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歯考会40周年記念発表会 開催される
 6月4日(日),国立科学博物館講堂(東京都台東区)にて,標記発表会が「再評価を考察する~普遍性と多様性~」をメインテーマに,会員20名の全員発表のスタイルにて開催された(会長:若松尚吾氏/東京都杉並区開業,実行委員長:岡田祐輔氏/東京都中野区開業).1983年に発足した同会は「A Study Club for the Patients:すべては患者のためにある勉強会」のスローガンのもと,「1本の歯をいかに守るか」を会員共通の基本理念としたケースプレゼンテーションを中心に活発な活動を継続している.
 プログラムは,「ペリオ」「補綴」「顎機能障害」の3つの視点から,日々の臨床における大切なステップである「再評価」を改めて見つめ直す構成にて展開された.
 【第1部:ペリオ】では,竹中宏隆氏(東京都世田谷区開業),平野竜生氏(神奈川県平塚市開業),富樫裕一郎氏(東京都板橋区開業),米今一晃氏(東京都港区開業),星野修平氏(東京都台東区開業),岩井泰伸氏(千葉市中央区開業),尾崎聡氏(千葉県八千代市開業),稲垣伸彦氏(東京都目黒区開業)の8名の演者が登壇.歯周基本治療,再生療法,SPTのそれぞれの切り口より,再評価において何を確認し次のステップにつなげていくべきか,各演者の日々の丁寧な臨床の姿とともに紹介された.歯周治療は長い時間を要するものであり,患者の人生に寄り添う姿勢が求められること,また歯の保存を諦めない医療者の姿がその前提になることなどが強調された.
 【第2部:補綴】では,松田英雄氏(東京都国立市勤務),鈴木弘毅氏(神奈川県相模原市勤務),廣野大司氏(神奈川県横浜市勤務),林直也氏(東京都世田谷区開業),安藤正明氏(千葉県浦安市開業),鎌田征之氏(東京都杉並区開業),鈴木浩之氏(東京都足立区開業),若松氏の8名が登壇.1歯の形態の追求から.矯正治療を含めた咬合再構成まで,幅広い症例報告が行われた.1歯の診断を的確に行うことと,口腔全体を見渡すことのバランスの重要性,多様性そのものである欠損補綴への向き合い方など,各演者の臨床観とともに紹介された.
 【第3部:顎機能障害】では,第三の疾患とも表現される顎機能障害について,岡田氏,川口敦氏(東京都杉並区開業),熱田亙氏(東京都葛飾区開業),大八木孝昌氏(神奈川県藤沢市開業)の4名により,その診断・介入・検証の実際が解説された.個人差を含め,確定的な診断と治療介入の効果を評価することの難しい領域において,丁寧に原因を探り,注意深く変化を見逃さない臨床姿勢が示された.
 「再評価」は,時間軸の中での診断作業であるとともに,治療介入の検証作業であること,そこでは多様性に寄り添う臨床姿勢が求められることが強調された.また,「1本の歯を守る」という会員に共通の普遍的な信念において,再評価のもつ価値はますます重要になるものと考えられる.


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