やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

第2版序文
 1972年3月長崎市北保健所で川口幸義先生と本格的な乳幼児発達検診を始めたのが,脳性麻痺チーム療育の端緒であった.さらに,超早期療育のきっかけを与えてくれたのはBrazeltonの新生児行動評価法(Neonatal Behavioral Assessment Scale:NBAS)評価法だった.当時脳性麻痺の早期診断,早期治療を手がけてすでに十余年が経過していたが,病的異常所見(異常姿勢反応,異常行動)に目を奪われ,潜在的な正常機能に対する正当な評価ができていなかったことを反省させられた.出生時から個々の新生児を個性ある人間としてとらえ,行動のbest performanceを評価するやり方は素晴らしい.なんとなれば,発達障害児の診察にあたって,何ができるかというpositiveな能力を見抜くことが,治療にとって最も重要な事柄であるからである.以来,評価すなわち治療を座右の銘にしている.
 1984年の秋,Brazelton先生をお迎えして,五島列島全域にわたる新生児21人の行動評価を実施した.その成果は『ブラゼルトン新生児行動評価 2版』の日本語版序に記述されている.14歳まで発達調査を継続したが,皆たくましく育っていた.家庭訪問しての新生児行動評価が発達介入手段として有効に働いたものと思われる.さらに五島列島の風土や家庭環境(当時,大家族ないし祖父母の近隣在住が多かった)などが発達に好影響を及ぼしたのであろう.新生児行動評価の高得点,低得点はその後の発達と関連がなかった.低得点群の一人は東京大学へ進学した.五島列島での研究調査は社会的リハビリテーション推進の原点となったように思う.
 integrative society,inclusive societyの到来をめざして,脳性麻痺児のtotal rehabilitation(医学的および社会的リハビリテーション)をモットーに『脳性麻痺ハンドブック』を刊行してはや13年が過ぎた.
 95歳のBrazelton先生は健在で,ハーバード大学医学部Brazeltonタッチポイントセンターで予測(先行)的育児支援のタッチポイントモデルを提示,活躍中である.第2版では,特別寄稿「脳性麻痺の予防と早期治療におけるTouchpointsの活用」を寄せていただいた.私は2002年4月から障害児の全人的発達に寄与すべく,長崎市障害福祉センター(ハートセンター内)で障害児療育に携わり,長崎大学病院,長崎市立市民病院,国立長崎医療センターの新生児集中治療室(NICU)から紹介を受けた脳性麻痺児,ハイ・リスク児,ダウン症児,脊椎披裂症児,筋原性疾患などの早期療育を実践している.早期からの取り組みは地域の保育園,幼稚園での保育につながり,就学に際しては従来と比べて,inclusive(integrative)educationを希望する障害児や家族が増えてきた.
 しかし,脳性麻痺児・者,なかでも中〜重度障害児・者にとって,今でも地域の学校就学,就労,在宅生活には困難を伴う.障害者差別解消法,各地域の障害者差別禁止条例,子どもの権利条約,虐待禁止法,障害者総合支援法などの制定により,今後社会環境が整えばinclusive societyの推進へ向けたアプローチも徐々に組しやすくなっていくであろう.困難とはいえ,当事者と支援者の努力で就学,自立生活,就労を手にした人たちも出てきている.
 脳性麻痺の痙縮や異常姿勢緊張の改善手段として,運動療法,作業療法のほか手術,フェノールブロック,バクロフェン治療などがあるが,新たにボツリヌス治療が開発され,脳性麻痺の治療アプローチに変革をもたらした.保存的治療の効果を高め,侵襲的な整形外科術を減少させつつある.少なくとも痙性尖足内反歩行に対するアキレス腱,後脛骨筋腱延長術はボツリヌス治療に代えられようとしている.具体的には痙縮の抑制により,運動療法やconstraint─induced movement therapy(CI療法),serial cast療法,heel gait cast(HGC)療法の効果を高め,スポーツ療法の導入を容易にした.
 手術療法の一つに筋・腱・靱帯の解離延長術があり,私自身多くの手術経験例をもつが,長期間追跡できた事例を通して二,三の反省点がある.痙縮筋は痙縮の強さ(錐体路損傷の程度)に応じて随意筋力の損失を伴っているため,過度の延長(とくに股内転筋,ハムストリングなど)は,筋力低下をきたすため近位関節(股・膝)において構えの機能(stabilizing function)強化ができにくくなり,立位保持(立位バランス)や独歩の獲得に不利に働く.一方,手指,足部での過度の解離延長術は成長とともに逆変形(内反尖足→外反足,手関節屈曲→手関節過伸展)をもたらすことが多い.これらのことを念頭に,適切なタイミングで適切な手術を行い,術前から周到な後治療プログラムを立て,積極的な運動療法,スポーツ療法などを取り入れた長期followが大切である.
