医学のあゆみ
288巻7号
精神疾患における環境要因と遺伝-環境相互作用
- 総頁数:70頁
- 判型:B5判
- 発行年月:2024年2月
- 注文コード:928807
- 雑誌コード:20473-2/17
内容紹介
・精神疾患のほとんどは,遺伝要因と環境要因が関与して発症する複雑疾患であることはよく知られている.統合失調症や双極性障害の遺伝要因の指標である遺伝率は80%程度,うつ病のそれは40%程度と概算されている.
・NGSによるWES/WGSの進展により頻度の高い遺伝子多型から頻度の低い変異まで様々な“遺伝要因”が同定された.遺伝要因と環境要因の絡みによりリスクとなる遺伝-環境相互作用にも着目する必要がある.
・本特集では,精神疾患の遺伝-環境相互作用,あるいは環境要因をテーマとし,古くて新しい知見をエキスパートが解説.疾患・薬物相互作用(cytochrome P450と喫煙)に関しても紹介していただく.
目次
はじめに(池田匡志)
うつ病における遺伝要因と環境要因(芦澤琢磨・他)
ひきこもりと精神疾患─従来の環境要因モデルから遺伝-環境相互作用モデルへ(加藤隆弘)
統合失調症の環境要因と遺伝-環境相互作用(長崎由佳子・他)
自閉スペクトラム症の遺伝-環境相互作用および環境要因(古川佐和子・他)
アルツハイマー病の遺伝-環境相互作用(小原知之)
心的外傷後ストレス障害(PTSD)における環境要因と遺伝-環境相互作用─逆境的小児期体験に着目した検討(堀 弘明)
精神科領域の薬物相互作用─統合失調症患者における喫煙の影響を含めた薬物動態学的相互作用(前田仁志・他)
環境要因としてとらえた精神療法の治療反応性予測(木村大樹・池田匡志)
TOPICS
神経精神医学 周産期の精神障害─精神科と産科との協働(竹内 崇)
眼科学 過去の肥満は記憶されている─一度肥満になると肥満解消後も神経炎症増悪のリスクは継続する(畑 匡侑)
連載
医療システムの質・効率・公正─医療経済学の新たな展開(23)
くすりの費用対効果・価値評価─認知症抗体薬の評価とともに(五十嵐 中)
遺伝カウンセリング─その価値と今後(13)
多因子疾患の遺伝カウンセリング(松ア佐和子)
臨床医のための微生物学講座(3)
梅毒トレポネーマ(橋 聡)
FORUM
世界の食生活(12) 地中海料理の挑戦─食と健康の関係を考え直す(宇田川妙子)
死を看取る─死因究明の場にて(4) 生と死の境界線(4)(大澤資樹)
数理で理解する発がん(8) 決定論的過程と確率過程(中林 潤)
次号の特集予告
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