2026/03/16
3月15日(日),標記会が浅草橋ヒューリックホール&ヒューリックカンファレンス(東京都)にて「次世代への継承Ⅳ」をテーマに開催された.
午前の部の会員発表では4名の演者が登壇.
平木智光氏(富山県)は「上顎前歯部にPET(Partial Extraction Therapy)を用いてインプラント治療を行った症例の考察」をテーマに上顎前歯部に保存不可能な歯が存在しインプラント治療を介入する症例にSST(ソケットシールドテクニック)を施した症例を中心に発表.SSTの合併症発生率の高さに言及しつつ,結合組織移植の併用にて歯根露出を防ぎながら唇側の歯肉の温存が可能であることを示した.
古橋拓哉氏(静岡県)は「義歯・インプラントを用いて咬合再構成を行った症例」と題し,義歯未経験の54歳女性に対し,患者と十分に相談・検討を重ねたうえで上顎をオーバーデンチャー,下顎をインプラント支持の固定性補綴にて咬合再構成を行った症例を紹介.治療初期に暫間義歯にて装着感を体験してもらいながら積極的な治療を開始するなど,治療のなかで患者と補綴設計を擦り合わせいく姿勢の重要性を示した.
馬庭 望氏(兵庫県)は「審美領域インプラント周囲軟組織裂開症例に対して,リカバリーを行った一症例」をテーマに,他院でのインプラント埋入後,軟組織の裂開など審美的トラブルを有する症例に対しての軟組織と補綴装置の変更にてリカバリーを行った症例を提示.インプラントポジションが頬側に偏位している場合の再建外科での対応について治療介入の指針を示した.
小貫裕之氏(千葉県)は「審美障害を持つ前歯部複合欠損症例に対し,硬・軟組織造成にてリカバリーを行ったインプラント症例」と題し,前歯部の審美障害および歯根破折を主訴に来院した患者に対し段階的硬・軟組織マネジメントを行った症例を供覧.唇側骨厚の確保を意識したインプラントの三次元的位置を考慮し,必要に応じて軟組織造成を併用することで審美障害を回避できたことを報告した.
午後の部では3名のコースインストラクターが登壇.
荒谷昌利氏(埼玉県)は「DIAGNOSIS…DIAGNOSIS…DIAGNOSIS」と題し包括的な咬合再構成治療における診断について,3つの全顎矯正歯科治療症例を供覧して考察.顎位・アンテリアガイダンス・咬合のすべてが安定した状態を再構築することが患者にとっての最適な咬合再構成治療である,とした.
椛沢岳芳氏(神奈川県)は「既根管治療歯の予後のためにすべきこと~支台築造と歯質の可及的保存を考える~」のテーマで登壇.既根管治療歯をどのように評価し,修復や補綴を行うのか.根管治療から歯冠修復および歯冠補綴へと移行する中継地点となる支台築造に焦点をあてて,長期の安定性のために考えるべきことを整理した.
最後に石川 亮氏(兵庫県)が「エンド・ペリオ病変,恐るるに足らず」で登壇.エンド・ペリオ病変の定義と分類法について丁寧におさらいしたうえで,病因(感染経路)に基づく診断,段階的介入,再評価,再生療法の適応という流れについてフローチャート等も用いつつ解説.臨床例を通して根管治療の成功基準と再生療法の適応と成功条件,抜歯基準の線引きを検討した.