2026/06/21
6月20日(土),21日(日),札幌コンベンションセンター(札幌市白石区)にて標記大会が「ペリオコタン ~人生100年時代の治療戦略~」をテーマに開催された(大会長:鳥井優樹氏・北海道).
20日に行われたシンポジウム1『人生100年時代。ペリオドンティストが描く治療戦略』(座長:神山剛史氏・埼玉県,水上哲也氏・福岡県)に登壇した大月基弘氏(大阪府)は「人生100年時代に生きるペリオドンティストの価値」と題し,超高齢社会における一般歯科医師(GP)と歯周病専門医に課せられた責務について考察.特に後者について,かつてはホープレスと考えられてきた歯を残せるようになったこと,重度歯周炎に罹患していた歯を適切な非外科的治療や歯周組織再生療法によって健康で機能的な状態に戻せるようになったこと,歯周形成外科の進歩によって患者が望む審美的要求に応えられるようになったことを踏まえて,患者のライフステージを俯瞰して10~30年後の長期経過まで見通したうえで,患者の要求をどのように達成したいかについて,患者と共に考えることが重要とした.
21日(日)に行われたシンポジウム2「健康寿命に寄与する歯科治療 私達がしてきた事」では,宮本泰和氏(京都府),金子 至氏(長野県),米山武義氏(静岡県)らが登壇(座長:古市保志氏/北海道医療大学,光銭裕二氏/北海道).
超高齢社会の現在に求められている歯科治療のあり方として,宮本氏がホープレス歯への対応について症例を元に取り組みを語ったほか,金子氏が患者の加齢に寄り添った対応について,特にプラークコントロールや歯周基本治療を大切にしてきた自院の歩みと絡めて解説した.また,米山氏は,1970年代の“置き去りにされた高齢者の口腔内”を目の当たりにした実体験を紹介しながら,個人差・機能低下・全身疾患などの難題がある高齢者の口腔内に継続的に関わり続けるしくみが必要であると力説した.
シンポジウム2「健康寿命に寄与する歯科治療 私達がしてきた事」
シンポジウム2の会場の様子
モーニングセッション「歯の保存からはじまる歯周治療戦略~過不足のない介入と未来予測に基づく長期安定へのアプローチ~」では,斎田寛之氏(埼玉県)が,難易度・治癒ののしやすさの予測に応じた歯周治療の長期的な戦略について症例に基づいて解説.“歯の保存”を目指すことが前提ではあるが,特に若年患者においては審美性への配慮が必要になること,戦略的に歯周治療と矯正治療を組み合わせることの必要性,咬合崩壊患者においては歯周病と咬合の安定の両輪で対応することがQOLに直結することなど,幅広い視点から歯周治療の戦略が語られた.
認定歯科衛生士限定CECプラチナム講演会 では,「エビデンスに基づく非外科治療とメインテナンスの実践」と題して,星 嵩氏(新潟県)が講演.「非外科治療でどこまで対応できるか」「再SRPの効果」「適切なメインテナンスの感覚」など歯科衛生士の臨床に関わるエビデンスを紹介しつつも,患者や術者には個別性があることから,実臨床においてはエビデンスを元に個別の患者に対して適確な臨床的な判断を重ねることの重要性を協調した.