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令和5年度 日本補綴歯科学会九州支部学術大会 開催される
 10月7日(土),8日(日),福岡歯科大学50周年記念講堂(福岡市早良区)にて標記大会が開催された(大会長:松浦尚志氏・福歯大).
 招待講演「有床義歯・インプラントの先端研究/臨床/教育」では,同学会九州支部に所属する有床義歯5教室が各教室を代表する研究や臨床について報告.
 原田佳枝氏(鹿大)は「超高齢社会で求められる義歯ケア製品開発への取り組み」として,クリームタイプ義歯安定剤の除去効果に優れる新規泡タイプ義歯洗浄剤の開発に至る研究を紹介した.
 中島尚也氏(長大)は「ATBCとTFEMAを用いた新規光重合型軟質リライン材の開発」として,新規試作した同軟質リライン材の光重合後の理工学的性質と熱サイクル試験前後の物性変化について評価した.
 濱中一平氏(福歯大)は「ノンメタルクラスプデンチャーの接着とトラブルシューティング」として,同装置のレジンクラスプ破折や維持力低下に焦点を当て,接着による対応の可否やその手法を検討した.
 渡辺崇文氏(九歯大)は「エンドクラウン補綴に必要な基礎知識」として,垂直的なクリアランスが不足しやすい最後方臼歯の補綴に適した治療法として近年注目されるエンドクラウンの特徴や臨床応用時の注意点を検証した.
 今井実喜生氏(九大)は「インプラント治療におけるサイトランスグラニュールの有用性」として,同骨補填材が他の同種材料に比べて骨形態維持に遜色ないことや,骨吸収抑制や感染防止に優れる可能性のあることを示した.
 併催された生涯学習公開セミナー「より良い治療計画立案のために」では,まず土屋嘉都彦氏(大分県)が「患者それぞれに合った治療計画立案の為の資料採得並びに診断用ワックスアップ」と題し,多様な術式を治療の選択肢に含めるためには術者がそれらを習得しておく必要のあることを訴え,資料採得における歯科衛生士の役割,診断用ワックスアップにおける歯科技工士との情報共有など,医院全体での取り組みについても言及した.
 次に松永興昌氏(福岡県)が「患者満足度を高めるための知識と技術を考察する」と題し,多様な病態を示す患者に対する包括的歯科治療の治療計画立案に求められる要素を幅広く検討.治療計画のプライオリティとして,患者の周辺環境を考慮し「今やるべきこと」と「将来やっていくこと」を計画することが重要とした.

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