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第14回STEP発表会 開催される
 11月13日(日),標記発表会がパピヨン24ガスホール(福岡県福岡市)で開催された.STEPは田中秀樹氏が立ち上げたスタディグループで,11回目の発表会からは,これまで発表者として参加してきたR(主宰:徳永哲彦氏),PABC(主宰:安東俊夫氏)との共催で行われることとなった.
 第14回にあたる今回のテーマは「New style dentistry by YOUNG GENERATIONs」であり,主宰挨拶で田中秀樹氏が発した「若い世代にバトンを預けて,つないでいく」という言葉に集約される.
 午前の会員講演には4名の若手の演者が登壇した.
 「天然歯に調和するDirectbonding―Shade選択のConcept―」で登壇した田中 礼氏(福岡県)はShade takingにおけるデジタル活用の実践を示し,安定した結果が得られることを報告した.「歯質の保存を考慮した臼歯部コンポジットレジン修復」の演題で登壇した田中利幸氏(福岡県)は,隣接面にカリエスをもつ症例について,エビデンスに基づいてDirect もしくはIndirect restorationのどちらを選択するかという判断について論じた.「前歯部審美補綴のプロトコル―クオリティを求めたデジタルアプローチ―」の演題で登壇した原田慎之介氏(福岡県)は,前歯部審美補綴修復を行う際に,PES(Pink Esthetic Score),WES(White Esthetic Score),SL(Smile Line)の3つの評価軸を用いたプロトコルを提示して考察した.桑原 崇氏(福岡県)は,「The Gate to the Digital Transformation〜IOSからはじまる新しい歯科治療~」と題し,近年話題になったデジタルトランスフォーメーションへの導入となるよう,デジタル技術を駆使した補綴物製作の要点を明らかにした.
 特別講演「歯周組織との調和と、審美に配慮した補綴治療」では,田中秀樹氏(福岡県)と児玉邦宏氏(福岡県)が,さまざまな症例を提示し,個々の咬合力の診断や対処法,歯周治療や審美修復治療の予後への影響を検討し,咬合力をコントロールすることとは具体的にどうすることなのか,あるいは歯周組織に調和した補綴治療の条件などについて話した.
 午後の会員講演も,午前同様4名の演者による講演が行われた.
「インプラントオーバーデンチャーにおけるマグネットの有効活用」の演題で登壇した鬼村朋宏氏(福岡県)は,インプラントオーバーデンチャーが高齢者における補綴治療の選択肢として有効である旨を示し,さらに磁性アタッチメントが取り外しも容易で清掃性にも優れることを,実際の症例を通して強調した.多々隈貴之氏(福岡県)による講演「前後すれ違い一歩手前の欠損歯列に二次固定を行った症例」では,患者の初診時を現在とし,過去や未来に繋がる一連の時間軸として捉え,ライフステージの変化とともに咬合崩壊が起きないよう将来を予測することの大切さを語った.「矯正治療のlearning stage〜臨床20年を振り返って〜」の演題で登壇した丸目 剛氏(福岡県)は,自身の20年間の臨床を通して,バイオブロック法やMEAW法などの習得をどう日常臨床に落とし込んだかを話した.深町太伊地氏(福岡県)は,「GPによる反対咬合への包括的治療」のなかで,一般開業医として矯正治療を行い補綴治療へ移行した症例を提示し,審美障害を抱えた患者へのアプローチについて示した.
 招待講演「補綴修復治療に求められる支台歯形成とは」で登壇した岩田 淳氏(兵庫県)は,マテリアルの発展とともに多様化しつつある支台歯形成について,デジタルとアナログの両面から具体的な症例を検討し,その手技を解説した.

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