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第42回日本接着歯学会学術大会 開催される
 9月30日(土),10月1日(日),タワーホール船堀(東京都江戸川区)にて標記学会が「臨床から基礎研究へ!基礎研究から臨床応用へ!!~collaboration between the basic research and clinical application!~」をテーマに開催された(大会長:二瓶智太郎氏・神歯大).
 シンポジウム1「Back to the basic! Part 1 歯へのベストな接着とは?」(座長:新谷明一氏・日歯大,松本真理子氏・北大)では,坪田有史氏(東京都/同学会会長)が「今,歯の接着で思うこと」と題し,エナメル質・象牙質接着の現状を整理し,接着歯学に関する正しいデータや知識を歯科医師や国民に提供するうえで同学会が果たすべき今後の役割について考察した.
 高見澤俊樹氏(日大)は「歯へのベストな接着―エナメル質接着の現在地―」と題し,直接法におけるエナメル質接着に関する研究や間接法におけるユニバーサルアドヒーシブ応用型レジンセメントの応用に触れ,エナメル質の重要性は今後も高まるとした.
 吉原久美子氏(産総研)は「象牙質との接着」と題し,機能性モノマーと歯質の化学的反応,セメントと象牙質接着におけるプライマーの有無,ユニバーサルセメントの光照射の有無の影響を述べたほか,新規生体材料としてリン酸化プルランを用いた歯質接着の可能性に言及した.
 勝俣愛一郎氏(鹿大)は「鹿児島大学病院における接着性修復材に関する臨床研究」と題し,同大病院で実施した特定臨床研究(未承認・適応外の医薬品等の臨床研究)の概要を紹介した.
 シンポジウム2「Back to the basic! Part 2 各種材料に対するベストな接着とは?」(座長:小峰 太氏・日大,田上直美氏・長大)では,塙 隆夫氏(医科歯科大学)が「接着における金属表面の役割」と題して歯冠修復材料となる金属の接着メカニズムを整理.湿潤環境となる口腔内での接着耐久性が重要になる点を改めて述べた.
 二瓶氏は「シランカップリング剤の改質効果について」と題し,シランカップリング剤に関する神歯大での研究成果を踏まえて,その改質効果や適切な前処理の方法・タイミングについて解説した.
 峯 篤史氏(阪大)は「CAD/CAMレジン冠と“+ユニバーサル”セメント~我々は何を望み,探究すべきなのか~」と題し,CAD/CAM冠の脱離を防ぐために現在推奨される装着ステップならびに支台歯側の表面処理の重要性,CAD/CAM冠用コンポジットレジンブロックの物性が及ぼす影響について研究結果をもとに示した.
 猪越正直氏(医科歯科大)は「ジルコニアへの接着法:セラミックス関連材料研究の舞台裏」と題し,ベルギー・ルーベン大留学中にまとめたジルコニア接着の総説論文作成に際する解析手法を紹介し,ジルコニア性補綴装置の接着力を向上させる処理についてもステップごとに説明した.
 川口智弘氏(福歯大)は「義歯修理における接着の重要性」と題し,従来型アクリル系義歯床用レジン,ノンメタルクラスプデンチャー用材料,3D printed denture用材料に対する接着について調べた研究結果から,義歯修理において必要となる表面処理についてまとめた.

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