序
2000年(平成12年)4月より,新しいカリキュラムのもとで新しい臨床検査技師の教育が行われることになり,大綱化によって「化学」に割り当てられる時間はまちまちとなった.「化学」は,国家試験科目に直結しないと判断されるがために軽視されがちであるが,生化学,臨床化学検査学,臨床検査総論などを学ぶための基礎であり,高校で学んだ「化学」の知識を土台としてさらに積み上げていく重要な学問である.
本書は,この目的に沿うために,化学の全分野に均一的に重点をおくということより,臨床検査技師教育の基礎科目として必要な知識を習得できるように配慮した.
“物質の構造“,“物質の状態”および“物質の変化”の各章では,物質の化学的性質についての概念を習得することを目的としているが,この部分は化学の基礎として最も重要でありながら,初学者にとって比較的難解な部分でもあり,記述をできるだけ丁寧に,平易にすることを心がけた.
“無機化合物“,“有機化合物”の章では,無機および有機化合物の性質を熟知し,専門科目を学ぶうえで,また臨床検査技師として業務を遂行するうえで,適切に対処できるような知識を習得することを目標として記述した.有機化合物に関しては,できるだけその構造式を示し,命名は英文名で慣用名と組織名を併記するよう心がけた.
最後の“実習のための基礎知識”の章では,化学実験における基本操作,実験値の正しい取扱い方などに習熟することを目標とした.無機イオンの性質や有機化合物の性質を学び,物質の定量的な取扱い方,試薬の取扱い方,実験室における事故の処理など,臨床検査技師として現場でも役立つように心がけた.
本書が臨床検査技師教育のための教科書としてより役立つものとなるように,今後とも数多くの方々からご指摘やご鞭撻をいただければ幸いである.
2005年春
著者
2000年(平成12年)4月より,新しいカリキュラムのもとで新しい臨床検査技師の教育が行われることになり,大綱化によって「化学」に割り当てられる時間はまちまちとなった.「化学」は,国家試験科目に直結しないと判断されるがために軽視されがちであるが,生化学,臨床化学検査学,臨床検査総論などを学ぶための基礎であり,高校で学んだ「化学」の知識を土台としてさらに積み上げていく重要な学問である.
本書は,この目的に沿うために,化学の全分野に均一的に重点をおくということより,臨床検査技師教育の基礎科目として必要な知識を習得できるように配慮した.
“物質の構造“,“物質の状態”および“物質の変化”の各章では,物質の化学的性質についての概念を習得することを目的としているが,この部分は化学の基礎として最も重要でありながら,初学者にとって比較的難解な部分でもあり,記述をできるだけ丁寧に,平易にすることを心がけた.
“無機化合物“,“有機化合物”の章では,無機および有機化合物の性質を熟知し,専門科目を学ぶうえで,また臨床検査技師として業務を遂行するうえで,適切に対処できるような知識を習得することを目標として記述した.有機化合物に関しては,できるだけその構造式を示し,命名は英文名で慣用名と組織名を併記するよう心がけた.
最後の“実習のための基礎知識”の章では,化学実験における基本操作,実験値の正しい取扱い方などに習熟することを目標とした.無機イオンの性質や有機化合物の性質を学び,物質の定量的な取扱い方,試薬の取扱い方,実験室における事故の処理など,臨床検査技師として現場でも役立つように心がけた.
本書が臨床検査技師教育のための教科書としてより役立つものとなるように,今後とも数多くの方々からご指摘やご鞭撻をいただければ幸いである.
2005年春
著者
第1章 物質の構造
I.原子と分子
1-元素,単体,化合物
2-原子,分子
3-化合の基本法則
4-原子量,分子量およびモルの概念
5-化学式
6-当量,原子価
7-国際単位系(SI)
II.原子の構造
1-原子模型
2-原子核の構造
3-ボーアの原子模型
4-核外電子の状態(電子が2個以上の場合)
5-核外電子の配置
6-元素の周期律
7-原子の大きさ
8-イオン化ポテンシャルと電子親和力
9-共有結合
10-共有結合の極性
11-原子間距離
12-配位結合
13-化学結合の種類
第2章 物質の状態
I.気体
1-ボイル・シャルルの法則
2-理想気体の状態式
3-ドルトンの分圧の法則
4-気体分子運動論
5-実在気体の状態式(ファンデルワールスの状態式)
II.液体
1-蒸気圧
2-蒸発熱
3-沸点
III.固体
1-結晶
IV.溶液
1-溶液の濃度
2-固体の溶解度
3-液体の溶解度
4-気体の溶解度
5-溶液の性質
V.コロイド
1-コロイド溶液の特徴
2-コロイド溶液の電気的性質
3-拡散
4-沈降
5-粘度
6-コロイド溶液,電解質
7-表面張力,界面活性剤
8-吸着
第3章 物質の変化
I.化学変化
II.化学反応の種類
1-化合・分解・置換など,反応形式による分類
2-均一反応,不均一反応
3-発熱反応,吸熱反応
4-熱化学反応,光化学反応
5-酸化還元反応
III.化学平衡
1-化学平衡
IV.電離平衡
1-水の電離,pH
2-電解質水溶液のpH
3-塩の加水分解
V.酸化還元平衡
1-電解質の活量
2-電池
3-水素電極
4-酸化還元電位
5-濃淡電池
6-pHメータ
7-ガラス電極
8-電気分解
VI.化学反応速度
1-化学反応速度
