やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

刊行のことば

 放射線医学は1895年レントゲンがX線を発見したのを始まりとして,すでに1世紀を経過しました.とくに最近の40年間は,電子技術,コンピュータ,オプトエレクトロニクスなどの出現とあいまって著しい進歩がみられます.1960年代のX線テレビの開発に始まり,CT,DSA,CR,MRI,超音波,PET,重粒子線治療などの機器に新しい造影剤の開発と,枚挙にいとまがありません.これほど短い期間に新しい手法が登場したことは,過去の歴史になかったと考えます.
 放射線医学を医療の中で実践するのは,放射線科医,診療放射線技師,医学物理士,放射線管理者,そして放射線機器の開発にあたる医療機器メーカーの人たちです.これらの方々が十分な理解と友好関係のもとに協調していくことがきわめて大事なことであります.そのためには,各職種の人たちが,自己のもつ高度な知識と技術を提供しあうことが必要であるといえましょう.
 診療放射線技師教育は従来,3年制短大で行われてきました.しかし,その指定規則に盛られた科目と内容は,アメリカの医学物理学修士教育にも匹敵するものであります.このような高度な内容を教えていくには,少なくとも4年制の学部教育が必要であり,さらにその上に医学物理学・医用工学の研鑽を積む大学院課程が望まれます.今日,4年制教育機関が増加してきていることは,この観点からたいへん喜ばしいことといえましょう.
 4年制課程での教育に呼応するように,平成5年,診療放射線技師法が改正されました.診療放射線技師の業務は核磁気共鳴,超音波,眼底カメラなどの非放射線領域へと拡大され,今後ますますその傾向は顕著となっていくものと考えています.いまや放射線のみならず,光,音,熱,磁気などの物理事象を診断と治療へ応用する医療技術科学者としての性格を有し,21世紀には新しい医療スペシャリストとして発展していくでしょう.
 私たちは,このような観点から「医用放射線科学講座」のシリーズを編集し刊行することとなりました.単に学校の教科書としてでなく,一生座右において読んでいただき,病院の放射線科の現場でも十分参考に耐えるものをと念じました.いささか内容が広く,高度すぎる,ここまで必要ではないとのご批判もあるかとも存じます.しかし,私たちは編集の過程で寄せられた玉稿を読ませていただいたときに,これは医師・看護婦・臨床検査技師その他の医療職種にも十分に役立つものと自信を深めた次第です.
 どうぞご一読いただき,数多くの方々からのご指摘,ご叱正を得てさらによい講座となることができれば幸いです.
 平成8年5月
 企画・編集
 稲本一夫(大阪大学教授 医学部保健学科)
 瓜谷富三(藤田保健衛生大学教授 衛生学部)
 岡部哲夫(鈴鹿医療科学技術大学教授 医用工学部)
 大和谷 厚(大阪大学教授 医学部保健学科)

第2版の序

 21世紀初頭は改革の時代です.医療の世界も例外ではありません.むしろ,もっとも変革が必要だとさえいわれています.IT革命は医療の質の改善を推進する大きな力と期待されています.すでに病院電子カルテ,画像フィルムレス化は,予想以上に広がってきています.その結果,医療情報の共有化が生じています.医療は医師のみで行われるのではないとよくいわれてきました.しかし,それは多分に観念的でした.それができなかったのは情報の欠如も大きな原因でした.ところで,もし臨床医学の基礎知識がないとすれば,いかに情報があっても理解できません.いまや医療職者には臨床医学を知ることが大きく求められているのです.
 本書は,臨床医学,救急医学,看護学の知識を習得できるよう,その道の専門家に記述してもらっています.かならずや21世紀の医療情報革命に対処していくのに,たいへん役立つであろうと期待しています.
 なお平成13年12月6日の衆議院本会議で「保健婦助産婦看護婦法」の一部改正案が可決され,従来,看護婦(士),保健婦(士),助産婦と呼称されていた名称がそれぞれ看護師,保健師,助産師とよばれるよう変更になりました.
