2)水・水道(藤木くに子)
手術室での手洗い水 飲料水として使う場合 シャワーヘッドの管理
3)清掃,ゾーニング(成田和彦)
病院の清掃とは 清掃と標準予防策・感染経路別予防策 ゾーニング マニュアルの作成と清掃管理
4)医療廃棄物(成田和彦)
医療廃棄物の種類と分別法(感染性廃棄物の定義) 感染性廃棄物の梱包容器 分別表の作成 医療環境の整備とゾーニング 管理状況のチェックと「排出事業者責任」
3.院内感染の監視
1 情報・状況の把握と報告(内田美保)
1)細菌検査室からの情報活用
2)感染症患者の情報把握
3)病院管理者への報告
2 医療器具関連感染症サーベイランス
1)サーベイランスの目的と準備(内田美保)
なぜサーベイランスを行うか サーベイランスを実施する前の準備 データのフィードバックと活用方法
2)サーベイランスの具体例
A 尿道留置カテーテルに由来した尿路感染症(catheter-associated urinary tract infection;CAUTI)(内田美保)
目的 期間 対象 方法 結果(例) 考察
B 血流感染サーベイランス(blood stream infection;BSI)(雨宮良子)
目的 期間 対象 方法-全体の流れ 結果(例) 考察
C 人工呼吸器関連肺炎(ventilator associated pneumonia;VAP)(加藤祐美子)
目的 方法 ポイント
D 手術部位感染サーベイランス(surgical site infection;SSI)(間平珠美)
目的 期間 対象 方法 結果 考察
4.退院に向けて
在宅における感染対策(室井洋子)
1)在宅における感染対策のポイント
2)在宅における具体的な感染対策
手指衛生 医療処置に関連する感染対象 在宅における医療廃棄物処理
Part II 感染防止のためのスタッフ教育・指導
1.感染予防の基本
手洗い・手指衛生(盛田真弓・内田美保)
1)手指衛生の目的
2)正しい手指衛生
3)手指衛生の選択
4)手指衛生のタイミング
5)定期的な観察
6)ポジティブな効果や行動変化のフィードバック
2.職業感染対策
職業感染対策
1 針刺し・切創(内田美保)
針刺し予防教育 静脈穿刺・採血時の注意点 廃棄時の注意点 発生状況の分析と傾向把握
2 小児ウイルス性疾患−麻疹,風疹,水疱,流行性耳下腺炎(間平珠美)
抗体検査とワクチン接種 抗体検査の方法
3 インフルエンザ(水内 豊)
インフルエンザ予防に対する教育・啓蒙活動 インフルエンザHAワクチン接種の目的および副反応 効果的なワクチンの接種時期およびインフルエンザ流行状況の把握 インフルエンザの施設内への持ち込み防止 職員の健康管理
4 結核(黒須一見)
施設の管理体制 職員の感染防止対策 職員の健康管理
3.洗浄・消毒・滅菌
洗浄・消毒・滅菌
1 洗浄・消毒・滅菌(雨宮良子)
概念 器材処理の基本的な考え方
ワンポイントlearning 滅菌物の有効期限はどのように考えるか
2 病棟で消毒する物品(間平珠美)
基本的な考え方 使用後器材の取り扱いルール
3 リネン・タオルの清潔(室井洋子)
汚染リネンの処理 清拭タオルの清潔は保たれているか
4.感染防止技術
1 尿道留置カテーテルの管理(内田美保)
1)CAUTIの発症経路
2)CAUTI予防に効果的な予防対策
3)尿道留置カテーテル留置の手順
留置の目的 適応 観察項目 尿道留置カテーテル挿入時の消毒手順 尿道留置カテーテルの選択 尿道留置カテーテルの固定
2 血管内留置カテーテルの管理(雨宮良子)
1)血管内留置カテーテルに関連した感染の原因
挿入時 留置中
2)血管内留置カテーテルの管理
中心静脈ラインについて 末梢カテーテルについて
3)輸液調製
3 気管挿管中の口腔ケア(高尾ゆきえ)
1)口腔機能と口腔ケア
2)気管挿管中の口腔機能と人工呼吸機器関連肺炎
3)口腔ケアの実際とポイント
体位と開口保持 ブラッシングと洗浄 口腔内の乾燥予防
4 真空管採血方法(間平珠美)
1)真空管採血の方法
必要物品 手順
5 吸引・吸入(室井洋子)
1)気管吸引時の感染予防
気管吸引の種類と特徴 開放式気管吸引の清潔操作
2)吸入器の種類と感染予防
吸入の種類と特徴 ネブライザーの洗浄と消毒
6 経腸栄養管理(水内 豊)
1)栄養管理法の選択
2)経腸栄養の利点
3)経腸栄養における合併症
4)経腸栄養における感染対策
Part III 組織で取り組む感染管理
1 ICT活動とICNの役割(内田美保)
1)医療の質の保障のために果たすチーム医療の重要性
2)ICT活動
ICTとは 主な活動内容 活動の具体例
3)感染管理看護師の役割
2 実習生,研修生を受け入れる際の留意事項(西川美由紀)
1)教育
2)病院感染から身を守る
ワクチン接種 血中ウイルス感染防止
3 看護師長が気をつける感染対策(伊藤智恵子)
1)感染拡大を防止する
入院予定患者の感染症罹患の有無の確認と入室ベッドの決定 感染対策に必要な物品の準備 看護師の受け持ち患者の考慮
2)フロア全体の体制整備
3)スタッフの教育
4 リンクナースの役割(眞柄雄樹)
1)ICTと病棟をつなぐ架け橋
2)病棟における指導的役割
3)感染は現場で起こってるんだ!
5 医療安全と感染管理(内田美保)
1)医療安全体制の必要性
2)医療安全における感染管理
3)医療の質向上のために
6 感染対策へのスタッフからのアプローチ(武内龍伸)
1)必要な情報へのアクセス
2)感染予防策を守れる環境
Appendix(付録)
1.情報収集に役立つ関連リンク(間平珠美)
2.知っておきたいガイドライン(内田美保)
3.日本における法律・ガイドラインなど(内田美保)
索引








