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日本臨床歯周病学会第41回年次大会 開催される
 6月24日(土),25日(日),福岡国際会議場(福岡市博多区)にて標記学会が「再生療法NEXT STEP」をテーマに開催された(大会長:吉田 茂氏・福岡県).
 International session(座長:孔 令群氏・北海道,原田依美氏・福岡県)では,濱田佑輔氏(米国・UCLA)が「Do we need keratinized or thick mucosa or both around dental implants? If so, how can we manage it?」と題し,インプラント周囲フェノタイプ評価時のチェック項目として「歯槽骨の厚み」,「垂直的・水平的な歯肉の厚み」,「角化歯肉の有無」をあげ,それらの多寡・有無を踏まえて治療計画を立案することがインプラント治療で長期的な予後を得るポイントになるとした.
 次にTING, Chun-Chan氏(台湾・国立成功大学)が「Soft tissue management with dental laser devices」と題し,外科的処置における歯科用レーザーの有用性について,レーザーの波長によって異なる到達深度や上皮への作用の違いなどの特徴を,歯科用メスやエレクトロサージェリーとも比較しながら示した.
 安増一志氏(福岡県)は「Management of Periodontitis Stage IV」と題し,歯周病の新分類における広汎型慢性歯周炎 ステージⅣ グレードCと診断しクロスアーチスプリントにて対応した症例を通じて,キートゥースとなる大臼歯部を中心に,骨欠損部位に対し考え得る治療選択肢の是非を検討した.
 歯科医師・歯科衛生士特別シンポジウム「再生療法を極める― 匠の技―」(座長:申 基喆氏・明海大,高井康博氏・広島県)では,長谷川嘉昭氏(東京都)が「チーム医療で何を診るのか」と題し,自院で取り組む歯周病治療における病因検査,歯科衛生士とのディスカッションを経て決定する臨床診断,戦略診断の流れを示し,歯科衛生士とのチーム医療にて臨んだ臨床例を供覧した.
 中田光太郎氏(京都府)は「付着の再生~根面被覆術への再生療法の応用~」と題し,根面被覆術においてエムドゲインを用いる場合の治療効果について文献的・臨床的に考察.歯根のボーンハウジングからの逸脱に起因する根面被覆難症例などで効果が期待できる一方,角化歯肉増加のメリットは無い可能性があるとした.
 船越栄次氏(福岡県)は「進行した重度歯周炎の長期予後の獲得」と題し,重度歯周炎の長期予後獲得には骨縁下欠損に対する診断学的・治療学的・補綴学的予後の判定が重要と指摘.それらに基づき,歯周スプリント,自家骨移植,GTR法,エムドゲインによる歯周組織再生治療といった各種治療法によってそれぞれ30~40年の長期予後を得た症例を供覧した.
 なお,今大会では学会初の試みとして50歳以下の歯科医師が登壇する「新進気鋭セッション」が3つのテーマ(前歯一歯欠損のインプラント治療,骨縁下欠損に対する歯周組織再生療法,根面被覆術)ごとに行われ,後日オンデマンド配信時に視聴者WEB投票にて優秀発表者が選定されるとのこと.

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