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NPO法人POIC研究会 第14回 総会記念講演会 開催される
 4月26日(日),NPO法人POIC研究会 第14回 総会記念講演会が「医科歯科連携で臨む 誤嚥性肺炎予防への挑戦!」をテーマに,現地とオンラインにて開催された(会場:アットビジネスセンター新橋駅前/東京都港区).
 午前中にはPOIC研究会活動報告として,同会会長の米山武義氏(静岡県・米山歯科クリニック)をはじめ,同会理事の大山吉徳氏,舘 信昭氏が登壇し,POICウォーターの臨床パイロット試験研究計画について,東京大学大学院口腔顎顔面外科学の星 和人氏が登壇した. 

 午後には,基調講演および記念講演が行われた.
 基調講演「誤嚥性肺炎予防は歯科のミッション」では,米山武義氏(同上/歯科医師)が登壇し,1999年にLancet誌に掲載された「口腔ケアと誤嚥性肺炎予防」に関する研究内容として,改めて,誤嚥性肺炎は口腔内細菌が主因となり,口腔ケア介入により発熱や肺炎発症が有意に減少することを示した.また現在,肺炎治療は確立されつつあるものの,肺炎予防への取り組みは十分とはいえず,「成人肺炎治療ガイドライン2024」にも示されている通り,医科歯科連携のもと,肺炎球菌ワクチン接種と口腔ケアの両輪により,予防を実現していくことが重要であると解説した.高齢者が地域で安心して生活していくための基盤として,またAMR対策としても,今後さらに口腔ケアの重要性は増し,その担い手としての対応が歯科界に求められていることを強調した.

 特別講演1では「『成人肺炎診療ガイドライン2024』の解説と誤嚥性肺炎治療の実際」と題して,丸山貴也氏(三重県立一志病院 院長/医師)が登壇した.日本呼吸器学会による上記ガイドライン作成時,肺炎予防において口腔ケアは統計的に「強く推奨」という提案が出されたものの,現実的なマンパワーの問題から,最終的には「弱く推奨」に至った経緯が解説された.医科における肺炎の定義や標準的な治療方法,誤嚥性肺炎の原因微生物等について解説したうえで,肺炎予防としては,口腔ケアによる口腔内細菌叢の管理に加え,肺炎球菌ワクチンやインフルエンザワクチンなどの併用が有効であり,両者を組み合わせることで発症抑制効果が高まるとした.また,口腔ケアは肺炎予防にとどまらず,糖尿病や心血管疾患などの全身疾患とも関連し,医療経済的にも大きな効果をもたらす可能性が示された.今後は診療報酬制度や医療政策のなかで,口腔管理の位置づけを強化する必要性などが指摘された.

 特別講演2では「医療・介護現場における誤嚥性肺炎予防の実際」と題し,文字山穂瑞氏(東京西の森歯科衛生士専門学校,西東京口腔ケアステーション/歯科衛生士)が登壇した.8020達成者が60%以上となった現在,口腔内環境は複雑化しており,要介護者では残存歯や義歯が細菌の温床となっているケースが増加していることから,継続的な管理の重要性を示した.また,氏が実際に行っている口腔衛生管理(口腔ケア)および口腔機能管理の実例をもとに詳説し,口腔内評価では,歯・粘膜・舌・歯肉の状態に加え,全身状態や嚥下機能を含めた評価を行い,SpO2や意識レベルなどを確認しながら,姿勢調整,声かけ,吸引,保湿,ブラッシングといった適切な手技を選択することが重要であること,患者の状態に応じた個別対応が求められること等が示された.歯科衛生士は,他職種連携や継続的な関わりを通じて,患者の誤嚥性肺炎リスクを低減し,QOL向上に寄与できることを示すとともに,口腔衛生管理の手法を他職種や介助者に伝えることも重要な役割であるとまとめた.

 講演後にはパネルディスカッションが行われ,活発な意見交換がなされた.



会場内の様子
左から,文字山氏,丸山氏,米山氏

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