2025/06/09
6月7日(土),8日(日)の2日間,標記大会が東京国際フォーラム(東京都千代田区)にて,「踏襲から発展」をテーマに開催された(大会長:貞光謙一郎氏・奈良県).前回も同テーマでの開催となったが,今回は“発展”により重きを置いた演題を多く集めたことが開会式で明かされた.
また,ホールCで行われた開会式において,先月,日本補綴歯科学会との連携協定が結ばれたことが報告され,連携協定セレモニーに移行した.
その後,ホールCでは,Florin Cofar氏による特別講演「Interdisciplinary Design and Treatment Planning」では,審美歯科を専門とし,あらゆる症例に対して最小限の侵襲で修復治療を行ってきた演者が,治療ロードマップを描く際に特に留意すべき点について話した.
開催2日目午前のホールCでは,“審美と機能の充実”をテーマに,3名の演者が登壇した.
「審美修復治療における顔貌・口唇との 調和を考慮した診査・診断の重要性」の演題で登壇した南清和氏(大阪府)は,咬合審美修復治療においての勘所を説明したのち,歯科医師だけではなく歯科技工士との連携をしたうえで治療計画立案を行うことが大切であると強調した.
「審美と機能の充実を目指す咬合治療の考え方」の演題で登壇した大串奈津貴氏(福岡県)は,GPが矯正治療を取り入れる際に必要な診断のポイントについて,部分矯正,咬合誘導,全顎矯正のそれぞれの症例とともに供覧した.
「デジタル時代におけるベニア支台歯形成デザインの考え方」の演題で登壇した大河雅之氏(東京都)は,クラウン補綴に代替可能な治療法として認知されているベニア修復治療について,デジタルデンティストリーの潮流を踏まえて解説した.
開催2日目午後のホールB左側では,“矯正と咬合”をテーマに,4名の演者が登壇した.
「3Dダイレクトプリント形状記憶アライナーによるインターディシプリナリー治療」の演題で登壇した尾島賢治氏(東京都)は,欠損を伴う不正咬合の患者に対して,最新のアライナー矯正とインターディシプリナリー治療で対応した症例を供覧した.
「複雑な症例に対する包括的連携治療」の演題で登壇した山﨑長郎氏(東京都)は,矯正治療と補綴治療の双方が絡む複雑な症例について,分析を行いながら,治療ゴールを明確にして対応した実践を示した.
「審美と機能の両立」の演題で登壇した松崎浩成氏(茨城県)は,主にBolton分析を用いた適切な診断,適正なメカニクスの活用などの症例を紹介し,修復治療における選択肢を示した.
「咬合再建のための矯正治療の 臨床応用」の演題で登壇した渡辺隆史氏(福島県)は,咬合再構成を必要とする症例が長期的に良好な予後を得るために,治療計画のなかに矯正治療を取り入れることの重要性を示し,その実践について話した.