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第11回JUC発表会 開催される
12月1日(日),電気ビル共創館みらいホール(福岡市中央区)にて,第11回JUC発表会が400名を超える参加者のもと開催された(会長:馬場正英氏/福岡市,実行委員長:村川達也氏/福岡県).
メインテーマは「新時代のワークスタイルと歯科医療の融合」.時代の要請としての医療の効率化や価値観の多様化に対し,同会がこれまで培ってきた理念をどのようにリンクさせていくか,その検討が試みられた.
≪up-and-comingセッション≫は,丸山俊正氏(福岡市)による「Save Your Teeth~う蝕の管理と修復治療~ 」,甲斐大嘉氏(大分県)による「Dynamic 3D Navigationを使用したインプラント治療の臨床報告」の2演題.丸山氏はう蝕治療,修復治療において活用しているさまざまなツールを紹介するとともに.自院の患者データよりメインテナンスの効果を検証.甲斐氏は,動的ガイドシステムを用いたインプラント埋入の実際を紹介し,動的ガイドが有効となる臨床局面について考察した.
≪How toセミナー≫では,小川直子氏(福岡県糟屋郡)「知ってて良かった小児の診かた!~健全な歯列と口腔機能育成のための早期治療介入~」,小関亮介氏(沖縄県)「Bassi Logic™を活用した根管拡大形成のプロトコル」の2氏が登壇.小川氏は,小児の口腔機能育成においては,口腔内の正常・異常を見極める能力が求められるとし,この時期の適切な介入が生涯を通じた口腔機能の形成・維持のベースとなることを強調した.小関氏は,新しいNiTiファイルを導入した根管拡大形成の実際を紹介し,ハンドファイルとの使い分けについても言及した.
メインシンポジウムは,≪エンド・ペリオ≫≪修復・外科≫≪インプラント≫の3つパートにて,それぞれ新しい時代の歯科医療像が検討された.
≪Part1:エンド・ペリオ≫では,小林善郎氏(佐賀県)「新時代のワークスタイル~歯内療法編~」,土肥博幸氏(長崎県)「今求められる歯周治療を考える~絵空事にならないために~」がそれぞれ登壇.小林氏は歯内療法の領域における技術革新の成果としての「見える化」がもたらす功罪の分析から,最適化された歯内療法の姿について考察した.土肥氏は歯周治療領域においては患者の行動変容が治療の成否に直結するため,必ずしも効率化の文脈にそぐわない側面が大きいと強調.
≪Part2:修復・外科≫では,久木田大氏(熊本市)が「UPDATE:次の10年を見据えたデジタルワークフロー」と題し,歯科技工士減少のトレンドにおいては補綴修復領域はデジタル化による効率化が不可欠であるとしたうえで,自院でのデジタルデンティストリーの現状を紹介し,その可能性や課題を整理した.溝上宗久氏(福岡市)による「再生療法の効率化とその先を目指して」では,歯周外科領域においては,低侵襲な術式の技術習得と適切な術式選択による効率化が,患者の負担軽減をもたらすことを力説した.
≪Part3:インプラント≫では,金成雅彦氏(山口県)が登壇.「デジタル化されたインプラント補綴の可能性」との発表において,治療の質を維持したうえでの効率化が図られれば,術者・患者ともに納得のインプラント治療が達成されるとした.
シンポジウムの冒頭に,今回のメインテーマについて村川氏は「学術のスタディグループの発表会としてはチャレンジングな内容」との認識を示したが,昨年設立10周年を迎えた同会が,新たな10年のスタートにあたっての意気込みを示すにふさわしい,充実のプログラムであった.

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