 第2版では,医学の進歩,福祉行政の進展,療育環境の変化などを踏まえ,これまで以上に包括的な療育の実践と生活体験の積み上げに役立つようなハンドブックを目指した.編者として新たに大城昌平先生に参画していただいた.
 初版で執筆いただいたベテランの療育仲間に加え,新進気鋭の仲間にも新たに執筆を依頼した.
 脳性麻痺の子どもたちはハンディキャップをもちながらも,精いっぱい生き抜こうと必死の努力を重ねている.家庭にあっても児の主体性を最大限尊重したケアを心がけたいものである.成長過程にあってフラストレーション(挫折感)を味わいながらも,彼らのやり方で達成感を味わい成長していく.
 アテトーゼ型四肢麻痺で在宅就労している人,宗教家あるいは福祉活動家として活躍している人,痙直型あるいはアテトーゼ型四肢麻痺で家庭を支えている人たちは枚挙にいとまがない.
 このハンドブックが一人でも多くの方々に活用されることを執筆者一同願っている.
 なおアイマスクのない写真については,ご本人・ご家族のご承諾をいただき掲載しています.
 おわりに恩師,玉置拓夫(元東北大学教授)先生および第2版発刊に力をあずかった医歯薬出版の編集担当者に深謝します.
 2015年3月
 編者を代表して 穐山富太郎


発刊に寄せて
 1948年私がはじめて東大整形外科教室の門をくぐった当時は,小児を襲い,肢体不自由児をつくる二大麻痺性疾患として,脊髄性小児麻痺(いわゆるポリオ)と脳性小児麻痺(脳性麻痺)があげられていた.そのほか,年長児先天性股関節脱臼,骨関節結核なども小児の運動器疾患として,長期間の治療を要するため,これらを扱う施設として,東大整形外科高木憲次教授の努力により,東京に整肢療護園が設立されていた.やがて戦災で焼失した整肢療護園本館の再建と,全国各道府県における肢体不自由児施設の再建が始まった.高木教授は治療と教育を同時に施す「療育」なる概念を確立し,各施設では多くのスタッフが献身的な努力を払っていた.
 一方,早期診断の普及や抗生物質を初めとする薬剤の画期的進歩により,年長児先天性股関節脱臼と骨関節結核は著しい減少を示してきた.またポリオも有効なワクチンの発明によって,新しい患者の発生がほとんど完全に防止され,後遺症のみが残る状況になった.この後遺症患児に対しては,機能再建手術を初めとする整形外科的アプローチがきわめて有効であり,問題はほぼ解決された.
 残る最大の問題は脳性麻痺である.肢体不自由児の療育が整形外科から始まった関係上,最初は整形外科医が主として治療に携わったものの,整形外科的アプローチで解決できる範囲はごく一部に限られており,広範な医学的・社会的リハビリテーションの総合的なチームアプローチが必要不可欠であることが認識されるに至った.あまりにも複雑,困難な問題のために,脳性麻痺に正面から取り組むことは,泥沼に足を踏み込む勇気を必要とし,多くの整形外科医は脳性麻痺を敬遠するようになった.
 1971年私は縁あって,長崎大学整形外科を主宰する身となったが,教室に脳性麻痺治療に情熱を燃やしている一整形外科医のいることを知った.これが本書の編集者の一人,穐山富太郎君であった.私は彼の熱心な使命感に感激し,脳性麻痺の研究の一切を彼に任せた.幸い彼を全面的に支える教室員,川口幸義君という強力な協力者を獲得することができた.これがもう一人の編集者である.
 穐山,川口の名コンビはその行動力とあいまって,多くの学内外の共感を得,素晴らしい研究・療育チームが育って,現在に至っている.この間にあって,初期にドイツから1年間,長崎で早期理学療法を指導してくれたSeybold女史の功績は大きかった.日本の西端長崎から発進した,脳性麻痺研究の潮流は,やがて全国の同志を巻き込み,1977年から3年間,長崎の地で,脳性麻痺懇話会を開催するに至った.その後もこの長崎のチームは,わが国の脳性麻痺の研究,療育の主導権を確保していると私は信じている.
 今回,穐山教授の定年退官を機に,その仕事の集大成として本書が出版されることになった.執筆者のほとんどは,穐山チームを支える人々であり,本書自体が見事なチームアプローチから成り立っている.