 したがって,今回の改訂にあたり,できるだけ新名称に改めましたが,歴史的な記述あるいは過去の事柄の記述については,旧名称のままにしてあります.
 平成14年1月
 稲本一夫
 折田義正



 医用放射線科学講座の第3巻「臨床医学」は臨床医学概論,臨床検査学概論,看護学概論,救急医学概論より構成されています.この巻は,放射線医療がよりどころとする領域であり,診療放射線技師,医学物理士,医用工学者にとって,きわめて必要な知識が盛られています.その内容は高度かつ精細にわたっていて,学校での教科書としてのみならず,臨床現場の研修や大学院での教育にも十分耐えうるものといえましょう.
 従来,診療放射線技師の方々から,学校では臨床医学について十分教えてもらえなかった,臨床検査や看護についてはよくわからない,~急医療を知らないのは臨床現場においてたいへん不安であるとのご意見が寄せられてきました.
 私たちは本書を診療放射線技師として臨床の場で活躍しておられる方々にも,ぜひともご購読いただき,その座右の書として使っていただきたいと念じています.
 執筆者は主として大阪大学医学部保健学科ならびに医学科救急医学講座の方々が当たっています.いずれの項もその先生方の専門領域で培われた経験と学識に裏付けられたもので,かならずやご満足いただけるものと確信しています.
 本書をよりよくするため,読者の方々のご批判,ご意見をお寄せくだされば幸いです.
 平成8年5月
 稲本一夫
 折田義正
第1章 臨床医学概論
 1 消化管疾患 (城戸良弘)
  1.1 食道疾患
   1.1.1 アカラシア
   1.1.2 特発性食道破裂
   1.1.3 食道癌(食道腫瘍)
  1.2 胃・十二指腸疾患
   1.2.1 消化性潰瘍
   1.2.2 胃ポリープ
   1.2.3 胃粘膜下腫瘍
   1.2.4 胃 癌
  1.3 腸疾患
   1.3.1 消化管憩室
   1.3.2 上腸間膜動脈虚血
   1.3.3 虚血性大腸炎
   1.3.4 炎症性腸疾患
   1.3.5 イレウス(腸閉塞症)
   1.3.6 大腸ポリープ,ポリポーシス
   1.3.7 大腸癌
 2 肝・胆・膵疾患 (河野典夫)
  2.1 肝 臓
   2.1.1 急性ウイルス性肝炎
   2.1.2 劇症肝炎
   2.1.3 慢性ウイルス性肝炎
   2.1.4 肝硬変
   2.1.5 原発性胆汁性肝硬変
   2.1.6 アルコール性肝障害
   2.1.7 薬物性肝障害
   2.1.8 脂肪肝
   2.1.9 肝細胞癌
   2.1.10 胆管細胞癌
   2.1.11 転移性肝癌
   2.1.12 肝血管腫
   2.1.13 肝嚢胞症
   2.1.14 肝膿瘍
   2.1.15 門脈圧亢進症
  2.2 胆 嚢
   2.2.1 胆石症
   2.2.2 胆嚢炎,胆管炎
   2.2.3 胆嚢癌
   2.2.4 胆嚢良性腫瘍
   2.2.5 胆道の奇形,機能異常
  2.3 膵 臓
   2.3.1 急性膵炎
   2.3.2 慢性膵炎
   2.3.3 膵嚢胞
   2.3.4 膵 癌
   2.3.5 膵島腫瘍(膵内分泌腫瘍)
 3 循環器疾患 (別府慎太郎)
  3.1 循環器疾患の種類
  3.2 循環器疾患にみられる症状
   3.2.1 心不全
   3.2.2 胸痛,胸部圧迫感
   3.2.3 心悸亢進,動悸
   3.2.4 チアノーゼ
  3.3 先天性心疾患
   3.3.1 大動脈二尖弁
   3.3.2 心房中隔欠損症
   3.3.3 心室中隔欠損症
   3.3.4 動脈管開存症
  3.4 後天性弁膜症
   3.4.1 大動脈弁狭窄症
   3.4.2 大動脈弁閉鎖不全症
   3.4.3 僧帽弁狭窄症
   3.4.4 僧帽弁閉鎖不全症
