医学のあゆみ
293巻11号
データシェアリングと個人情報保護の課題
- 総頁数:70頁
- 判型:B5判
- 発行年月:2025年6月
- 注文コード:929311
- 雑誌コード:20472-6/14
内容紹介
・医療データの利活用は,症例報告や観察研究といった小規模な研究から,大規模情報集積による臨床医療・産業応用まで飛躍的に拡大しつつある.この潮流を加速させる鍵となるのがデータシェアリングである.
・その実現には,データの標準化や管理システムの構築,費用負担モデルの確立といった技術的課題と,個人情報保護法制との整合性確保など法制度・社会的課題が複雑に絡み合う.国内外の先進事例から学び,新たな制度設計の可能性を探る時機が到来しているといえる.
・本特集では,医療情報学の第一人者,法律の専門家,バイオバンク運営者,製薬企業の実務者など多様な立場から,データシェアリングの意義と現状を解説し,課題に立ち向かうための道筋を示す.
目次
はじめに(米村滋人)
医療データシェアリングの意義(山本隆一)
医療情報をめぐる個人情報保護と情報利用の課題(板倉陽一郎)
ゲノム情報とデータシェアリングの意義(荻島創一)
欧州健康データ空間(EHDS)規則の概要(黒田佑輝)
医療データシェアリングの活用実例と今後の制度的方向性(緒方 健)
データベースを通じたデータシェアリングの現状と課題(川嶋実苗)
製薬企業における臨床試験データシェアリングの意義と課題(小山暢之・他)
ヘルスケア・データシェアリングの拡大に向けた法制度の課題と展望(藤田卓仙)
TOPICS
疫学 亜鉛欠乏症─日本人の血清亜鉛濃度の現状とその特徴(横川博英)
小児科学 胎便に含まれるヒト由来タンパク質の在胎週数によるプロファイル(設樂佳彦・渡辺栄一郎)
連載
細胞を用いた再生医療の現状と今後の展望─臨床への展開(21)
脊髄損傷に対するヒトiPS細胞由来神経幹/前駆細胞移植療法の新たな治療戦略(西條裕介・他)
ケースから学ぶ臨床倫理推論(12)
サイコオンコロジー(菅野康二)
イチから学び直す医療統計(4)
ランダム化とは(長島健悟・他)
FORUM
司法精神医学への招待─精神医学と法律の接点(7) 医療観察法医療の現状と課題─通院処遇(久保彩子)
次号の特集予告
電子版
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