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日本咀嚼学会第36回学術大会 開催される
9月14日(日),15日(月・祝),北海道医療大学当別キャンパス(北海道石狩郡)にて,日本咀嚼学会第36回学術大会が「健全な咀嚼を守る」をメインテーマに開催された(大会長:越野寿氏・北医大).

特別講演「認知症を有する高齢者の“食”を守る―環境・ケア・尊厳―」では,山田律子氏(北医大・看護福祉学部)が登壇.加齢に伴う各種の感覚機能の変化が,高齢者の食に及ぼす影響について解説.とりわけ認知症患者でのケアにおいては“食”環境を整えることが求められるとし,実際のケアの現場でのさまざまなアイデア,ヒントを多数紹介した.

シンポジウムは「避難所における咀嚼を守る」がテーマ.冒頭に越野氏は,初めて歯科支援が実施された1993年北海道南西沖地震からこれまでの,大規模災害における口腔保健支援の変遷を解説.被災者の義歯新製に始まり,肺炎予防と口腔ケアへの着目,多職種連携の重要性,そして食支援へとつながる経緯が共有された.服部佳功氏(東北大)は「被災地の食を守るため,歯科に何ができるか」との演題にて,東日本大震災における支援活動の経験を報告.末永智美氏(北海道歯科衛生士会)は「災害時における口腔健康支援の実際」のテーマにて,北海道胆振東部地震における避難所支援活動の経験を,歯科衛生士の立場から報告.田中智美氏(手稲渓仁会病院)は「避難所の咀嚼を考える」との演題にて,2024年能登半島地震における食支援の実態と課題を,栄養士の立場から整理した.
特に発災直後においては,歯科のニーズが伝わりにくい実態があるとし,丁寧にニーズを拾い上げる必要があるとする一方で,アセスメント疲れの問題などへの配慮も求められるとした.「してほしいことをしてほしいタイミング」で行う支援のためには,多職種間の連携こそがベースとなること,それは平時からの取り組みがあって初めて機能することが確認された.


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