   3.4.5 三尖弁閉鎖不全症
   3.4.6 感染性心内膜炎
  3.5 虚血性心疾患
   3.5.1 狭心症
   3.5.2 心筋梗塞
  3.6 心筋症
   3.6.1 肥大型心筋症
   3.6.2 拡張型心筋症
  3.7 心膜炎
   3.7.1 心膜液貯留,心タンポナーデ
   3.7.2 収縮性心膜炎
  3.8 不整脈
  3.9 大動脈瘤
 4 内分泌代謝疾患 (河野典夫)
  4.1 視床下部異常
   4.1.1 神経性食欲不振症(拒食症)
   4.1.2 視床下部腫瘍
   4.1.3 視床下部性内分泌障害
   4.1.4 放射線学的検査
  4.2 下垂体異常
   4.2.1 下垂体前葉機能低下症
   4.2.2 下垂体性小人症
   4.2.3 下垂体前葉ホルモン単独欠損症
   4.2.4 先端巨大症
   4.2.5 クッシング病
   4.2.6 乳汁漏出症
   4.2.7 尿崩症
   4.2.8 ADH不適合分泌症候群
   4.2.9 放射線学的検査
  4.3 甲状腺異常
   4.3.1 バセドウ(グレーブス)病
   4.3.2 プランマー病
   4.3.3 橋本病
   4.3.4 甲状腺腫瘍
   4.3.5 甲状腺機能低下症(粘液水腫)
   4.3.6 放射線学的検査
  4.4 副甲状腺異常
   4.4.1 副甲状腺機能亢進症
   4.4.2 副甲状腺機能低下症
   4.4.3 偽性副甲状腺機能低下症
  4.5 副腎異常
   4.5.1 クッシング症候群
   4.5.2 アルドステロン症
   4.5.3 アジソン病
   4.5.4 褐色細胞腫
  4.6 性腺異常
  4.7 多内分泌腺腫瘍症
  4.8 糖質代謝異常
   4.8.1 糖尿病
   4.8.2 インスリノーマ
   4.8.3 糖原病(グリコーゲン病)
   4.8.4 フルクトース・ガラクトース代謝異常
  4.9 脂質代謝異常
   4.9.1 高脂血症
   4.9.2 遺伝性脂質蓄積症(リピドーシス)
  4.10 蛋白質・アミノ酸代謝異常
   4.10.1 低蛋白血症
   4.10.2 先天性アミノ酸代謝異常
   4.10.3 アミロイドーシス
  4.11 プリン・ピリミジン代謝異常
   4.11.1 痛 風
   4.11.2 高尿酸血症,低尿酸血症
  4.12 ムコ多糖代謝異常
  4.13 重金属代謝異常
  4.14 ポルフィリン代謝異常
  4.15 栄養異常
   4.15.1 肥 満
   4.15.2 骨粗鬆症
 5 腎・泌尿器疾患 (堀尾 勝)
  5.1 腎臓の構造と機能
   5.1.1 腎臓の構造
   5.1.2 糸球体と尿細管の機能
   5.1.3 腎臓の機能
  5.2 腎疾患の主要症候
   5.2.1 尿量,尿回数の異常
   5.2.2 蛋白尿
   5.2.3 血 尿
   5.2.4 円 柱
   5.2.5 白血球尿,膿尿
  5.3 腎尿路疾患
   5.3.1 尿路閉塞
   5.3.2 腎結石
   5.3.3 腎・尿路系腫瘍
   5.3.4 尿路感染症
   5.3.5 前立腺肥大症
   5.3.6 多発性嚢胞腎
   5.3.7 糸球体腎炎
   5.3.8 慢性腎不全
   5.3.9 急性腎不全
 6 呼吸器疾患 (堀尾 勝)
  6.1 呼吸器の構造
  6.2 呼吸機能
  6.3 呼吸パターンの異常
   6.3.1 チェーン・ストークス呼吸
   6.3.2 クスマウル大呼吸
   6.3.3 ビオー呼吸
  6.4 気管支疾患
   6.4.1 急性気管支炎
   6.4.2 びまん性汎細気管支炎
   6.4.3 気管支拡張症
   6.4.4 慢性閉塞性肺疾患
  6.5 肺疾患
   6.5.1 肺 炎
