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一般社団法人全国歯科衛生士教育協議会設立60周年記念式典開催される
 5月18日(木),田町グランパークカンファレンス(東京都港区)にて,一般社団法人全国歯科衛生士教育協議会設立60周年記念の会が開催された.
 本協議会は昭和38年2月に設立,「有能な歯科衛生士を養成するために必要な教育上の諸問題について研究,協議を行うと共に教員指導者の資質向上をはかり歯科衛生士教育の充実発展に寄与すること」を目的として活発な活動を続け,本年,令和5年に設立60周年を迎えた.現在(令和5年4月1日時点),全国の歯科衛生士養成学校179校により構成されている.
 眞木吉信理事長は挨拶のなかで,2017年4月に法人化され,一般社団法人全国歯科衛生士教育協議会として再スタートし,より公共性の高い組織として活動してきたこと,および歯科衛生士が学ぶ学問体系,【歯科衛生学】の確立を目指してきた10年間だったと述懐.また,新型コロナウイルスの流行により,臨床実習・臨地実習が従来どおり行えない状況に陥るも,オンライン等を活用した各学校における努力と工夫を重ねた教育活動により,滞ることなく社会に歯科衛生士を送りだしたことを報告した.
 つづいて,小椋正之氏(厚生労働省医政局歯科保健課課長),俵 幸嗣氏(文部科学省高等教育局医学教育課課長),吉田直美氏(公益社団法人日本歯科衛生会会長)より祝辞があり,人生100年時代において,口腔の健康こそが健康長寿の秘訣であること,また,地域包括ケアシステムの確立のため,歯科衛生士教育の重要性と本協議会に対する期待が述べられた.
 記念講演として,石飛國子氏(本協議会参与)は「歯科衛生士教育への想い」をテーマに,50年間にわたる本協議会へのかかわりと,臨床も経験されたなかでの教育への想いを語った.附属病院口腔外科に配属されたときには,ドイツ語で書かれたカルテに苦労したこと,現在の教育現場では,励ましの意味で背中を軽くつついたことを学生は「背中を叩かれた,暴力をうけた」ととられ驚いたことなど,多くのエピソードとともに卒寿を迎えられたとは思えないほど軽快な口調で,「過ぎれば いばらの道も 花の道」と教員にエールを送って締めくくった.
 遠藤圭子氏(本協議会監事)は「歯科衛生学の体系化に向けて」をテーマに登壇.2019年から教育問題検討委員会を立ち上げ,松田裕子氏を中心に体系化づくりに取り組んできた経緯を説明.「口腔の健康を通して全身の健康の維持・増進をはかり,生活の質の向上に資するためのもの」を「歯科衛生」と定義し,この「歯科衛生」を理論と実践の両面から探求する学問が【歯科衛生学】であるとした.なお,体系化は継続検討課題であり,そのほか,国家試験出題基準の定期的な見直しも求めると述べた.
石飛國子氏
 前会長の松井恭平氏に感謝状の贈呈,長年本協議会に尽力してきた藤原愛子氏,松田裕子氏,遠藤圭子氏,高阪利美氏に功労者表彰がなされ,今後ますますの歯科衛生士教育の発展向上に向けて,本協議会の決意も新たに記念の会は閉会の辞となった.
左から眞木吉信氏,高阪利美氏,遠藤圭子氏,松田裕子氏

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