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JUC(Japan United Colleagues)第9回発表会 開催される
JUC(JapanUnitedColleagues)第9回発表会が,12/4(日)に,電気ビル共創館みらいホール(福岡県)にて開催された(12/17(土)よりオンデマンド配信).

本発表会のテーマは「臨床に活かす咬合の知識」.特別講演に小出馨氏(日本歯科大学名誉教授)を招いての開催となった.
小出氏は,咬合不調和の改善による脳機能の活性化等のデータを紹介し,認知症をはじめ医科疾患における咬合治療の重要性は明確なものになってきていると指摘.「歯科が命を支えている」時代にあると述べた.
しかしながら,咬合治療のベースとなる顎機能の診断にあたっては,多岐にわたる顎関節病態の理解が重要であり,卒前教育では不十分な状況にあると指摘.多様な病態それぞれに特徴的な顆頭運動経路があり,病態が理解できていなければ,適切な対応はとれないと強調した.
臨床対応の実際として,咬合不調和の指標として特に重要なものとして,患者の自覚症状として表れにくい圧痛をあげ,歯科医師による触診の重要性を強調.さらに,舌圧と咀嚼能力が相関するとのデータを示し,咬合治療における舌の機能維持の重要性に言及した.

特別講演:小出馨氏
特別講演を受けてのシンポジウムでは,JUC会員4名が登壇.
「顎関節症における咬合治療のヒント」(鈴木泰二氏・東京都)では,咬合再構成における適切な下顎位設定の実際を症例提示により解説.咬頭嵌合位と筋肉位の一致を目指す臨床上のポイントが整理された.
「顆頭運動経路描記装置の咬合・矯正治療への活用」(服部俊嗣氏・佐賀県)では,触診に加え,顆頭運動経路描記装置を用いた咬合の動的状態の可視化を治療計画に反映させていく可能性に言及.
「顎機能に調和したクラウン・ブリッジの構成基準」(土肥博幸氏・長崎県)では,生体の特性を理解したうえでの補綴装置の設計と咬合関係の付与の実際が検討された.
「補綴治療のその後~メインテナンスの指標を検討する」(小山浩一郎氏・長崎県)では,舌の機能を中心に,口腔機能に関連するさまざまな筋肉の構造を整理するとともに,頭位回旋が下顎位に与える影響に触れ,適切な顎口腔系の機能維持のための指標となると提唱した.

その他,新人発表1題(花岡洋介氏・兵庫県),企業協賛セミナー2題(小林善郎氏・佐賀県/小川直子氏・福岡県)がプログラムされた.
次回は同会設立10周年記念大会となり,2023年12月2日(土),3日(日)の開催が予定されている.

JUC会長:小山浩一郎氏
実行委員長:村岡卓也氏
講評:糸瀬正通氏

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