2025/03/25
2025年3月22日(土),23日(日),標記大会が「美の探求と伝承〜exploration and tradition〜」をテーマに開催された.
本大会はメイン会場とサブ会場のほか,スタディグループとの豊富なセッション企画を擁し,2日間にわたって活発な発表が行われた.
開催1日目のスタディグループセッションでは,豊歯会から山尾康暢氏(福岡県)が「Life stageを考慮した矯正治療」の演題で登壇した(座長:大串奈津貴氏,福岡県).実際の症例を通して,人生におけるそれぞれの段階において最善の治療選択を行うことが患者の QOL 向上に資することを強調した.
WDCからは西村和美氏(山口県)が「患者のライフステージを考慮した反対咬合症例へのアプローチ」の演題で登壇した(座長:大久保恵子氏,京都府).8020達成者に反対咬合の人がいないとされる報告に着眼し,ライフステージに考慮しながら実際に演者が行った反対咬合患者への咬合誘導,矯正治療,補綴治療,総合治療について話した.
開催2日目のDR DHコラボレーションでは,長谷川嘉昭氏,川崎律子氏(東京都中央区)が「病因検査に基づく歯周病診断と治療戦略」の演題で登壇し,病名分類の歴史的変遷を振り返りつつ,歯周病診断においてはあらゆる疾患との関連性を考える余地がある可能性を述べた.
講演「プロフェッショナルの流儀 難症例歯内歯周」では,2名の演者が登壇した.
「歯内治療を治癒に導くために必要な診断と治療」の演題で登壇した石川 亮氏(兵庫県)は,患者が抜歯をせざるを得なくなる状況までに治療介入できる機会について検討し,正確な診断と治療手技を実現させるための要点を話した.
「エンド難症例の攻略法」の演題で登壇した倉富 覚、氏(福岡県)は,“何が難症例たらしめているか”を冷静に分析し,文献をいかに活用して、どのような診断をくだし、根管 治療を行うかについて,自身の取り組みをもとに検討した.
このほか,2日目午後に行われたランチョンセミナーでは複数の演者が講演を行った.「GP が極める矯正治療 〜診断から始まる審美と機能の融合〜」の演題で登壇した大串奈津貴氏は,GP が日常臨床に矯正治療を取り入れる際に必要な「診断のポイント」を紹介しながら,治療計画の立案方法と実践的なアプローについて症例をもとに紹介した.
2日間を通して1,000名の来場者があり,大会は盛況のうちに幕を閉じた.