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第39回日本障害者歯科学会総会および学術大会 開催される
 11月4日(金)~6日(日),標記会が【「いきる」を支援する歯科医療―地域医療と福祉の連携―】をメインテーマに倉敷市民会館・倉敷アイビースクエア(岡山県倉敷市)にて開催され,272題の演題,2,587名の参加者を集めた(大会長:江草正彦氏/中国地方障害者歯科臨床研究会 会長・岡山大学病院スペシャルニーズ歯科センター 教授).なお,本学会は,第2回AADOH(アジア障害者歯科学会 大会長:柿木保明氏/九州歯科大学歯学部 老年障害者歯科学分野 教授)との併催となり,一部WEBでのオンデマンド配信も行われた.
 学術大会初日には,「医療福祉」をテーマとしたプログラムが中心に組まれた.理事長講演「障害者歯科の歩みと展望」(演者:小笠原 正氏/よこすな歯科クリニック 院長・松本歯科大学 臨床教授),特別講演1「障害者のための「医療福祉」の到達点と次の目標」(演者:末光 茂氏/社会福祉法人旭川荘 理事長・川崎医療福祉大学),特別講演2「尊厳の保障~医療・介護・福祉の連携を基盤とした地域共生社会の実現~」(演者:江澤和彦氏/日本医師会 常任理事・医療法人和香会 理事長・医療法人博愛会 理事長)といった講演では,これまで障害者やその家族がおかれてきた環境や機会的格差の歴史から現在に至るまでの変遷,またこれからの未来を見据えた人権教育,医療福祉教育の推進によるノーマライゼーション実現に向けた認識を共有する機会となった.
特別講演1「障害者のための「医療福祉」の到達点と次の目標」(末光 茂氏)
特別講演2「尊厳の保障~医療・介護・福祉の連携を基盤とした地域共生社会の実現~」(江澤和彦氏)
 2日目は,自閉スペクトラム症を中心とした講演が多くみられた.教育講演2「歯科治療において配慮すべき自閉症の特性―コンサルテーションを通して見えてきたこと―」(演者:諏訪利明氏/川崎医療福祉大学医療福祉学部医療福祉学科 准教授),教育講演3「自閉スペクトラム症の学習スタイルに基づく支援の在り方」(演者:重松孝治/川崎医療福祉大学子ども医療福祉学科 講師)では,TEACCH(自閉症及び関連するコミュニケーション障害をもつ子どもたちのための治療と教育)を日本に広めた故・佐々木正美氏の考えを引き継いだ両演者の観点から自閉スペクトラム症への対応や考え方が示唆された.
教育講演2「歯科治療において配慮すべき自閉症の特性―コンサルテーションを通して見えてきたこと―」(諏訪利明氏)
 また,本学会では託児室が開設されており,一日の始まりと終わりには児童をつれた参加者の姿も多くみられた.こうしたしくみやオンデマンド配信が推進・活用されることで,学会参加の機会が均霑化されつつあることを実感した.なお,会期後のオンデマンド配信は11月15日(火)正午~30日(水)17時を予定.
 次回学術大会は,2023年11月10日(金)~12日(日),ホテルロイトン札幌にて開催予定である(大会長:八若保孝氏(北海道大学大学院歯学研究院口腔機能学分野 小児・障害者 歯科学教室).
次回大会長の八若保孝氏

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