   6.5.2 特発性間質性肺炎,肺線維症
   6.5.3 肺結核
   6.5.4 肺寄生虫症
   6.5.5 無気肺・中葉症候群
   6.5.6 嚢胞性肺疾患
   6.5.7 アレルギーの関与した疾患
   6.5.8 塵 肺
   6.5.9 薬剤性肺炎
   6.5.10 放射線肺炎
   6.5.11 肺胞蛋白症
   6.5.12 肺胞微石症
   6.5.13 肺腫瘍
   6.5.14 肺塞栓症
   6.5.15 肺水腫
   6.5.16 肺高血圧症
  6.6 胸膜疾患
   6.6.1 胸膜炎,膿胸
   6.6.2 気 胸
   6.6.3 胸膜腫瘍
  6.7 縦隔疾患
   6.7.1 縦隔気腫
   6.7.2 縦隔腫瘍
  6.8 サルコイドーシス
  6.9 膠原病性肺・胸膜病変
  6.10 過換気症候群
  6.11 成人呼吸促迫症候群
 7 血液疾患 (杉山治夫)
  7.1 赤血球系疾患
   7.1.1 貧 血
   7.1.2 赤血球増加症
  7.2 白血球系疾患
   7.2.1 白血球増加症
   7.2.2 白血球減少症
  7.3 血小板系疾患
   7.3.1 血小板増加症
   7.3.2 血小板減少症
  7.4 凝固因子の異常による疾患
   7.4.1 先天性凝固因子障害
   7.4.2 後天性凝固因子障害
  7.5 血液悪性疾患
   7.5.1 急性白血病
   7.5.2 慢性白血病
   7.5.3 悪性リンパ腫
   7.5.4 多発性骨髄腫
 8 神経疾患(中枢・末梢とも) (依藤史郎)
  8.1 疾患のあらまし
   8.1.1 大 脳
   8.1.2 間脳,脳幹,脊髄
   8.1.3 末梢神経,骨格筋
   8.1.4 原因からみた疾患概説
  8.2 臨床検査
   8.2.1 画像検査
   8.2.2 機能検査
   8.2.3 検体検査
  8.3 放射線検査の適応,特徴所見,検査時の処置,救急法
   8.3.1 検査内容
   8.3.2 検査時の処置,救急法
  8.4 おもな治療法と予後
 9 アレルギー,膠原病,免疫不全症 (渡邊信一郎)
  9.1 免疫の歩み
   9.1.1 免疫の事実
   9.1.2 ジェンナーの功績
   9.1.3 パスツールの業績
   9.1.4 免疫学のあけぼの
   9.1.5 抗原,抗体
   9.1.6 補 体
   9.1.7 免疫の機序の解明
   9.1.8 治療への応用
  9.2 アレルギー
  9.3 自己免疫
  9.4 免疫不全
 10 感染症 (土肥義胤)
  10.1 発 熱
   10.1.1 体 温
   10.1.2 発 熱
  10.2 白血球増多
   10.2.1 好中球増多
   10.2.2 好酸球増多
   10.2.3 リンパ球・単球増多
  10.3 貧 血
   10.3.1 長期感染
   10.3.2 急激な貧血
  10.4 赤血球沈降速度およびC反応性蛋白
   10.4.1 赤血球沈降速度
   10.4.2 C反応性蛋白
  10.5 菌血症と敗血症
   10.5.1 菌血症
   10.5.2 敗血症
  10.6 髄膜炎
   10.6.1 細菌性髄膜炎
   10.6.2 結核性髄膜炎
   10.6.3 真菌性髄膜炎
  10.7 肺 炎
  10.8 肺結核
  10.9 感染性心内膜炎
  10.10 消化器感染症
 11 中毒・物理的原因による疾患 (早川和生)
  11.1 中毒による疾患
   11.1.1 一酸化炭素
   11.1.2 有機溶剤
   11.1.3 重金属
   11.1.4 粉 塵
  11.2 物理的要因による疾患
   11.2.1 温 熱
   11.2.2 異常気圧
   11.2.3 紫外線