 本書を脳性麻痺の療育に携わる人々に,自信をもって推薦したい.また今は亡きSeybold女史の霊前にも捧げたいと思う.
 2001年10月
 長崎大学名誉教授
 鈴木良平


第1版序文
 W.J.Little,W.M.Phelps,日本では高木憲次,山本 浩ら,脳性麻痺医療の先人たちに共通したことは,ファシリテーション・テクニックの発展は後世に待ったとしても,当初から,医学的・社会的両面から全人的療育の視点に立ち,社会参加の具現化を目指していたことである.
 ところが,第二次世界大戦後,高度経済成長,文明の進歩と裏腹に,人間関係の隔絶化,文化の荒廃がすすんだ.ハンディキャップをもつ障害児は健常児から差別され,隔離収容が推進された.医学が進歩し,ファシリテーション・テクニックが開発されても,治療は機械的となり,全人的療育,チーム療育はなおざりにされてきた感が強い.しかしながら,近年になって,過去の反省からノーマライゼーション思想が普及,質実ともに全人的療育が実践できる社会が到来した.
 さて,私が脳性麻痺の療育に携わって35年が経過した.1972年3月,長崎市北保健所で本格的な乳幼児発達検診を始めたのが,脳性麻痺チーム医療の端緒となった.当時,新生児集中治療室での発達評価や保健所での発達検診の意義を理解してもらうのに随分と時間がかかった.辻 芳郎元長崎大学医学部小児科学講座教授,島田大三郎元長崎市衛生部長らの支援を得て,川口幸義先生(現長崎県立こども医療福祉センター長)との共同アプローチが無言のうちに始まっていた.
 以来,多くの療育仲間との出会いに恵まれた.1973年の日本リハビリテーション医学会の折,M.Seybold女史と出会い,A.Milani-Comparettiの'Motoscopic examination'やBobath法など脳性麻痺の早期治療について語らう機会を得た.長崎の取り組みに意気投合したSeybold女史は,諸谷市長の特別のはからいもあって,1974年の春から1年間長崎市中央保健所で脳性麻痺児への早期理学療法に携わり,私たちに勇気を与えた.なかでも,当初Seybold自身,hopelessと称して治療を敬遠しようとした重度脳性麻痺児10人に対する治療とその後の継続療育は子どもたちをみちがえるほどの成長に導いた.
 1976年の秋,ベルンのE.Kong先生,フィレンツェのMilani教授を訪ね,診察手技と療育の取り組みの素晴らしさに感銘を受けた.ベルンではBobath夫妻の理論と治療テクニックを基本にしたKongとM.B.Quintonによるベビー・コース(Bobath法)を受講する機会を得た.彼ら二人はこれまでの10年間,脳性麻痺早期治療普及のため,二人三脚でスイス全国を行脚したと聞いた.
 フィレンツェではMilani教授の共同研究者E.A.Gidoni先生に,たまたまT.B.Brazelton教授の新生児行動評価に関する映画3本を見せてもらい,その評価態度に驚嘆させられた.さっそく映画を購入し,1978年にはBrazeltonの著書「Neonatal Behavioral Assessment Scale」(1973)を翻訳する機会を得た.Brazelton教授には,幾度となく来崎してもらい,直接指導を受けることができた.
 また,1977年から3年間,津山直一教授のお世話で脳性麻痺懇話会(第13回,鈴木良平会長,日本化薬後援)を長崎で開催,全国の同志と熱い心を通わせることができた.第3回脳性麻痺懇話会では,Kong,Milani両先生に,「スイスにおける早期発見,早期治療のシステム」,「脳性麻痺の早期診断」の題目で講演していただいた.さらに,寺沢幸一先生(元香川県立ひかり整肢学園々長)のご支援を受けて,同会に引き続き,Kong,Quinton両先生によるベビー・コースを長崎県立整肢療育園で開催することができたことは幸運であった.
 かくて,療育仲間に厚みが加わり,重度脳性麻痺児を含め,新生児期から学童期にかけて継続的なチーム療育ができるまでになった.なかでも,私たちが関わった重度脳性麻痺者の幾人かは社会的自立を果たし,大きなハンディキャップを抱えながら,障害者の社会的統合をめざした社会運動を展開している.亀井裕樹,浜本貞信両氏は自立生活センター・ヒューマンライフを組織してピア・カウンセリング(peer counselling),自立生活プログラムはじめ,障害者の自立生活支援活動に取り組んでいる.
