2023/02/28
2月26日(日),標記会がリモート(運営を1Dに委託)にて開催された.
第一部(座長:牧圭一郎氏・医科歯科大)は,最初に木村俊介氏(医科歯科大)が「Regenerative Endodontic Therapy」と題し,根未完成歯におけるRETの症例を紹介,評価と考察を行った.次に糸永和広氏(神歯大)が「下顎第一大臼歯の遠心根に水平性歯根破折を認めた症例」と題し,水平性歯根破折の症例を供覧の後,原因などについて論文を紹介した.
第二部(座長:村野浩気氏・神歯大)は,最初に永原隆吉氏(日本鋼管福山病院)が「Is it Type-Ⅲ endodontic-periodontal lesion?」と題し,セメント質剥離を伴ったエンドぺリオ病変と思われる症例への外科的対応を供覧した.次に野間俊宏氏(フリーランス)が「ECRを認めた2症例」と題し,External Cervical Resorption(歯頸部外部吸収)の症例を供覧,考察を行った.最後に村上拓也氏(滋賀県開業)「広範な歯性上顎洞炎を認めた3例」と題し,歯性上顎洞炎への対応について,実際の症例をもとに考察した.
第三部(座長:馬場 聖氏・昭和大)は,最初に片山卓也氏(昭和大)が「外科的歯内治療–側枝への対応」と題し,側枝に関する考察から,実際の処置と予後などについて詳細に検討した.次に渥美克幸氏(埼玉県開業)が「through-and-through病変に対し外科的歯内療法で対応した一症例」と題し,外科処置と骨補填,再生治療を行った症例を供覧した.最後に中山大蔵氏(石川県開業)が「A case of Apicoectomy after Radical Surgery of Empyema」と題し,慢性副鼻腔炎(蓄膿症)の治療後の歯内治療症例を解説した.
特別講演は井澤常泰氏(東京都開業)による「根管治療 40年の変遷」と題し,最初に根管治療「激変の時代」であった40年間を振り返り,HIVが問題になっていた時代からの感染予防への注目,日本発の電気的根管長測定器の歴史,手術用顕微鏡の普及の取り組み,ファイルなど術式の変遷について解説を行った.そして,それらを踏まえて現在の治療術式における考え方について,実際の症例をもとに紹介.また,外科的歯内治療の適応症の考え方や,術式の注意点などを解説した.最後に「エンドはどこへ行くのか」について,井澤氏の思いを述べて締めくくった(座長:吉岡隆知氏・東京都開業).