2026/10/17
10月16日(金),17日(土)の両日,広島国際会議場(広島市中区)にて標記大会が「初志貫徹」をテーマに開催された(大会長:水野智仁氏・広大).
リグロス10周年記念シンポジウム『FGF-2製剤の10年を振り返る:到達点と今後の展望』(座長:村上伸也氏・阪大)では,北村正博氏(大阪府)が「日本初の歯周組織再生剤(FGF-2製剤)誕生の歴史をひも解いて」と題し,同製剤上市に至る臨床研究・試験や製品化に向けた問題点をクリアした過程を述べ,さらに臨床試験での投与から17年を経て良好な成績を維持する症例を供覧したほか,軟組織の硬結・肥厚への対応について注意を促した.
今村健太郎氏(東歯大)は「基礎・臨床のエビデンスから紐解くFGF-2製剤の単独使用と骨補填材併用療法」と題し,同製剤の単独使用および骨補填材との併用療法に関する選択基準を同大発の研究結果より考察し,さらに今後の展望として3度の根分岐部病変といった難症例への適応拡大と再現性の検証,足場・担体材料の特性を踏まえた使用,長期的な臨床成績の確認が求められるとした.
池上龍朗氏(福岡県)は「リグロスの使い方の現在、そしてこれから~最適化された術式の模索~」と題し,日本臨床歯周病学会学術委員会にて実施した同製剤の臨床研究結果をもとにした,同製剤応用を前提とした臨床術式について検討.フラップデザインは歯間乳頭温存型切開とし,単独使用でも骨壁数に影響を受けず根分岐部病変症例での高い治療効果が見込めるとした一方,副反応の回避と防止策の確立も求められること,副反応の事象を冷静に観察し対処すべきことも訴えた.
特別講演3「歯周基本治療,切除療法,そして再生療法が織りなす現在のペリオドントロジー」(座長:白方良典氏・鹿大)では,大月基弘氏(大阪府)がすべての治療の基盤となる歯周基本治療の重要性とその効果について,侵襲性歯周炎などの重度歯周炎症例をもとに古典・最新研究も交えて解説.ペリオのハイリスク症例であっても正しい診断と治療方針をもとにした非外科的治療を行うことで優れた治療成果が望めるとした.さらに清掃性やメインテナンス性を高めてセルフケアを可能にする確実な選択肢としての切除療法の有効性を根分岐病変症例への対応を通じて示したうえで,現代の歯周病学の到達点としての,軟組織の審美性にも配慮した歯周組織再生療法について,歯間乳頭温存型切開が選択される潮流も踏まえた臨床例を供覧した.