 リハビリテーションは医学的リハビリテーションと社会的リハビリテーションの大きな二つの柱からなるが,発達早期からこれらを包括したトータル・リハビリテーションによって,脳性麻痺児・者は社会参加,社会的自立へと向かうことができる.障害児・者の社会参加は,地域住民の心を開かせ,地域社会の生活環境を改善させ,そして地域文化を高める原動力ともなる.人間本来の真面目さと忍耐力を持ち合わせた脳性麻痺児・者との関わりは,我々の心を豊かにさせてくれる.
 本書は,全人的療育に携わる人たちにとって実践の手引き書となるよう目指した.このため,療育スタッフや福祉関係者にとどまらず,障害者や両親にも執筆を依頼した.
 長崎の地からこの書を発信できることは,執筆者一同にとって無上の喜びである.
 2002年1月
 穐山富太郎
 執筆者一覧
 第2版序文(穐山富太郎)
 発刊に寄せて(鈴木良平)
 第1版序文(穐山富太郎)
 特別寄稿 Touchpoints' Use in Prevention and the Early Treatment of Cerebral Palsy(Brazelton TB)
 特別寄稿(訳) 脳性麻痺の予防と早期治療におけるTouchpointsの活用(江藤宏美訳)

第1章 脳性麻痺の概要
 1 定義と疫学(津留 陽)
  診断基準と罹患率(発生率) 成因 予後 今後の疫学的展望
 2 原因(本山和徳)
  はじめに 時期別要因 出生前の要因 周産期の原因 出生後の要因
 3 療育の歴史(穐山富太郎)
  社会背景の推移 療育の歴史
 4 予防(穐山富太郎)
  出産の心構え 妊婦教室 産科最適スコア 頭蓋内出血・虚血性脳病変の予防
  感染症の予防
第2章 診断と治療
 1 診断と告知(穐山富太郎)
  診断 新生児期 生後最初の1年間 告知 脳性麻痺
  精神遅滞を伴った脳性麻痺 重症心身障害児
 2 遺伝カウンセリング(松本 正)
  特性 実際 脳性麻痺の遺伝的側面 出生前診断 おわりに
 3 脳性麻痺の薬物療法(てんかんを含む)(松尾光弘・松坂哲應)
  脳性麻痺におけるてんかん治療 不随意運動 その他の疾患および薬物療法
第3章 発達評価
 1 新生児期の発達評価(大城昌平)
  はじめに NBASの概要と検査方法 NBASの臨床活用 NBASのトレーニング
 2 心理学的発達評価(田中 香)
  はじめに 精神発達 発達の評価とアセスメント 評価の方法
  検査法による評価 おわりに―支援に向けて
 3 運動発達評価─量的変化と質的変化─(儀間裕貴)
  はじめに 発達評価とエビデンスレベル おわりに
第4章 タイプと病態・臨床像
 1 痙直型(川口幸義)
  各病型の特徴 分類
 2 アテトーゼ型(川口幸義)
 3 その他(川口幸義)
第5章 各発達期の療育
 1 総論─ライフステージと療育─(大城昌平)
  はじめに 各ライフステージ
 2 新生児期(福田雅文)
  人間性の回復,人間関係の修復のための母子同室と母乳育児支援
  ハイリスク児における母乳育児支援からの広がり
  障害のある子どもとその家族への支援のために 最後に
 3 NICUでの取り組み(木原秀樹)
  はじめに 周産期リスク因子と発達評価 発達支援
  退院支援 おわりに
 4 乳児期(大城昌平)
  乳児期の発達 乳児期の療育
 5 幼児期・学童期(川口幸義)
  幼児期 学童期 診断・治療(ガイドラインを踏まえて)
 6 青年期・成人期(山口和正)
  身体・精神機能の変化 生活習慣病としての二次障害 生活の場―在宅か施設か
  性・結婚問題 就労,心のバリアフリー 生きがい,趣味,芸術活動
 7 高齢期(穐山富太郎)
  生活調査結果(施設・在宅生活者) 日頃の健康管理 活動的な社会参加
第6章 療育の具体的アプローチ
 1 理学療法(岡安 勤)
  ボバース法 ボイタ法 Rood法 固有受容性神経筋促通法(カバット)
  上田法 LS-CC法早期松葉杖歩行訓練
  麻痺側上肢集中療法constraint-induced movement therapyおよび変法CI療法
  渡辺敏弘理学療法士の訓練法 動作療法 まとめ
 2 作業療法(琴岡日砂代)
  作業療法 役割と目的 脳性麻痺がもつ問題点 評価と治療の実際 まとめ
