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259巻11号 2016年12月10日
未診断疾患イニシアチブ(IRUD)
はじめに
AYUMI 未診断疾患イニシアチブ(IRUD) はじめに 松原洋一
  “未診断疾患イニシアチブ(Initiative on Rare and Undiagnosed Diseases:IRUD)”は,一言でいうと“希少難病の患者に向けたパーソナルゲノムに基づく個別医療の実践”である.具体的には,日本全国の診断がつかずに悩んでいる患者(未診断疾患患者)を対象に,最先端の遺伝学的解析と国内外のデータ共有によって診断を確定するとともに,その研究成果を難病研究に活用する研究事業である.医療分野の研究開発を目的として新設された日本医療研究開発機構(AMED)が主導する形で,平成27年(2015)に開始された.現在,小児・成人各領域の患者に対して解析が進み,多くの患者の診療に直接役立てられている.また,これまでに知られていない新しい疾患概念やあらたな病因遺伝子もつぎつぎと発見されてきている.これらの知見が難病の治療法開発や創薬に結びつくことが期待されている.
 このIRUD(通称アイラッド)の対象となる疾患の中心は“希少難病”である.希少難病はその希少さゆえに主治医は経験したことがなく,診断に至るまで暗中模索の状態が続く.診断が確定するまで患者とその主治医は診療方針を立てる出発点にも立てないまま,闇の中を彷徨うことになる.さまざまな医療機関を転々とし,同じような検査(その多くは残念ながら的外れか,隔靴掻痒で診断には至らない)を繰り返し受けることもまれではない.
 希少疾患では,遺伝子の異常が原因となっていることが多い(とくに小児の場合)が,近年著しい進展を遂げた遺伝子解析技術を用いることによって,患者のすべての遺伝子を隅から隅まで網羅的に解析し,一挙に診断に到達することが可能になった.このことは疾患研究におけるパラダイムシフトを引き起こしている.すなわち,ある特定の疾患(群)を対象とした研究から,個々の患者を対象とした研究への転換である.パーソナルゲノムに基づく個別医療の実践が提唱されてから久しいが,ようやくゲノム医学・遺伝医学の進歩を直接多くの患者に還元できる時代がやってきた.IRUDが多くの患者に光明をもたらすとともに,難病克服研究が進展することを願ってやまない.
目 次
成人IRUDの体制と展望……橋祐二・水澤英洋 詳細
小児のIRUD(IRUD-P)……要匡 詳細
海外における希少疾患研究・未診断疾患の動向と国際間データ共有……小崎健次郎 詳細
周産期におけるIRUD……右田王介・秦健一郎 詳細
東海地区におけるIRUDの取組み……齋藤伸治 詳細
全国遺伝子医療部門連絡会議とIRUD……福嶋義光 詳細
次世代シークエンスにおける最近の動向……岩間一浩・松本直通 詳細
希少難病研究に基づく一般薬の創薬……松原洋一 詳細
TOPICS
【免疫学】
粘膜の死細胞――CD300a免疫受容体による免疫応答の制御……小田ちぐさ・渋谷彰 
【再生医学】
ヒト多能性幹細胞から脳・脊髄の任意領域のニューロンへの誘導技術……赤松和土 
【薬理学・毒性学】
有害事象ビッグデータから副作用の分子メカニズムを解明……金子周司 
連載
【グローバル感染症最前線――NTDsの先へ】
14.メタボロゲノミクスによる腸内細菌叢の機能理解……福田真嗣 
フォーラム
大学病院における口腔ケアの実践――歯科の視点から……松尾浩一郎
【病院建築への誘い――医療者と病院建築のかかわりを考える】
Vol.1……亀谷佳保里 
【パリから見えるこの世界】
51.ディオゲネス,あるいは「率直に語る」ということ……矢倉英隆 
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未診断疾患イニシアチブ(IRUD)
259巻11号 2016年12月10日
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雑誌コード:20472-12/10
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