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2024 グローバルオーラルヘルスセミナー 開催される
 1月11日(木),アルカディア市ヶ谷(東京都千代田区)にて,標記大会が開催された.本会は日本口腔衛生学会(理事長:三宅達郎氏)が主催するセミナー.
 演者は現役のWHO職員である牧野由佳氏(WHO アフリカ地域事務所口腔保健専門官)と原田有理子氏(WHO 本部ジュニアプロフェッショナルオフィサー)で,それぞれの現場から世界における口腔保健の状況を振り返り,日本の歯科医療界への期待を語った.
 開会挨拶で登壇した深井穫博氏(日本口腔衛生学会副理事長,地域口腔保健委員会委員長)は,日本のUHC(Universal Health Coverage)は世界的にみても一定の成功を収めているとしたうえで,世界の状況から学ぶことは多いとし,本会の意義について強調した.
 「2030 年へ向けた WHO 口腔保健政策と西太平洋地域での取り組みについて」の演題で登壇した原田氏は,WHOの主要な機能を俯瞰し,日本が口腔保健の機運上昇に貢献した事実を示しつつ,地域ハイレベルでの機運不足,口腔保健予算の不足,加盟国の経験不足など,いまなお残る課題についても話した.また,日本に期待することとして,政治的・資金的・技術的支援のそれぞれについて述べた.
 「WHO アフリカ地域における世界口腔保健行動計画実施について」の演題で登壇した牧野氏は,所属するAFR(アフリカ地域事務所)の加盟国の多くにおいて口腔保健戦略が行き届いていない状況をデータなどから説明した.そのうえで,たとえばNoma(水がん)などは呪いの一種であると信じられている現状があり,スティグマなどの根深い問題があることを指摘し,患者が医療機関にアクセスできるための実行計画の作成や支援が急務であると訴えた.日本に対しては,政治的支援やパートナーシップのほか,人材育成などの期待を寄せた.

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