 3 言語聴覚療法(山田弘幸)
  脳性麻痺と言語聴覚障害 「言語」の特徴 脳性麻痺における言語聴覚障害の特徴
  脳性麻痺に対する言語聴覚療法
 4 呼吸リハビリテーション(北川知佳)
  呼吸リハビリテーションの必要性 重度脳性麻痺児・者の呼吸の特徴
  呼吸障害の評価 呼吸障害への治療 まとめ
 5 摂食指導(角町正勝)
  脳性麻痺児の口の状態 口腔ケアの意義 口腔ケアの実践
  食べるという行為 摂食機能訓練 連携のなかで
 6 心理療法(相川勝代)
  脳性麻痺の発達 脳性麻痺の随伴障害 脳性麻痺の心理的特性
  脳性麻痺の精神医学的問題 脳性麻痺の心理療法
 7 スポーツ療法(西野伊三郎・鶴崎俊哉・頴川 勝)
  はじめに 指導にさいして 水を通したアプローチ まとめ
  インラインスケートの利用 はじめに 使用例1 膝関節の交互屈伸運動
  使用例2 椅子からの立ち上がり インラインスケートを使用する利点と注意
  ラグビーの基本スキルを療法に ラグビーの競技性と社会性
  ラグビーボールを使って 力を合わせてトライ…まとめ
 8 遊び(感覚統合理論の考え方を生かして)(土田玲子)
  子どもにとって遊びとは 脳性麻痺児の遊びを保証する様々な知恵
 9 キャスト療法─serial cast療法とCI療法─(穐山富太郎・原口友里)
  serial cast療法 CI療法
 10 装具療法(二宮義和)
  はじめに 装具療法の目的 装具療法が適応となる時期 装具
  その他の治療法と装具療法の併用 装具と福祉制度 症例 まとめ
 11 姿勢保持具(山崎一雄)
  はじめに 座位
 12 生活支援機器(山崎雅幸)
 13 NICU後の総合的療育の取り組み(稲田佳奈子)
  長崎市障害福祉センター紹介 早期療育外来 早期療育外来でのPTの役割
  PTとしての療育支援―早期療育外来の場で大切なこと― 症例紹介
第7章 痙縮の治療
 1 ブロック療法─ボツリヌス,フェノール,バクロフェン─(穐山富太郎)
  ボツリヌス治療 フェノールブロック
  バクロフェン髄腔内投与療法(Intrathecal baclofen therapy:ITB)
 2 手術療法(中村隆幸)
  脳性麻痺における上肢変形 評価 脳性麻痺の上肢変形の特徴と治療
  脳性麻痺における体幹変形 頚部の変形 脊柱変形 脳性麻痺における下肢変形
  脳性麻痺における股関節の特徴 下肢手術について患児家族への説明
  下肢手術の適応と効果 股関節変形・拘縮と術前・術中評価 脳性麻痺の膝
  股・膝関節周囲筋群解離術の実際 股関節脱臼の治療 足部変形
第8章 社会的療育
 1 家庭療育と地域連携(穐山富太郎)
 2 重症心身障害児・者(穐山富太郎)
 3 施設療育(太田勝代)
  母子入園 プレスクール 療育・指導の実際 思春期・成人期
 4 包括教育(穐山富太郎・大城昌平)
 5 就労(吉田成人)
  障害者雇用施策の経緯 障害者雇用施策の概要 障害者雇用を支援する機関・施設
  今後の障害者施策
 6 障害者福祉サービス制度改革における障害者の地域生活支援の在り方(平光八郎)
  はじめに 支援費支給制度から障害者自立支援法へ
  障害関係者が過半数を占める「障がい者制度改革推進会議」の果たした役割
  障害者福祉サービス支援の窓口である「障害者相談支援事業」の機能と役割
  長崎県の一地方都市にて自立生活を営む事例
 7 自立支援(人権尊重)(東山 敬)
  はじめに 平和と人権 差別と合理的配慮 統合教育と包括(インクルーシブ)教育
  共生社会とインクルージョン 法と民主主義 まとめ
 8 訪問看護(吉原律子)
  訪問看護ステーションの機能 在宅重症心身障害児の訪問看護
  療育支援をめぐる訪問看護の課題 今後に向けて
 9 訪問リハビリテーション(村田邦和)
  はじめに 五島市における訪問リハの実際 おわりに
第9章 自立生活
 1 地域での自立生活16年の取組み(中村静香)
 2 親と子(吉原田鶴)
 3 家族の説得から今まで(浦 照明)
 4 一人暮らしは,ドラマチック?(遠藤悦夫)
 5 私の教育背景と自立(亀井裕樹)
 6 私の自立生活(吉村隆樹)

 第2版あとがき(川口幸義)
 第1版あとがき(川口幸義)
 索引