   11.2.4 レーザー光線
   11.2.5 超音波
   11.2.6 マイクロ波
   11.2.7 電離放射線
 12 小児疾患の特徴と放射線検査 (原田徳蔵)
  12.1 小児の特徴
   12.1.1 成長と発達
   12.1.2 小児診療のあり方
   12.1.3 X線検査の問題点
  12.2 新生児期に呼吸障害をきたす疾患
   12.2.1 特発性呼吸窮迫症候群
   12.2.2 新生児一過性多呼吸症
   12.2.3 胎便吸引症候群
   12.2.4 気胸,気縦隔
   12.2.5 慢性肺障害
   12.2.6 先天性横隔膜ヘルニア
  12.3 新生児期に嘔吐,腹部膨満をきたす疾患
   12.3.1 腸閉塞(イレウス)
   12.3.2 壊死性腸炎
  12.4 新生児期に痙攣をきたす疾患
   12.4.1 頭蓋内出血
  12.5 乳幼児期以降の救急疾患
   12.5.1 腸重積症
   12.5.2 急性虫垂炎
   12.5.3 メッケル憩室
 13 高齢者疾患の特徴と放射線検査 (三上 洋)
  13.1 高齢者に多くみられる疾患
   13.1.1 特 徴
   13.1.2 好発疾患
   13.1.3 死亡原因
   13.1.4 受療率
  13.2 老年病の症候の特徴
  13.3 高齢者疾患における放射線検査
 14 女性性器疾患と放射線検査 (大橋一友,山地建二)
  14.1 女性性器の解剖
   14.1.1 子 宮
   14.1.2 卵 管
   14.1.3 卵 巣
  14.2 婦人科腫瘍の診断と放射線検査
   14.2.1 超音波検査法
   14.2.2 CT検査法
   14.2.3 MRI検査法
  14.3 婦人科腫瘍の各論
   14.3.1 子宮筋腫
   14.3.2 子宮頸癌
   14.3.3 子宮体癌
   14.3.4 卵巣腫瘍
  14.4 生殖医学の診断と放射線検査
   14.4.1 子宮卵管造影法
   14.4.2 経腟超音波検査
  14.5 産科診断と放射線検査
   14.5.1 骨盤X線計測
   14.5.2 胎児診断
   14.5.3 胎児に対する放射線の影響
第2章 臨床検査学概論(折田義正)
 1 臨床検査の分類と項目
  1.1 分 類
   1.1.1 検体検査
   1.1.2 生理機能検査
   1.1.3 遺伝子関連検査
  1.2 特 徴
 2 臨床検査の目的と実施
  2.1 スクリーニング検査
  2.2 精密検査
   2.2.1 精密検査の目的
   2.2.2 放射線検査
   2.2.3 その他
 3 検体の採取と管理
  3.1 生理的変動
   3.1.1 影響因子
   3.1.2 負荷試験
  3.2 日内リズム(日内変動)
  3.3 季節間変動
  3.4 検体採取
   3.4.1 採 血
   3.4.2 採尿法
 4 臨床検査値
  4.1 精度管理
   4.1.1 誤 差
   4.1.2 精度管理
   4.1.3 問題点
  4.2 基準値,基準範囲
   4.2.1 正常値
   4.2.2 問題点
   4.2.3 改善の提案
第3章 看護学概論
 1 看護とは (松木光子)
  1.1 看護のイメージ
  1.2 ナイチンゲールの看護観
   1.2.1 マトリックスとしての看護
   1.2.2 ナイチンゲールの思想
  1.3 近年の看護概念の変遷
   1.3.1 戦後の改革
   1.3.2 看護の3段階の発展
  1.4 現代の看護の概念
   1.4.1 アメリカの看護モデル
   1.4.2 アメリカ看護婦協会の看護の定義
   1.4.3 わが国の看護の概念
 2 看護の変遷 (江川隆子)
  2.1 看護史の区分
   2.1.1 原始の看護
   2.1.2 宗教に影響される看護
