2026/06/22
6月21日(日),筑紫歯科医師会館(福岡県春日市)にて,PABC合同例会が開催された(主宰・安東俊夫氏・福岡県大野城市・安東歯科医院).
基礎から臨床を見つめ研鑽することを目的として2007年に設立されたPABC(Perio and Basic Club)は1年に一度,通常は別々に開催しているPABC1,PABC2の2グループが合同で例会を行っている.
4回目の開催となる本年は,5名の会員発表と,倉富 覚、氏(北九州市小倉南区・くらとみ歯科クリニック)による特別講演が行われた.
会員発表は以下の5演題のもと,白熱したディスカッションが展開された.
「PABCに所属して臨床で変わったこと」富永孝典氏(PABC2,山口県下関市・永富歯科医院)
「インビザラインで開咬を治す~MEAW~理論を応用して」今井 光氏(PABC1,福岡県飯塚市・ハート歯科クリニックいまい)
「インプラント治療におけるカンチレバー補綴について」的野良就氏(PABC2,福岡市中央区・的野歯科医院)
「インプラント治療の成功を目指して」加茂公平氏(PABC1,福岡市博多区・加茂歯科医院)
「歯周治療を通じて感じる喜びと責務」中野彰博氏(PABC2,福岡県春日市・たからまち歯科クリニック)
冨永氏は,PABC入会,医院継承というイベントを経ての自身の臨床の変化を,「試料採取」「根管治療」の面から整理.
今井氏は,開咬症例への対応について,MEAW理論に基づいたアーチワイヤーによるアプローチの成果と限界を示すとともに,インビザライン併用の可能性について,実例をもとに解説した.
的野氏は,インプラントによる欠損補綴のデザインとしてカンチレバータイプを用いることの是非について,文献ベースでの整理とともに,実際例の経過報告から考察した.
加茂氏は,インプラント治療は「生存率」ではなく「成功率」で評価すべきとしたうえで,その長期安定性を実現させるための,埋入術式・デザインのあるべき姿を提示した.
中野氏は,患者との一生のお付き合いにもなりうる歯周治療においては,理論や術式への精通だけでなく,患者との信頼関係など歯科医院のシステム全体が問われるとしたうえで,現状での到達点を紹介した.
倉富氏による特別講演「教科書では教わらない歯内療法の臨床」では,難症例となりやすいエンド治療をその原因から分析するとともに,この場でしか聞けない臨床のヒントを多数織り交ぜての講演となった.