2024/11/13
11月9日(土),明海大学浦安キャンパス(千葉県浦安市)にて標記大会が「―保険収載の今だからこそ―磁性アタッチメントの基礎と臨床を見直そう」をテーマに開催された(大会長:岡本和彦氏・明海大).
特別講演2「認知症治療の最前線 レカネマブの臨床応用について~分子標的治療への期待」(座長:鱒見進一氏・九歯大)では,栗橋健夫氏(神歯大横浜クリニック)が病態生理の解明された疾患に応用可能な分子標的治療について解説.その代表例として軽度認知障害,軽度のアルツハイマー型認知症の進行を抑制する認知症治療薬レケンビ(一般名レカネマブ)の作用機序と特徴を紹介した.
教育講演『磁性アタッチメントの多様性を再考しよう』(座長:武部 純氏・愛院大)では,まず和田淳一郎氏(科学大)が「保険収載を加味した磁性アタッチメントの適応症~安全で効果的な臨床応用の基礎と応用~」と題し,保険診療における磁性アタッチメントの特徴(キーパーボンディング法のみ,レジン床義歯にも適用)を踏まえた臨床応用の注意点として,適応症の見極めと窩洞形成,キーパー付根面板の形態の選択などが重要になるとした.
熊野弘一氏(愛院大)は「磁性アタッチメントの有髄歯への適応―歯冠外型磁性アタッチメントの変遷―」と題し,有髄歯を支台歯とする歯冠外型磁性アタッチメントに関する基礎研究や臨床例を通じて,補綴設計や口腔衛生管理のポイントを示した.
槙原絵理氏(九歯大)は「磁性アタッチメントを応用したMT冠の特徴について」と題し,磁性アタッチメントとコーヌステレスコープクラウンを組み合わせたMagnotelescopic crown(MT冠)応用に際するキーパー付根面板の形態,適用基準,形成や印象採得などの注意点をまとめた.
永田和裕氏(新潟県)は「保険・義歯修理での使用」と題し,磁性アタッチメントの緩圧性を活かした補綴設計の要諦を述べるとともに,将来的な支台トラブルへの増歯や全体的な咬合平面の修正・挙上への対応についても説明した.