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PABC合同例会 2023 開催される
 2023年6月11日(日),福岡県歯科医師会館(福岡市)にてPABC合同例会が開催された(主宰・安東俊夫氏,福岡県).同会は2007年に基礎から臨床を見つめ研鑽することを目的として設立されたスタディグループで,通常例会はP1~P3にわかれて行われており,今回が初の合同例会となる.
 会員発表はP1~P3から各2名ずつ6名の演者が登壇した.
 『私の根管形成』の演題で登壇した臼杵慎太郎氏(P3所属,福岡県)は,根管拡大,根管充填が確実に行えるよう髄室開拡を入念にしたり,可視化されていない根管口に気づいたりすることの大切さを話した.『悪戦苦闘の根管治療』の演題で登壇した白水資樹氏(P3所属,佐賀県)は,ストレートラインアクセスを形成しようと奮闘した症例を紹介し,起炎因子をより除去するために何をすべきかについて考察した.
 
 『臼歯部抜歯窩におけるインプラント埋入時期の検討』の演題で登壇した上田忠司氏(P2所属,福岡県)は,自身の3つの症例を比較検討し,初期固定の可否などによって抜歯後のインプラント埋入時期の第一選択をどう設定すべきかを話した.『初めてサージカルガイドを用いたインプラントケース』の演題で登壇した中野彰博氏(P2所属,福岡県)は,自身が初めてサージカルガイドを用いて行ったインプラントの症例を振り返り,手技におけるメリットとデメリットを検討した.
 
 『インビザラインはこう使う!』の演題で登壇した安河内康史氏(P1所属,福岡県)は,自身が手がけるインビザライン矯正の症例を供覧し,圧下や開咬などにおけるアライナーの強みを紹介しつつ,質疑応答のなかではソフトの活用法などにも言及した.『補綴のための歯周形成外科』の演題で登壇した加茂公平氏(P1所属,福岡県)は,自身の手技を内省的に振り返りながら,全顎的な診断に基づいた歯周環境の整備の大切さや患者とのコミュニケーションの重要性を話した.
 特別講演では,同会のアドバイザーである荒木秀文氏(福岡県),主宰の安東俊夫氏が登壇した.
 『よろず歯科診療室』の演題で登壇した荒木氏は,数々の症例を供覧しながら,矯正治療を適切に行うことによって高い予知性が得られる点をあげ,「矯正は究極のMIである」と述べた.
 『P.A.“B”.C』の演題で登壇した安東氏は,同会の理念であるPerio and “Basic” Clubの”Basic”を強調した.患者になるべく低侵襲で,簡単に,早く,確実な歯科医療を提供するために,客観的な経過観察が欠かせないとし,常に”Basic”(基本)に立ち返って診断することの重要性を説いた.
 どの演題も会場一体となった活発な議論が繰り広げられ,会員全員で症例を考えていく姿勢が示された.

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