   2.1.3 わが国における宗教と看護
   2.1.4 近代の看護
  2.2 ナイチンゲールの影響
   2.2.1 ナイチンゲールの功績
   2.2.2 ナイチンゲール方式の広がり
   2.2.3 わが国におけるナイチンゲール
  2.3 アメリカにおける近代看護
   2.3.1 看護教育の向上
   2.3.2 看護職能団体の発足
  2.4 わが国における近代看護
   2.4.1 戦前の看護教育
   2.4.2 戦後の看護教育
  2.5 わが国の看護の改革
   2.5.1 保助看法の制定
   2.5.2 モデル看護学校の設立
   2.5.3 新しい教育の方向
   2.5.4 大学教育の芽生え
   2.5.5 助産婦教育
   2.5.6 保健婦・助産婦・看護婦の呼称の変遷
   2.5.7 わが国の今後の看護
 3 看護の機能と役割 (阿曽洋子)
  3.1 看護職者および看護関係団体の提唱
   3.1.1 ナイチンゲールとヘンダーソン
   3.1.2 世界保健機関
   3.1.3 国際看護婦協会
   3.1.4 日本看護協会
   3.1.5 看護の機能と役割のまとめ
  3.2 健康水準と看護活動の分野
   3.2.1 健康水準の認識
   3.2.2 健康の目標
   3.2.3 看護活動
   3.2.4 看護活動のまとめ
  3.3 人間のライフサイクルと看護活動
   3.3.1 胎児期
   3.3.2 新生児期
   3.3.3 乳幼児期
   3.3.4 学童期から思春期
   3.3.5 青・壮年期
   3.3.6 老年期
  3.4 看護活動の内容
   3.4.1 アセスメントと計画
   3.4.2 ケアの実際
   3.4.3 看護活動のまとめ
  3.5 専門看護師
   3.5.1 保健師,助産師
   3.5.2 看護師
 4 保健医療チームと看護 (阿曽洋子)
  4.1 保健医療チーム
   4.1.1 保健医療
   4.1.2 保健医療チームの構成
  4.2 保健医療チームにおける看護職の役割
  4.3 保健医療チームと看護
   4.3.1 病院における保健医療チーム
   4.3.2 地域における保健医療チーム
   4.3.3 施設における保健医療チーム
   4.3.4 チーム間の協力と看護
 5 看護制度と看護業務 (松木光子)
  5.1 法的規定と看護業務
   5.1.1 保助看法
   5.1.2 看護分野
   5.1.3 療養上の世話
   5.1.4 診療上の補助業務
   5.1.5 介護福祉士
  5.2 看護業務
   5.2.1 日常生活上の援助
   5.2.2 連絡・調整業務
  5.3 看護職者の教育制度
   5.3.1 看護職者
   5.3.2 看護職者の教育制度
 6 看護管理 (高橋章 子)
  6.1 看護管理の原則 ―― 看護管理とは
   6.1.1 定 義
   6.1.2 範 囲
  6.2 看護管理の目的
   6.2.1 質と量
   6.2.2 条件整備
   6.2.3 病院運営への参加
  6.3 看護管理の基礎
   6.3.1 コミュニケーション
   6.3.2 リーダーシップ
  6.4 病院における看護管理
   6.4.1 病院の目的
   6.4.2 看護管理の特色
  6.5 看護組織とその運営
   6.5.1 看護組織の特色
   6.5.2 看護部門の構成 ―― 看護単位
   6.5.3 看護方式
  6.6 看護管理者の役割
   6.6.1 管理者の心構え
   6.6.2 対外的職務
   6.6.3 看護部門の管理
   6.6.4 看護教育研修
   6.6.5 看護管理者の種類と職務
  6.7 看護管理の評価
   6.7.1 看護業務や記録類の評価