2-触媒
3-化学反応速度論
4-連鎖反応,律速段階
第4章 無機化合物
I.元素の分類
1-金属,非金属
2-典型元素,遷移元素
3-生元素(必須元素)
II.非金属の化学
1-第18族元素
2-水素
3-ハロゲン
4-酸素,窒素
5-その他の非金属元素
6-水素と非金属元素の化合物
7-非金属の酸化物
8-非金属とハロゲンの化合物
9-その他の非金属化合物
III.金属の化学
1-冶金
2-アルカリ金属,アルカリ土類金属とその化合物
3-遷移元素
IV.配位化合物
1-錯イオン
2-配位化合物の立体構造
3-キレート
V.原子核反応
1-核エネルギー
2-放射性元素
3-放射能の単位
4-原子核反応
第5章 有機化合物
I.序論
1-有機化合物を構成する元素
2-有機化合物の構造
3-有機化合物の特性
II.有機化合物の基本構造
1-脂肪族炭化水素
2-芳香族炭化水素
III.官能基
1-水酸基
2-エーテル
3-ハロゲン
4-カルボニル基
5-カルボキシル基
6-アミノ基
IV.生体化学成分
1-糖質
2-アミノ酸,タンパク質
3-脂質
4-アルカロイド
5-テルペン
6-生体色素
7-ヘモグロビン,クロロフィル
8-ビタミン
9-ホルモン
第6章 実習のための基礎知識
I.試薬溶液の調製
1-試薬の種類と扱い方
2-試薬の濃度表示法
3-高濃度溶液から必要濃度溶液の調製法
4-溶液調製における一般的注意
II.数値の扱い方
1-有効数字
2-誤差
3-正確さ,精度
III.無機定性分析
1-陽イオン
2-陰イオン
IV.無機定量分析
1-容量分析
2-比色分析法
V.有機定性分析
1-一般分析
2-濾紙クロマトグラフィー
3-薄層クロマトグラフィー
付録 実習に関する注意事項
1-ガラス器具類
2-事故の処置
・索引
I.原子と分子
1-元素,単体,化合物
2-原子,分子
3-化合の基本法則
4-原子量,分子量およびモルの概念
5-化学式
6-当量,原子価
7-国際単位系(SI)
II.原子の構造
1-原子模型
2-原子核の構造
3-ボーアの原子模型
4-核外電子の状態(電子が2個以上の場合)
5-核外電子の配置
6-元素の周期律
7-原子の大きさ
8-イオン化ポテンシャルと電子親和力
9-共有結合
10-共有結合の極性
11-原子間距離
12-配位結合
13-化学結合の種類
第2章 物質の状態
I.気体
1-ボイル・シャルルの法則
2-理想気体の状態式
3-ドルトンの分圧の法則
4-気体分子運動論
5-実在気体の状態式(ファンデルワールスの状態式)
II.液体
1-蒸気圧
2-蒸発熱
3-沸点
III.固体
1-結晶
IV.溶液
1-溶液の濃度
2-固体の溶解度
3-液体の溶解度
4-気体の溶解度
5-溶液の性質
V.コロイド
1-コロイド溶液の特徴
2-コロイド溶液の電気的性質
3-拡散
4-沈降
5-粘度
6-コロイド溶液,電解質
7-表面張力,界面活性剤
8-吸着
第3章 物質の変化
I.化学変化
II.化学反応の種類
1-化合・分解・置換など,反応形式による分類
2-均一反応,不均一反応
3-発熱反応,吸熱反応
4-熱化学反応,光化学反応
5-酸化還元反応
III.化学平衡
1-化学平衡
IV.電離平衡
1-水の電離,pH
2-電解質水溶液のpH
3-塩の加水分解
V.酸化還元平衡
1-電解質の活量
2-電池
3-水素電極
4-酸化還元電位
5-濃淡電池
6-pHメータ
7-ガラス電極
8-電気分解
VI.化学反応速度
1-化学反応速度
2-触媒
3-化学反応速度論
4-連鎖反応,律速段階
第4章 無機化合物
I.元素の分類
1-金属,非金属
2-典型元素,遷移元素
3-生元素(必須元素)
II.非金属の化学
1-第18族元素
2-水素
3-ハロゲン
4-酸素,窒素
5-その他の非金属元素
6-水素と非金属元素の化合物
7-非金属の酸化物
8-非金属とハロゲンの化合物
9-その他の非金属化合物
III.金属の化学
1-冶金
2-アルカリ金属,アルカリ土類金属とその化合物
3-遷移元素
IV.配位化合物
1-錯イオン
2-配位化合物の立体構造
3-キレート
V.原子核反応
1-核エネルギー
2-放射性元素
3-放射能の単位
4-原子核反応
第5章 有機化合物
I.序論
1-有機化合物を構成する元素
2-有機化合物の構造
3-有機化合物の特性
II.有機化合物の基本構造
1-脂肪族炭化水素
2-芳香族炭化水素
III.官能基
1-水酸基
2-エーテル
3-ハロゲン
4-カルボニル基
5-カルボキシル基
6-アミノ基
IV.生体化学成分
1-糖質
2-アミノ酸,タンパク質
3-脂質
4-アルカロイド
5-テルペン
6-生体色素
7-ヘモグロビン,クロロフィル
8-ビタミン
9-ホルモン
第6章 実習のための基礎知識
I.試薬溶液の調製
1-試薬の種類と扱い方
2-試薬の濃度表示法
3-高濃度溶液から必要濃度溶液の調製法
4-溶液調製における一般的注意
II.数値の扱い方
1-有効数字
2-誤差
3-正確さ,精度
III.無機定性分析
1-陽イオン
2-陰イオン
IV.無機定量分析
1-容量分析
2-比色分析法
V.有機定性分析
1-一般分析
2-濾紙クロマトグラフィー
3-薄層クロマトグラフィー
付録 実習に関する注意事項
1-ガラス器具類
2-事故の処置
・索引





