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福岡豊歯会40周年記念発表会 開催される
 4月22日 (土),23日(日),標記大会がレソラNTT夢天神ホール(福岡県)にて開催された.
 「人間性豊かな医療人に育ってほしい」との願いが込められ今年発足40年を迎えた同会の記念発表会にふさわしい会員発表10題,特別講演3題が2日間で行われた.(大会長;大串奈津貴氏.福岡県)
開会の挨拶を行う大串奈津貴会長
 会員発表は,Session1~3にわかれ,それぞれ下記の登壇者が発表を行った.
 Session1では4名の演者が講演を行った.「レントゲン写真を読み解く」の演題で登壇した江藤 慶氏(福岡県)は症例を提示しながら,規格性のあるデンタルX線写真のあり方について語った.「エナメル質初期う蝕に対する取り組み―経過観察を治療介入し治癒を目指す―」の演題で登壇した千手成寿氏(福岡県)は,自院で実践している患者指導を紹介し,特に小児が患者となる場合の注意点について提案した.「GPの歯内療法だからこそ必要なアイテム」の演題で登壇した深町太伊地氏(福岡県)は,主にCBCT,マイクロスコープ,NiTiロータリーファイルをどのように臨床に活かしていくかを示した.「広汎型歯周炎(Stage.3 Grade.C)ケースレポート~部位ごとの治療選択を考える~」の演題で登壇した小川允知氏(福岡県)は,1つの症例を通して,歯周炎の部位や患者の背景,術者の熟達度合いによって変化する治療選択のあり方について語った.
Session1で登壇した,江藤氏,千手氏,深町氏,小川氏
 Session2では4名の演者が講演を行った.「日常臨床におけるIOS(intraoral scanner)の応用」の演題で登壇した武居 宏樹氏(福岡県)は,自院のIOS導入から臨床への応用を振り返り,歯科衛生士によるアシストワークや歯科技工士との連携についてなど,詳細な取り組みを披露した.「小児矯正における筋機能訓練の重要性」の演題で登壇した岡本高太郎氏(福岡県)は,歯列に問題を抱えた小児への治療として,矯正と筋機能訓練の両面からアプローチすることの重要性を訴えた.「機能美を追求した全顎矯正治療」の演題で登壇した山尾康暢氏(福岡県)は,顎関節症を有する下顎後退位angleⅡ級1類傾向の患者に対して行った全顎矯正治療の症例を提示し,正しい顎位の模索,長期安定的な顎口腔機能の獲得のために何をすべきかを提示した.「リマウント法を活用した”前歯で噛める”総義歯作製」の演題で登壇した福島秀文氏(福岡県)は,河原英雄先生が提唱されたリマウント調整法を発展させ,旧義歯のコピーデンチャーによって抵抗感の少ない新義歯への移行が成功した症例を供覧した.
Session2で登壇した,武居氏,岡本氏,山尾氏,福島氏
 Session3では2名の演者が講演を行った.「矯正治療による歯列不正へのリスクマネジメント」の演題で登壇した大串奈津貴氏(福岡県)は,歯列不正を早期に発見できる一般開業医の視点から,治療の介入時期やエンドポイントをどのように見極めるべきかについて話した.「咬合再構成を行なったケースを振り返って~CAD/CAMによる最終補綴移行へのプロセス~」の演題で登壇した布巻純治氏(山口県)は,咬合再構成をチーム医療が欠かせない分野のひとつと捉え,スタッフと連携しながら行った症例を供覧した.
Session3で登壇した,布巻氏,大串氏
 特別講演では,3名の演者が発表を行った.「物づくりから事づくりへ」の演題で登壇した石原 研氏(兵庫県)は,歯科医院を経営するうえで欠かせない従業員や患者,その他かかわるすべての人びとへの感謝の気持ちを持つことの意味を語った.「長期予後を見据えて咬合再構成を成功させるために」の演題で登壇した南 清和氏(大阪府)は,咬合再構成において重要となる中心位採得,咬合高径の決定,アンテリアガイダンスの与え方について,長期安定が得られた症例をもとに考察した.「マルチディシプリナリーアプローチ~下顎前歯位置異常に対する対応~」の演題で登壇した渡辺隆史氏(福島県)は,さまざまな症例を紹介し,各治療分野における専門性の高い技術や知識に裏付けされた治療選択の重要性を示した.
特別講演1で登壇した石原氏
特別講演2で登壇した南氏
特別講演3で登壇した渡辺氏

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