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第36回日本顎関節学会学術大会 開催される
 7月8日(土),9日(日)の2日間,東京ビッグサイトTFTホール(東京都江東区)にて,標記大会が「顎関節サイコウ(再考,再興,最高!!);みんな集まれ!」をテーマに開催された(大会長:依田哲也氏・医科歯科大).
 シンポジウム3「顎関節症と咬合を再考する」では,座長の山口泰彦氏(北大)がシンポジウムのねらいを述べた後,「TMDs;歴史的変遷を辿る」として大久保昌和氏(日大松戸)がアメリカを中心とする顎関節症の考え方の歴史的変遷を述べ,咬合に関する考え方についても解説した.次の「顎関節症に伴う咬合変化」では後藤田章人氏(北大)が咬合変化を4つに分類し,それぞれの原因と対応を考察した.「顎関節症と咬合因子ー症例を通して考えるー」では,安陪 晋氏(徳島大)が顎機能と咬合について整理し,「咬合の5要素」をもとに診断・治療を行った症例を供覧した.「コホート調査からみた顎関節症と咬合因子」では,藤澤政紀氏(明海大)が前向きコホートによる機能検査をしながらの研究が少ないことを指摘,犬歯ガイドの有無などの咬合接触様式と顎関節症に関する成果を述べた.関連口頭発表として羽毛田匡氏(長野県)が「臼歯部咬合不全を呈した顎関節症の3症例」と題し,滑膜炎・円板後部組織炎・関節円板後方転位の症例を供覧した(座長:山口氏,藤澤氏).
 日本歯科衛生士会共催・臨床医の会合同シンポジウム「歯科衛生士と行う顎関節症病態別治療」では,最初に座長の吉田直美氏(日本歯科衛生士会会長)が主旨説明を行い,同じく座長の佐藤文明氏(東京都)が歯科衛生士へのアンケート結果の紹介を行った.最初の「疾患教育・病態説明」では,井上庸子氏(福岡医療短大)が歯科医師の立場から顎関節症の定義,医療面接の重要性などを解説,日髙玲奈氏(医科歯科大)が歯科衛生士と立場から医療面接で聞くべきポイントなどを具体的に紹介した.次の「疼痛関連顎関節症」では,原 節宏氏(日歯大)が咀嚼筋痛障害と顎関節痛障害における診断や治療法の要点やリハビリテーションに関する考え方を解説,若槻聡子氏(日歯大)が歯科衛生士が関わることのできる除外診断のポイントや圧痛検査などを述べた.「復位性顎関節円板障害」では,島田 淳氏(東京都)が顎関節円板障害の考え方と診断・治療法について述べ,兜森彩日氏(東京都)が医療面接,病態説明,インフォームド・コンセントの注意点などを具体的に解説した.「非復位性関節円板前方転位・変形性顎関節症」では,藤田宏人氏(兵庫県)が開口障害のメカニズムを解説,治療法として開口訓練を紹介し,寺西 稚氏(田北病院)が開口訓練の具体的な解説と成果の可視化への取り組みを述べた(座長:吉田氏・佐藤氏).

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