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第66回春季日本歯周病学会学術大会 開催される
 5月26日(金),27日(土),レグザムホール(香川県高松市)にて標記学会が「歯周病を語ろう!~その原点から未来へ~」をテーマに開催された(大会長:湯本浩道氏・徳島大)(オンデマンド配信期間:6月20日~7月20日).
 シンポジウム2「歯周病専門医が語る臨床の理念 ~未来の歯周病専門家たちへ~」(座長:高柴正悟氏・岡山大)では,初めに浦野 智氏(大阪府)が「臨床における‘Longevity’の意義」と題し,歯周治療におけるLongevity獲得のポイントに「エビデンスに基づいた治療を行う」,「他科との適切な連携」,「記録をとる」,「常に知識・技術の向上を図る」をあげ,外科処置の手法や新技術の応用に関する自身の研鑽を臨床例を通じて振り返りながら,若手歯科医師への示唆を述べた.
 次に澤田弘一氏(岡山県)が「社会に寄与する歯周病専門医の様々な可能性」と題し,歯周病専門医が地域医療に貢献する1つの形として,国民健康保険診療施設(国民健康保険制度を広く普及するため,無医地区等の医師不足の地域をなくす目的で設置される公立診療所)において,「歯周治療を通じて全身の健康に寄与する」との理念の実践を通じて社会の福祉に貢献できることを示した.
 新田 浩氏(医科歯科大)は「卒前臨床実習,卒後臨床研修および歯周病学分野 新人研修における歯周病専門医に関わる取り組み」と題し,同大学生および研修歯科医師に提供する実習・研修プログラムについて概説.自身の将来のロールモデルとなるような歯周病専門医による講義・実習を通じて,多くの受講生が歯周病学分野への入局や専門医取得を希望していると報告した.

歯科衛生士シンポジウム「中年期・高齢期の歯周病対策の重要性」(座長:日野出大輔氏・徳島大)では,佐原久美子氏(徳島大)が徳島大学で行った口腔内状態と誤嚥性肺炎,要介護・死亡率との関連を調べた疫学研究の結果を供覧.歯周疾患を有する者に誤嚥性肺炎の発症率が高く,「固いものが食べにくい」「口腔衛生不良」「義歯の未使用」「6mm以上の歯周ポケット」の該当者は要介護・死亡率が低いとの結果を共有した.また,川柴 淑氏(徳島県歯科衛生士会)は徳島県内の医科歯科連携事業の一環として,健診時に糖尿病リスクの高いと判断された人に歯周疾患検診受診を推奨する取り組みを紹介し,中年期から全身・口腔の疾患を包括的に予防することの重要性を強調した.続く佐久間 愛氏(麻生歯科クリニック・徳島大)は「モチベーションスコア」を指標に用いて,患者のモチベーションと口腔内の健康状態・コンプライアンスとの関連性を客観的に示した.

歯科衛生士教育講演「歯科衛生士に必要な唾液の知識」(渡部 茂氏・明海大)では,イグノーベル賞を受賞した氏の研究「5歳児の1日当たりの唾液分泌量の推定」を枕に,唾液が口腔内の希釈にかかわるメカニズム,唾液の流動性が部位によって異なることやフッ化物の応用と唾液との関係など,口腔衛生指導に直結する唾液の知識が幅広く紹介された.

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