   6.7.2 患者,家族との面談
   6.7.3 他部門の職員の意見
   6.7.4 一般社会人の意見
   6.7.5 看護職員の勤務状態や態度
   6.7.6 事故,感染の多発や業務の停滞
 7 看護学の基本構造と教育・研究 (小笠原知枝)
  7.1 看護学の基本構造
   7.1.1 看護とは
   7.1.2 実践科学としての看護学
   7.1.3 構成要素
  7.2 5構成要素の概説と課題
   7.2.1 人 間
   7.2.2 環 境
   7.2.3 健 康
   7.2.4 看 護
   7.2.5 看護過程
  7.3 専門職を目標とした看護学教育
   7.3.1 目 的
   7.3.2 基礎看護教育
   7.3.3 基本的能力と批判的思考
   7.3.4 看護学のカリキュラム
  7.4 看護学における研究
   7.4.1 看護における実践と理論と研究の関連性
   7.4.2 看護研究の定義
   7.4.3 研究の対象
   7.4.4 研究法
   7.4.5 看護研究のプロセス
第4章 救急医学概論
 1 救急医療と放射線医学 (平出 敦)
  1.1 わが国の救急医療体制
   1.1.1 救急医療の意味
   1.1.2 救急医療の必要性
   1.1.3 救急医療体制の整備
   1.1.4 救急医療機関の区別
  1.2 救急医療と救急医学
   1.2.1 救急医学の誕生
   1.2.2 全身を対象とする医学
   1.2.3 広範囲熱傷の例
   1.2.4 診療の基本
   1.2.5 救急医学の領域
   1.2.6 プライマリケア
  1.3 救急医療と放射線医学
   1.3.1 放射線医療の提供
   1.3.2 画像診断のインパクト
   1.3.3 診断と治療への放射線医学の応用
 2 救急蘇生法 (松岡哲也)
  2.1 心肺蘇生法の必要性
  2.2 患者の様態の把握
  2.3 適切な処置
   2.3.1 意識障害を認めた場合
   2.3.2 呼吸状態に問題がある場合
   2.3.3 脈拍を触知しない場合
 3 外傷患者の診療 (吉田裕彦)
  3.1 総 論
   3.1.1 外傷患者の診療の手順と優先順位
   3.1.2 重症外傷治療と画像診断
  3.2 各 論
   3.2.1 頭部外傷
   3.2.2 胸部外傷
   3.2.3 腹部外傷
   3.2.4 骨盤骨折
   3.2.5 脊椎・脊髄損傷
   3.2.6 四肢骨折
 4 クリティカルケア (森本文雄)
  4.1 呼吸管理
   4.1.1 呼吸不全の病態
   4.1.2 治 療
   4.1.3 呼吸管理と画像診断
  4.2 循環管理
   4.2.1 循環不全の病態
   4.2.2 ショックに対する生体反応
   4.2.3 循環動態の評価
   4.2.4 循環不全の治療
   4.2.5 循環管理と画像診断
 5 重症感染症 (西野正人)
  5.1 救急領域の感染症
   5.1.1 感染症は克服されたか
   5.1.2 救急領域の感染症とその病態
  5.2 重症感染症の診断
   5.2.1 画像診断
   5.2.2 病原微生物の同定
  5.3 重症感染症の臨床例
   5.3.1 ウイルス性脳炎
   5.3.2 サイトメガロウイルス肺炎
   5.3.3 肝膿瘍
   5.3.4 汎発性腹膜炎(外傷性胃破裂)
   5.3.5 ガス壊疽
 6 救急におけるinterventional radiology (岸 正司)
  6.1 総 論
  6.2 各 論
   6.2.1 血管領域におけるinterventional radiology
   6.2.2 非血管領域におけるinterventional radiology

 参考文献
 和文索引
 欧文索引