やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

はじめに
 第50回理学療法士・作業療法士国家試験は平成27年3月1日(日)に実施され,合格者は平成27年3月30日に厚生労働省より発表されました.本年度の出願者数,受験者数,合格者数および合格率は以下の通りでした.
        出願者数 受験者数 合格者数 合格率
 理学療法士   12,505人 12,035人  9,952人 82.7%
 (うち新卒者) 10,762人 10,360人  9,233人 89.1%
 作業療法士    5,508人  5,324人  4,125人 77.5%
 (うち新卒者)  4,802人  4,656人  3,981人 85.5%
 受験者数は昨年に比べて,理学療法士は906人増(昨年:11,129人),作業療法士は150人減(昨年:5,474人)となりました.合格率は昨年と比べると,理学療法士は1.0ポイント減(昨年:83.7%),作業療法士が9.1ポイント減(昨年:86.6%)となりました.
 理学療法士の合格基準は,一般問題を1問1点(160点満点),実地問題を1問3点(120点満点)とし,次のすべてを満たしている者を合格としています.
 総得点  168点以上/280点
 実地問題  43点以上/120点
 作業療法士の合格基準は,一般問題を1問1点(158点満点),実地問題を1問3点(117点満点)とし,次のすべてを満たしている者を合格としています.
 総得点 165点以上/275点
 実地問題41点以上/117点
 なお,今回の試験で採点除外等の取り扱いとなった問題は,
  [作業療法士]
   午前 問題2,22
   午後 問題50
  [専門基礎(共通)]
   午前 問題77
 の4問でした.
 本年度の理学療法専門分野の問題は,実地問題・一般問題ともに標準的な問題が多く,とくに難度が高まった印象はありません.実地問題で胸部エックス線写真読影の問題が出されています.解答を導き出すことは難しくありませんが,胸部や腹部エックス線写真等の読影にも慣れておく必要があります.
 作業療法専門分野の問題も,全般的な出題傾向はこれまでと大きく変わったところはありません.ただ最近の傾向として,種々の評価・検査法に関する問題が多く出題されています.主だった評価法の目的・手順・注意点などを整理しておくことが求められています.
 専門基礎(共通)領域も従来通りの出題傾向です.解剖,生理,運動学など基本的な知識を確実に整理しておくことは言うまでもないことです.
 全体的にみて,ひところ2割以上出題されていたX2タイプの問題が昨年から減少して,本年度は1割強程度になっています.しかしこの傾向が続くとは考えずに,引き続きしっかりとした理解が問われると考えた方が良いでしょう.
 医道審議会が予てより進めていた理学療法士作業療法士国家試験出題基準の改定が取りまとめられ,新しい出題基準が来年(平成28年)の国家試験から適用されることになりました.変更点に関する精査は養成校の教員に委ねられるところでありますが,これまでの基準である現行の平成22年版と比較してとくに目立った部分をいくつか取り上げておきます.
 これまで中・小項目には含まれていたものの,新たに大項目として取り上げられたものに,「慢性疼痛」「中枢神経の障害」「がん関連障害」の3項目(いずれも専門基礎分野)があります.また,理学療法・作業療法ともに専門分野で「医療統計」が中項目に示されました.医療統計については,これまでにも関連問題が出題されていましたが,それが出題基準にも明示された形となります.「疾病・障害の概念と分類」の項目ではICIDHの記載がなくなりICFに一本化されました.今回の出題基準改定を全体的にみても,ICFの考え方に沿って項目の入れ替えや並び替えが行われています.近年はICFに関して,単に用語の定義やICIDHとの比較に留まらず,さらに踏み込んだ問題が出題されており,ICFの概念を理解することがたいへん重要視されているといえます.
 本書は第46回から第50回までの5年間の理学療法士・作業療法士国家試験全問題を掲載しております.本書の構成は,問題,解答,解説からなります.
 問題は,可能な限り原文に則して記載し,図や写真は縮小しています.
 解答は,基本的には厚生労働省が公表したものとしています.一部,厚生労働省の解答と見解が異なる問題については,その旨を明記しました.
 解説は,解答を導き出すのに参考となる事柄を限られたスペースのなかにメモ程度に記載しました.
 パーソナルコンピュータで学習できるように,付録にCD-ROM(第40回から第49回分を収録)を添付しました.対応機種と操作方法は巻末のマニュアルをご覧下さい.CD-ROMでは出題ジャンルによって問題を分類しています.この分類は,新しい平成28年出題基準にも対応しています.出題ジャンルの詳細は,巻末「CD-ROM取扱説明書」の11〜13ページをご覧ください.
 本書の解答,解説,CD-ROM等でお気づきの点,また本書の構成などについてご意見がございましたら,編集部宛にご教示下さいますようお願い申し上げます.
 来る第51回の理学療法士・作業療法士国家試験には,どうか本書を存分に活用されて,見事全員が合格されますよう,編集部一同,心からお祈り申し上げます.
 2015年5月
 医歯薬出版編集部
 はじめに
第46回 理学療法士/作業療法士 国家試験問題 解答と解説
 理学療法(午前)
 理学療法(午後)
 作業療法(午前)
 作業療法(午後)
 専門基礎(午前)
 専門基礎(午後)
第47回 理学療法士/作業療法士 国家試験問題 解答と解説
 理学療法(午前)
 理学療法(午後)
 作業療法(午前)
 作業療法(午後)
 専門基礎(午前)
 専門基礎(午後)
第48回 理学療法士/作業療法士 国家試験問題 解答と解説
 理学療法(午前)
 理学療法(午後)
 作業療法(午前)
 作業療法(午後)
 専門基礎(午前)
 専門基礎(午後)
第49回 理学療法士/作業療法士 国家試験問題 解答と解説
 理学療法(午前)
 理学療法(午後)
 作業療法(午前)
 作業療法(午後)
 専門基礎(午前)
 専門基礎(午後)
第50回 理学療法士/作業療法士 国家試験問題 解答と解説
 理学療法(午前)
 理学療法(午後)
 作業療法(午前)
 作業療法(午後)
 専門基礎(午前)
 専門基礎(午後)

 付録 CD-ROM取扱説明書