2026/10/27
10月25日,Kerr Esthetic Forum in Japanがグランフロント大阪北館4階ナレッジシアター(大阪市北区)で開催された.主催はエンビスタジャパン株式会社,座長は南 昌宏氏(医療法人 皓隆会 南歯科医院).テーマは「歯の色調マネジメントとダイレクトボンディングの相乗効果―歯科医師と歯科衛生士で創る理想的な審美の追求―」.
開会にあたり南氏が,色の三属性や歯の色調の特徴など,本フォーラムの基礎となる知識を解説した.
講演1では,南野卓也氏(医療法人一祥会 Nao歯科・矯正歯科)が「予防発想で変わる審美修復の意思決定―臨床家が実践する色調マネジメントとMIダイレクトボンディング―」と題し,歯の位置,色,形の順に整えることで切削量を最小限に抑える治療戦略を症例とともに示した.また,コンポジットレジンは同じ材料で補修できるため,患者のライフステージに合わせて修正を重ねられる点に意義があると述べた.
講演2では,歯科衛生士の高木佐知子氏(たかぎ歯科医院 歯科衛生士)が「色を整える,結果を変える―歯科医師との連携で最大化する予防主導型色調マネジメント―」と題し,ホワイトニングやダイレクトボンディングの前後に歯科衛生士が担う役割を解説した.患者の希望や術前の色調,修復物の有無などを歯科医師へ報告する際の伝え方や,同一条件での色調記録のポイントを紹介し,治療方針は歯科医師と共有して決定することの重要性を強調した.
講演3では,青島徹児氏(青島デンタルオフィス)が「色調を読み解き,長期安定へ導く―ダイレクトボンディングにおける審美・予防の統合戦略―」と題し,10年以上の長期経過症例を多数提示した.経年で生じた問題に対し,全体をやり直さず部分的なリペアで対応できる直接修復の利点を示したほか,明度を基準とした色調の捉え方や偏光フィルターを用いた記録法についても解説した.
最後に南氏が「審美は“治療”から“医療”へ―予防・色調・修復を統合したこれからの臨床戦略―」と題して総括講演を行った.再治療の繰り返しにより歯質を大きく失った長期症例を示し,直接修復は破損しても追加で対応できる一方,間接修復は脱離や再根管治療など重い段階に進みやすいと指摘.歯質保存の重要性をあらためて強調し,フォーラムを締めくくった.