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259巻2号 2016年10月8日
Pathogenic T cells
−病原性T細胞
はじめに
AYUMI Pathogenic T cells――病原性T細胞 はじめに 中山俊憲
  多くの難治性の慢性炎症疾患,たとえば自己免疫疾患やアレルギー疾患は,免疫系の統御機構の破綻や不全で起こると考えられている.自己抗原特異的な自己反応性T細胞や自己抗体を産生するB細胞,アレルゲン特異的な2型ヘルパーT細胞(Th2細胞)などが関与する.これらの炎症疾患を起こす,いわば“病原性の免疫細胞”が疾患の病態と密接な関係があることはよくわかっているが,どのようにして生まれ,維持され,いかなる条件下で疾患の発症にかかわり,病態形成や遷延化に関与しているのか,いぜんとして不明の点が多い.
 CD4陽性のヘルパーT細胞はいくつかの機能的細胞分画に分かれ(Th1,Th2,Th17など),それぞれが特徴的なサイトカイン(Th1:IFN-γ,Th2:IL-4,IL-5,IL-13,Th17:IL-17など)を産生し,違ったストラテジーで病原微生物に対して生体防御免疫反応を起こす.これらの機能的Th細胞は一方では違った炎症疾患(Th1,Th17:自己免疫疾患,Th2:アレルギー性炎症)の発症,病態形成と密接な関連があることもわかっている.
 これまではTh1/Th2などの細胞分画間のバランスの偏りによってそれぞれの疾患が起こる,という考え方が信じられていたが,著者らは動物およびヒトの炎症巣に浸潤している細胞の解析から,末梢組織で記憶T細胞の段階で性質の異なる病原性Th細胞が生まれこれらの炎症疾患が起こる,言い換えればTh1病,Th2病,Th17病とよばれる炎症疾患はそれぞれ,病原性Th1細胞,病原性Th2細胞,病原性Th17細胞が,発症や病態形成,遷延化に大きな役割を果たしている,という考え方“Pathogenic Th population disease induction model”を提唱している.最近,海外からも好酸球性食道炎などの患者で,同様なPathogenic Th2細胞の発見があいついでいる.
 今回の特集では,難治性の慢性炎症疾患である自己免疫疾患やアレルギー疾患と病原性T細胞に関して,わが国で最先端の研究をリードしている研究者の方々に,それぞれの研究対象となっている疾患を誘導する病原性T細胞の特徴,発症や遷延化にかかわる作用機序,疾患制御の観点からの治療への展望などをまとめていただいた.この領域のさらなる研究の進展や病態の理解の一助になればと思っている.
目 次
病原性記憶Th2細胞による慢性気道炎症の誘導および維持機構……篠田健太・中山俊憲 詳細
慢性副鼻腔炎の病態とPathogenic Th2細胞……岡本美孝・飯沼智久 詳細
神経炎症疾患と病原性T細胞……宮本勝一・楠進 詳細
天疱瘡におけるデスモグレイン3特異的T細胞の臓器を越えた病原的役割……高橋勇人・天谷雅行 詳細
関節炎誘導性の病原性Th17細胞……小松紀子・高柳広 詳細
病原性メモリーTh17細胞による急性組織傷害……吉村昭彦・他 詳細
自己免疫性関節炎と病原性T細胞……秋津葵・岩倉洋一郎 詳細
病原性T細胞の中枢神経系への侵入調節機構……上村大輔・村上正晃 詳細
シェーグレン症候群と病原性CD4T細胞……住田孝之 詳細
TOPICS
【細菌学・ウイルス学】
ヒトゲノム内のRNAウイルス由来配列の制御機構と機能……朝長啓造 
【麻酔科学】
幻肢痛と神経リハビリテーション……住谷昌彦・大住倫弘 
【薬剤学】
低分子オレキシン作動薬の創出──ナルコレプシー治療薬開発に向けて……長瀬博 
連載
【グローバル感染症最前線――NTDsの先へ】
8.マラリアワクチン開発──BK-SE36マラリアワクチンの臨床開発……堀井俊宏 
フォーラム
【パリから見えるこの世界】
49.スートゥナンス,そして学生であるということ……矢倉英隆 
【医療機関のダイバーシティ】
6.宮崎県における女性医師保育支援サービス……荒木早苗 
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Pathogenic T cells
259巻2号 2016年10月8日
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