2025/11/11
11月6日(木),7日(金),出島メッセ長崎(長崎県長崎市)にて標記大会が「歯科保存 Catch Up」をテーマに開催された(大会長:吉村篤利氏・長大).
学会主導型シンポジウム「マイクロスコープで挑む―歯内・修復・歯周治療の新たな展開―」(座長:和田尚久氏・九大,増田宣子氏・松歯大)では,はじめに北村和夫氏(日歯大附属病院)が「根尖性歯周炎に対する新たな治療アプローチ:蛍光補助根管治療」と題し,髄質開拡後に傾向観察モジュール搭載手術用顕微鏡を用いることで自己蛍光領域=感染領域をリアルタイムに可視化でき歯内治療の予知性向上に資するとした.
樋口 惣氏(福岡県)は「マイクロスコープで挑む、マトリックスフリー隣接面修復の新提案」と題し,2級CR修復においてマトリックスシステムを用いず,歯間セパレーターにて離開後にフロアブルコンポジットレジンの表面張力を活かして窩洞に適合し隣接面コンタクトを回復する手法などについて解説した.
山口文誉氏(神奈川県)は「ペリオドンタルマイクロサージェリーによる低侵襲歯周外科治療」と題し,3つの異なるシチュエーションにおいて歯周組織再生療法を行った症例を通じ,外科処置を拡大視野下にて行うことによって1つひとつのステップを精密に確認でき,治療の成功率向上に寄与すると語った.
特別講演2「離島で模索する新たな医療体制」(座長:北村知昭氏・九歯大)では前田隆浩氏(長大・医)が,長崎県五島市の福江島および周辺二次離島における医療アプローチへの困難な状況を克服する取り組みとして同大が行っている,オンライン診療やドローンを用いた医薬品・検体搬送の実証実験を通じた可能性や課題について述べた.