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第16回 STEP発表会 開催される
 11月10日(日),標記発表会がパピヨン24ガスホール(福岡県福岡市)で開催された.STEPは田中秀樹氏が立ち上げたスタディグループで,11回目の発表会以降,R(主宰:徳永哲彦氏),PABC(主宰:安東俊夫氏)との共催で行われている.
 今年は「Denture―ライフステージに合わせた治療戦略―」をテーマに開催され,松田謙一氏(大阪府)の特別講演のほか,プランナーを中心に相互に関連し合うテーマで展開される3つのPartでの発表が行われた.
 Part1(プランナー:中野彰博氏,福岡県)は部分床義歯をテーマとした発表で,2名の演者が登壇した.
 「すれ違い咬合に対しリジットな義歯で対応した症例~長く使える義歯を目指して~」で登壇した髙橋武利氏(福岡県)は,若い頃に転倒して上顎前歯を欠損した高齢女性に義歯を製作した症例を示し,補綴後の不具合にどう対応するかを検討した.
 「オーバーデンチャーによるソフトランディング」で登壇した大淵善晃氏(福岡県)は,自身の症例を通して,欠損歯列を可能なかぎり重症化させることなく保存していくためには,オーバーデンチャーという選択肢があることを示したうえで,そのメリットを話した.
 Part2(プランナー:沖 斉賢氏,福岡県)は全部床義歯をテーマとした発表で,2名の演者が登壇した.
 「GPによる複製義歯を利用した総義歯製作」で登壇した冨田知孝氏(佐賀県)は,一般に経験の浅い術者では遭遇することの少ない総義歯治療においても,現義歯の複製義歯を個人トレーとして使用したりゴシックアーチ描記法を用いたりすることで良好な結果が得られる例を紹介した.
 「BPSシステムを応用した総義歯臨床~患者さんが自然な笑顔で楽しく食事ができる義歯の作成を目指して~」で登壇した田中 礼氏(福岡県)は,総義歯の臨床において,生体機能補綴機構を臨床応用することのメリットについて,明快なスライドとともに鮮やかに示した.
 Part3(プランナー:末宗清伸氏,福岡県)は訪問診療や要介護段階の患者に対する歯科のアプローチをテーマとした発表で,4名の演者が2題の発表を行った.
 「訪問治療における他職種~チーム医療の重要性~」で登壇した馬場 聡氏(福岡県),石井佑美氏(DH,福岡県)は,超高齢社会といわれる現状において訪問歯科診療が必要である点を示し,その際にあるべき他職種との連携の実際について語った.
 「ひとつの義歯が変えた未来~歯科衛生士としてできること~」で登壇した吹譯浩史氏(福岡県),手嶋真理菜氏(DH,福岡県)は,咀嚼できることが患者のモチベーションに直結していく実例をいくつも示し,殊に歯科衛生士にとって何ができるのか,歯科医院全体としてどんな体制が取れるのかについて,その実践を示した.
 特別講演「全部床義歯の安定を高めるキーポイント~印象採得と咬合採得のステップを見直そう」で登壇した松田謙一氏は,症例や文献を織り交ぜて適合と咬合が表裏一体であることを示したうえで,マクロの視点とミクロの視点から臨床におけるポイントを提示した.

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