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第1回 明海大学歯学部 歯科総合医症例発表会 開催される
 2024年10月20日(日),東京国際フォーラム(東京都千代田区)にて,標記発表会が開催された(会長:渡辺隆史氏,明海大学・朝日大学歯学部生涯研修部長).
 同生涯研修部では、高度な専門的知識と技術を持つ総合臨床歯科医師の育成目的として2014年度から歯科総合医育成コース認定医制度を開設し、総合医を誕生させた.今年度から,総合医らが一同に会して症例検討を行う「歯科総合医症例発表会」と行うこととした.本症例発表会は,その第一回目にあたる.
発表会終了後の講評を行う渡辺隆史氏
 「歯周炎により発音障害を伴う開咬が生じた1例」の演題で登壇した上松晃也氏(愛媛県)は,日常会話に支障を来すほどの重度の開咬症例を供覧し,治療計画立案について振り返った.
 「10mmを超える根尖病変に対し歯内療法を行った一症例」の演題で登壇した大串侑暉氏(福岡県)は,10mmを超える根尖病変に対し,外科的歯内療法の必要性を考慮しながら非外科的歯内療法で対応した症例を報告した.
 「両側遊離端欠損症例に対しインプラント補綴にて咬合回復を行なった一症例」の演題で登壇した磯貝佳史氏(福島県)は,もともと義歯を装着していた高齢男性に対してインプラント補綴を行うことで咬合機能の回復を図った症例を供覧した.
 「インプラント治療を行った7年経過症例」の演題で登壇した松本和也氏(東京都)は,重度歯周病患者に対し上下顎でインプラント治療を行った症例を紹介し,7年間の経過を振り返った.
 「関節リウマチ疾患を有する重度慢性歯周炎患者に対して医科と連携し,歯周組織再生療法を行った1例~エンドとペリオを中心に~」の演題で登壇した堀井信哉氏(新潟県)は,自身が経験した医科歯科連携の一症例を供覧しながら,長期予後を達成するためには質の高いエンドとペリオの治療が前提となることを強調した.
 「前後的すれ違い咬合を回避した一症例」の演題で登壇した清水太郎氏(新潟県)は,高齢女性の遊離端欠損症例を紹介し,咬合高径の低下,前歯部の突き上げによる前後的すれ違い咬合をインプラント治療により回避したことを報告した.
 「正中離開を伴う重度歯周病患者に歯周外科と部分的矯正治療を行った1症例」の演題で登壇した青木義親氏(福岡県)は,重度の骨吸収などがみられる歯周病患者に対して,歯周基本治療などののちに部分的矯正を行ったことを報告し,これからインプラント治療に移行するうえで留意すべきことについて会場と議論した.
 「臨床診断の重要性」の演題で登壇した有近一幸氏(神奈川県)は,多数歯欠損症例における病態解析について話し,患者個別の診療診断を行った事例を報告した.
 「インプラント治療の長期予後獲得のために心がけていること」の演題で登壇した玉置佳嵩氏(神奈川県)は,予後不良歯として抜歯することになった高齢女性の下顎両側大臼歯部に対し,遊離歯肉移植術を併用したインプラント治療を行った症例を供覧した.
 「クロスマウントテクニックを用いて咬合再構成を行った症例」の演題で登壇した笠木星児氏(東京都)は,口腔内の補綴物のすべてが不適合補綴物であった男性において,全顎的な治療介入が必要となった症例を紹介した.
 「審美障害をコーヌステレスコープデンチャーで改善した一症例」の演題で登壇した関  勇樹氏(長野県)は,下顎右側大臼歯部への腫脹を認める患者に対して,歯科技工士との連携などを通じて,補綴治療で改善させた症例を供覧した.

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