2025/07/11
2025年6月22日(日),大阪・関西万博TEAM EXPOパビリオンにて,くちのトレーニング(くちトレ)が可能なゲームアプリ「PaTaKaRUSH®(パタカラッシュ)」を活用したイベントが開催され,多くの来場者で賑わった.このイベントはゲームの開発元である株式会社アイキャット(以下iCAT)が,企業や自治体,大学,歯科医師会との共創を通して実現したもので,デジタル技術を用いた新しい健口増進の形を提示した.
展示ブースでは,iCATがさまざまな企業・自治体・大学・歯科医師会とコラボしたゲームステージが披露され,モニタに映し出されたゲームに合わせ,来場者が「パ」「タ」「カ」「ラ」と発声.子どもから高齢者まで幅広い世代が夢中になって口を動かし,ゲームを体験した.また,ステージにおいては,大型スクリーンに複数名のプレイ画面を同時に映し出し,発声の正確さや速さを競う「パタカラ選手権」も開催され,会場は熱気に包まれた.
「PaTaKaRUSH®」は一般向けには無料ダウンロードで提供されているが,歯科医院向けには,複数の患者の検査履歴やトレーニング記録をクラウドで一元管理できるサブスクリプションサービスとして提供されている.口腔機能低下症や口腔機能発達不全症の患者に対して,通常の滑舌検査(オーラルディアドコキネシス)や構音機能検査はもちろん,くちトレ(歯科口腔リハビリテーション料3を算定可能)やオンライン診療にも活用できる.そのため,口腔機能の評価から介入,経過観察までをシームレスにサポートすることが可能となっている.
万博という国際的な舞台で,産官学民が一体となってオーラルフレイル予防の重要性を発信した本イベントは,国民のデンタルIQ向上に寄与するとともに,今後の歯科医院における口腔機能管理を加速させる一助となるであろう.