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第34回日本舌側矯正学会学術大会 開催される
 11月23日(水),第34回日本舌側矯正学会学術大会が「Paradigm Shift~舌側矯正治療の変遷と未来~」をテーマとしてミッドランドホール(愛知県名古屋市)で行われた(大会長:青木泰樹氏,愛知県).
開会挨拶をする青木大会長(第1会場)
開会挨拶をする相澤一郎理事長(第1会場)
開会挨拶をする川崎由香子事務局長(第2会場)
 特別講演1「歯科矯正用アンカースクリューの薬事承認と実際」で登壇した後藤滋巳氏(愛知県)は,歯科矯正用アンカースクリュー(OAS)が平成24年7月に歯科領域では初めての薬事承認を受けるまでの経緯を紹介し,OASに関する研究や臨床について紹介した.
 特別講演2「リンガル矯正治療の方針決定と安定性」で登壇した居波 徹氏(京都府)は,長い臨床経験のなかで記憶に残る4つの症例を提示し,それぞれの症例から得た知見についてあますところなく伝えた.

 依頼講演では,熟達した矯正専門医による発表がなされ,それぞれの論点から症例を検討した.
 依頼講演1「リンガルブラケット矯正法による治験例―JLOA認定医課題症例1―」で登壇した佐奈正敏氏(愛知県)は,日本舌側矯正歯科学会認定制度における課題症例3,4に関連した実際の症例を供覧し,その手技を披露した.続く依頼講演2「リンガルブラケット矯正法による治験例―JLOA認定医課題症例2―」で登壇した伝法昌広氏(東京都)も,同制度の課題症例1および2に関連した症例を紹介し,審査の要点を伝えた.依頼講演3「カウンターはなぜ起こる?」の演題で登壇した岡下慎太郎氏(奈良県)は,実際の臨床においてカウンターが起きたケースと起こらなかったケースを比較し,カウンターの成立に重要な条件や上下顎第一大臼歯の歯軸の適切なコントロールの重要性について言及した.依頼講演4「Midline Correction」の演題で登壇した大矢伸治氏(兵庫県)は,上下顎歯列正中の不一致を伴う4つの症例の提示を行い,リンガルブラケット矯正法において重要と考えられる手技について報告した.依頼講演5「ハーフデジタルセットアップについて」の演題で登壇した高柳譲司氏(東京都)は,デジタルセットアップとアナログセットアップそれぞれの利点と欠点を比較したうえで,双方の利点を兼ね備えるハーフデジタルセットアップの実践を紹介した.依頼講演6「舌側矯正の認定医制度について」の演題で登壇した荒垣芳元氏(兵庫県)は,認定医申請における条件や審査症例の概要を紹介し,関連学会であるWBLOの申請条件も併せて提示した.依頼講演7「矯正治療がもたらす顔面形態の変化とめざすべき治療目標」の演題で登壇した永田雄己氏(大阪府)は,氏が行った日本人正常咬合者の三次元顔面形態データを用いて,治療後のプロファイルの変化量,治療結果化に影響する因子を検討した.

 シンポジウム「矯正装置の進化・コンビネーションを再考する」では,4名の演者が登壇し,活発な議論を交わした.
 「デジタルセットアップを用いたリンガルストレートワイヤーシステム」の演題で登壇した竹元京人氏(東京都)は,デジタルセットアップを用いたリンガルストレートワイヤーシステムの有用性について,実際の症例とともに紹介した.「臨床的治療効果を引き出すリンガルブラケット矯正法の実際」の演題で登壇した布川隆三氏(大阪府)は,リンガルブラケット矯正法が選択を誤ればリスクになりうる点を指摘したうえで,同矯正法の治療効果をあげるために,症例の慎重な見極めや矯正装置との併用について提案した.「リンガルアプライアンスにおける歯の移動様相についてアンカースクリューを用いたアプローチ」の演題で登壇した大谷淳二氏(愛媛県)は,リボンワイズワイヤーを用いた舌側矯正装置を使用した症例を提示し,上顎前歯部および臼歯部の移動様相について紹介した.「矯正歯科医が操る“フォース”としてのアライナー型矯正装置」の演題で登壇した有本博英氏(大阪府)は,アライナー型矯正装置による矯正力を組み合わせた症例の特徴について言及した.

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