Ishiyaku Dent Web

歯科医師・歯科技工士・歯科衛生士のポータルサイト

第38回日本歯科産業学会学術講演会 開催される
 8月5日(土),6日(日),日本歯科大学生命歯学部九段ホールにて標記学会が「DXが切り拓く新たな歯冠修復治療」をテーマに開催された(大会長:新谷明一氏・日歯大)(併催:2023年度日本歯科理工学会関東地方会セミナー).
 特別講演「デジタル化がもたらす歯冠修復の未来」では,大河雅之氏(東京都)がポーセレンラミネートべニアについて文献的考察を加えたのち,口腔内スキャナ応用時のラミネートベニア内面の適合性追求の工夫や前歯・臼歯部ベニアにおける独自のプレパレーションデザインを示した(座長:新谷氏).
 教育講演「令和の接着におけるスタンダードとは」(座長:小泉寛恭氏・日大)では,高見澤俊樹氏(日大)が「歯質接着の最前線」と題し,ユニバーサルアドヒーシブのエナメル質・象牙質への接着性について基礎研究から検討し,今後の接着システムの展開として直接法・間接法のシステム統一化や塗布時間・光照射時間の省略,タッチキュア効果向上が見込まれるとした.
 次に峯 篤史氏(阪大)が「支台築造法における接着歯学の意義:臨床アウトカムと非破壊観察」と題し,自身が取り組んだレジン・メタルコアの15年累積生存率をみた臨床研究に言及.さらに根管内象牙質接着の問題点を検討した一連の研究結果から,長いポスト形成時の根尖部において十分な接着が得られていない可能性のあることを指摘した.
 シンポジウム「歯科医師と歯科技工士のチームプレイ」(座長:小峰 太氏・日大)では,まず三浦賞子氏(明海大)と山本真也氏(埼玉県.歯科技工士)が「クラウンブリッジのデジタルワークフローにおける歯科医師と歯科技工士のチームプレイ」と題して登壇.同大病院補綴科における審美領域の補綴症例におけるシェードコミュニケーションや,ラボサイドでの画像合成試適の手法,カラーマネジメントについて紹介した.
 海渡智義氏(東京都)と斎藤宗樹氏(神奈川県.歯科技工士)は「開業医と開業ラボの連携」と題し,デジタル技術を応用しつつも従来の技工スキルが求められる場面もいまだ存在するとして,単冠修復やオクルーザルベニア症例を通じて,現在取り組んでいるチェアサイド-ラボサイドコミュニケーションの一端に触れた.
 綿引淳一氏(東京都)と井沢秀彦氏(新潟県.歯科技工士)は「矯正歯科分野におけるデジタル化の現在と未来」と題し,現状のデジタル技術・システムを用いた,矯正治療におけるチェアサイド-ラボサイドの連携ついて述べたほか,将来的なシンギュラリティ(AIにおける技術的特異点)到来に伴う矯正歯科の未来像と歯科医師の役割について考察した.

■他のニュース記事をさがす

日付から記事をさがす
<2024年5月>
2829301234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930311
2345678
キーワードから記事をさがす

人気の歯科書籍(キーワード別)

歯科雑誌 最新号