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239巻8号 2011年11月19日
幹細胞由来成長因子を用いたあらたな再生医療
はじめに
AYUMI 幹細胞由来成長因子を用いたあらたな再生医療 はじめに 上田実
  組織・臓器の再生では幹細胞が主役で,それを助ける脇役として足場材料や信号分子がある,とされてきた.幹細胞を移植すると,その場所で必要とされる細胞に分化・増殖し,骨や皮膚,ときには心筋や神経のような自然治癒しにくい組織ですら再生すると考えられた.そしてもっとも優れた幹細胞はES 細胞やiPS 細胞のような万能細胞であると.
 しかし,移植された幹細胞による組織再生のメカニズムはよく分からないというのが実情である.こうしたなか幹細胞のパラクライン因子が注目を集めるようになった.再生医療の基本戦略である幹細胞移植では,実は幹細胞の分泌するサイトカインが重要であり,これらが内在性幹細胞を動員し組織実質を再構築するのではないか,と考えられるようになった.この仮説は組織再生における幹細胞の役割について,あらたな視点を提示するものである.
 本特集のなかで紹介された研究は,幹細胞から培養上清中に分泌された蛋白が,幹細胞の移植と同等あるいはそれ以上の再生効果をもつことを,さまざまな組織で実証している.であるならば組織再生には幹細胞の移植はかならずしも必要ではなく,幹細胞由来の成長因子の投与だけで十分であることを意味しており,cell free の再生医療が実現できるかもしれない.
 幹細胞由来成長因子による再生は,これまでにも試みられきた遺伝子組換え単一成長因子による再生とは大きく異なる.幹細胞から分泌される成長因子は,著者らが検索しただけでも100 種類以上に上るからである.これら複合蛋白が組織再生の過程でどのような機能を果たしているのかはいまだ検索中である.しかし,より生理的で効率的な組織再生には,こうした複合蛋白の多段的な影響が重要であると著者は考えている.
 幹細胞由来成長因子によるあらたな再生医療は,幹細胞移植を伴わないゆえに多くの利点があり,実用化への道が一気に近づくことが期待される.
目 次
幹細胞は必要か?……上田実 詳細
骨形成蛋白質(BMP)を用いた骨組織の再生医療……朝比奈泉 詳細
細胞増殖因子と唾液腺の再生――FGFと唾液腺の再生……上松隆司・各務秀明 詳細
歯周組織再生療法の現状と展望――FGF-2を用いたサイトカイン療法,そして細胞治療への展開の可能性……村上伸也 詳細
幹細胞由来成長因子を用いた骨再生医療――内在性幹細胞に働きかける新しいコンセプトの骨再生医療……片桐渉 詳細
歯髄幹細胞由来成長因子を用いた脳梗塞の再生医療……服部宇 詳細
歯髄幹細胞を用いた脊髄損傷の再生医療……山本朗仁・酒井陽 詳細
幹細胞由来成長因子を用いた皮膚の再生医療……西野雄大 詳細
TOPICS
【癌・腫瘍学】
ピロリ菌癌蛋白質CagAが機能模倣する宿主蛋白質の発見……畠山昌則 
【循環器内科学】
病的心におけるCa2+チャネルリモデリングとその意義……桑原宏一郎・中尾一和 
【腎臓内科学】
ROADMAP試験……伊藤貞嘉 
フォーラム
特別鼎談 Vol.1 研究留学──Ten years after 門川俊明×広田喜一×島岡 要 立ち読み
幹細胞由来成長因子を用いたあらたな再生医療
239巻8号 2011年11月19日
週刊(B5判,70頁)
発行時参考価格 1,000円
注文コード:923908
雑誌コード:20473-11/19
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